今回の【評価レビュー】は「新型 レクサス NX 300 F SPORT(4WD)」。2014年に登場した、MクラスのクロスオーバーSUV(5ドア)です。
「レクサス」が生まれたのは、今から30年前のアメリカ。当時、高級車メーカーとして確固たる地位を確立していた「メルセデスベンツ」や「BMW」を相手に互角以上の戦いを見せ、急激にシェアを伸ばしてました。人気の秘密はレクサスならではの高い品質と、きめ細やかなサービス。当時の日本車のイメージは「安くて耐久性が高い良品」というものだったんで、高級路線のレクサスが売れまくったのには僕も驚きました。
「レクサス NX」は、そんなレクサスが製造販売する都会派のコンパクトSUV。兄貴分の「レクサス RX」が北米市場の女性をターゲットにしているのに対して、「NX」は欧州やアジア市場にも目を向けたグローバル戦略車です。
ぎゅっと凝縮されたコンパクトボディを持つプレミアムSUVで、レクサス系のSUVとしては「レクサス UX(2018年登場)」の次に小さいです。
取り回しの良いボディや上質な雰囲気、プレミアムカーにしては手頃な価格、スポーティな走りなんかが受けて2014年の発売から現在までずっと安定した人気があります。
「新型 レクサス NX 300 F SPORT(4WD)」の概要
「NX」の開発コンセプトは「プレミアム・アーバン・スポーツ・ギア」。スポーティな雰囲気を楽しむ都会派のプレミアムSUVってところでしょうか。ガチガチのクロスカントリーじゃないんで、駆動方式は4WDに他に2WDもあります。
レクサスのSUVシリーズは、「トヨタ・ハリアー」の兄弟車でもある「レクサス・RX」を皮切りに、その下位モデルとなる「NX」。最上級モデル「LX」、さらに2018年に最も小さな「UX」が登場して全部で4モデルとなってます。
ということで、上位モデルから順番に並べると「LX」→「RX」→「NX」→「UX」という流れになります。
「F SPORT」グレードはスポーティバージョン
「F SPORT」グレードは、「電子制御ダンパー」やボディ側の「パフォーマンスダンパー」、「Fスポーツ専用18インチアルミホイール」などを装備したスポーティグレードです。
標準仕様との違いは大きくありませんが、コーナリングでの落ち着いた動きや直進でのフラットな安定感など、操縦安定性とか乗り心地が良くなってます。
プラットフォームなど
基本となるプラットフォーム(車台)は、「ハリアー」にも使われる新世代アーキテクチャー「MCプラットフォーム」。軽量高剛性ボディによる高い安全性能と優れた運動性能、燃費効率の良さを実現しています。
組み合わされるパワートレーンは、「NX300」用の「直列4気筒2.0Lツインカムターボ」。「NX300h」用としては「直列4気筒2.5リッターエンジン+電気モーター」を設定してます。「NX300h」用のハイブリッドシステムは、「トヨタ・カムリ」に使われているものと同じです。
ライバルは、MクラスのプレミアムSUV
ライバルは、MクラスのプレミアムSUV。「メルセデスベンツ・GLC」や「BMW・X3」。「アウディ・Q5」などです。
マイナーチェンジ情報
2017年に初めてのマイナーチェンジを実施。内外装の小変更とグレード体系の見直し(NX200tからNX300へと名称変更)、先進安全技術の機能強化。足回りの熟成など見えない部分にもしっかりと手が加えられています。
外観
全長4640mmX全幅1845mmX全高1645mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2660mmとなります。
フロント
大胆に口を拡げたスピンドルグリルに鋭いLEDヘッドライト。高められた最低地上高とV字型のLEDライナーが組み合わされ、スポーティで力強いフロントフェイスを構成。
サイド
硬い金属から削り出したようなサイドパネルに、クーペのようになだらかなルーフライン。がっしりとした前後フェンダーアーチが相まって、上質でソリッド感あふれるサイドビューを表現しています。
リア
小さく絞り込まれたキャビン(居住スペース)にグラマラスなヒップライン。鋭いV字型リアコンビランプと、ダイナミックなデュアル・エキゾースト・パイプフィニッシャーを装備。キビキビとした軽快感を感じさせる後ろ姿。
マイナーチェンジによってデザインの一新されたリアコンビランプと、流れるように点灯する「LEDシーケンシャルターンシグナル」を採用。
内装
しっとりとしたソフトパッドに鈍く輝くパタリックパーツ。本革シートを組み合わせたスポーティで上質な室内。
メーターナセルには視認性の高い二眼メーターを装備。10.3インチに拡大されたナビゲーションモニターは、視線移動の少ないフローティングタイプ(センタークラスター最上段)。
Aピラーの根本には三角窓が装備され、死角領域を最小限に押さえています。
シート
フロントシートは、強固なバックシェルにコシのあるクッションとしなやかな表皮を組み合わせた、快適性の高いシート。適度なサイドサポートも装備され、肩まわりから腰、太ももにかけて包み込むように支えます。
リアシートのフロント同様に上質な座り心地。座面、背もたれの長さともに十分で、長時間のドライブも苦になりません。
荷室
荷室には広大なスペースを確保。家族4人程度なら荷物の嵩張るキャンプ遊びも可能です。
開口部の形がスクウェア(四角)なので、積み下ろしが楽。パワーパックドアも装備され、足先をリアバンパー下に差し込むだけで自動的に開閉することができます。
静粛性
車内には遮音材や吸音材がふんだんに装備され、プレミアムカーにふさわしい質感をそなえています。
エンジンとミッション
1998cc・直列4気筒DOHCターボエンジンに、6速ATが組み合わされます。
最高出力238ps/4800-5600rpmと、最大トルク35.7kgf・m/1650-4000rpmを発揮。
車両重量 1800kg。JC08モード燃費は、12.4km/l。
エンジン
2.OLのツインカムターボで4輪を駆動(4WD)。低速からフラットでぶ厚いトルクを発生する扱いやすいエンジン。アクセル操作に対するレスポンスも素晴らしく、意図したパワーを瞬時に生み出します。
マイナーチェンジによって、わずかにスムーズさや静粛性が向上。プレミアムカーにふさわしいパワーユニットです。
トランスミッション
トルコン式の6速ATを装備。ぶ厚いトルクを活かして、低回転を維持しながらポンポンとスムーズに変速。プレミアムカーにふさわしい上質な変速フィールです。逆にアクセルを強く踏み込めば、高回転を維持して鋭い加速感を作り出します。
乗り心地とハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化。
乗り心地
装着タイヤは235/55R18。
高剛性ボディにスポーティなサスが組み合わされ、適度に引き締まったしなやかな乗り味です。マイナーチェンジによってしなやかさが強調され、スポーティな中にもしっとりとした上質感があります。
目地段差やジョイントでは多少のバタつき感が残るものの、小さな衝撃はまろやかに緩和され不快なゴツゴツ感はありません。
リアの接地性が高く、高速域でも安定して直進。不意のわだちや横風に進路を乱されることも少ないです。
ハンドリング
軽快感あふれるスポーティなハンドリング。ステアリングセンターからの微小舵角にも正確に反応して、素直にノーズの向きを変えます。
SUVにしてはロールが少なく挙動変化も予測しやすいため、安心して運転を楽しむことができます。
最小回転半径は5.6mと標準的なレベル。
その他
先進安全技術は最新の「LEXUS SAFETY SYSTEM +」搭載。
このシステムには、予防安全技術として衝突被害を予防・軽減する「プリクラッシュ・セーフティシステム(歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプ)」や車線逸脱を警告する「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付き)」といった技術を。
運転支援技術として適切な車間距離を保って追従する「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」や対向車にハイビームを当てない「アダプティブハイビームシステム」、自動的にハイビームを点灯する「オートマチックハイビーム」といった技術を含みます。
【評価レビュー】のまとめ
「レクサス NX 300 F SPORT(4WD)」は、レクサス最小となるクロスオーバーSUV。スポーティな乗り味とプレミアムカーにしては手頃な価格、日本市場に合った扱いやすいサイズ感が受け安定した人気を維持するモデルで、トルクフルでレスポンスの良い2,0Lツインカムターボも魅力です。
今回のマイナーチェンジでは、スポーティなスタイリングがさらに鋭さを増し、乗り味もしなやかさで上質なものへとアップデートされています。
「プレミアムSUVのデザインは好きだが、サイズが大きすぎて乗りにくそう」とか、「走りの楽しいプレミアムSUVが欲しい」といった人にピッタリな車です。
中古車市場では
2017年式「レクサス NX 300 F SPORT(4WD)」で400万円前後(2020年3月現在)。
新車価格
価格 | 5,444,000円(消費税込み)