「トヨタ・アルファード」が欲しいなら知っておきたい、「デメリット」と「メリット」

トヨタ・アルファードが欲しいなら知っておきたいデメリットとメリット

「トヨタ・アルファード」は、トヨタが誇る高級ミニバンです。販売面も絶好調で、その売上台数はコンパクトカーの「ヴィッツ」とか「アクア」なんかと肩を並べるっていうんですから驚きます。

驚くのは販売台数ばかりじゃなくて、中身も高級車としてしっかりと作り込まれてます。その分価格は高価で、300万円台から700万円台と日本車としてはかなり高額な部類。これだけのお金を出すんですから、購入した後に「こんなはずじゃなかった」なんて後悔はしたくありませんよね。

ということで今回は、そんなアルファードの「デメリット」と「メリット」を詳しく解説していきます。購入する予定のある人はここでしっかりと予習して、自分に合った車かどうかバッチリ判断してください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「アルファードのデメリットとメリットのまとめ」からどうぞ↓
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トヨタ・アルファードの「デメリット」7つ

まずは「トヨタ・アルファード」の「デメリット」を7つほど紹介します。「デメリット」からなのは、購入する人はこっちの方が気になるだろうなと思うからです。逆に後で「メリット」を知っても、後悔する人はいませんからね。

好き嫌いのハッキリしたスタイリング

アルファード一番の特徴は、その押し出しの強いスタイリングです。最近は見慣れた感もありますが、登場した当初は僕も「なんでここまでド派手なんだ?」と不思議に思ったもんです。

アルファードが気に入って買う人なら、「このスタイリングが良いんだよなあ」となるんでしょうが、ひょっとしたら家族や友人、会社の上司からの受けはイマイチかも知れません。「人の意見なんてどうでも良い」という考えなら問題ありませんが、そうで無い場合は周りの人(特に大事な人)に予めリサーチしておいた方が良いでしょう。

ボディが大きすぎる

トヨタ・アルファード(2.5X)のボディサイズは、「全長4945mmx全幅1850mmx全高1935mm」と国内では最大級。

これに対してライバルの日産・エルグランド(250XG)は「全長4915mmx全幅1850mmx全高1805mm」。ホンダ・オデッセイ(G・エアロ ホンダセンシング)で「全長4840mmx全幅1820mmx全高1695mm」。同じクラスのエルグランドでも全長と全高が若干小さく、オデッセイの場合は全体的に一回り小ぶりです。

意外に運転しやすい

これだけボディがでかいと、日本国内の狭い道や駐車場では取り回しに困ります。ただし、困るといってもそれは物理的に小さな場所に入れないというだけで、心理的な取り回しは比較的楽です。

バックモニターやミラーの力を借りれば死角は最小限ですし、目線が高く鼻先(フロントウィンドウから前)が短いので車両感覚が掴みやすいんです。要するにボディギリギリまで寄せることが割と簡単にできます。

日本車にしては価格が高い

トヨタ・アルファードの価格帯は、300万円台から700万円台と日本車にしては高めです。

最上級モデル「ハイブリッド エグゼクティブラウンジS」だと「7,752,000円」ですから、メルセデスベンツ Eクラスのベーシックグレード「E200d アバンギャルド(7,340,000円)」が買えちゃいます。

まあ、もちろん、アルファードは複雑な「ハイブリッドシステム」を搭載していて、Eクラスは「1.5リッターのダウンサイジングターボ」ですから単純に比較はできませんけど。アルファードにはそれだけ高価なシステムが搭載してあるってことです。

アルファードの内容に満足して買うなら決して高い買い物じゃありませんが、アルファードの見た目や上質感だけに価値を見出している場合はちょっと躊躇しちゃいます。

コストパフォーマンスで選ぶなら「2.5系」がオススメ

そこでオススメなのが、2.5リッターの直列4気筒エンジンを搭載するベーシックグレード「2.5系」です。パワーこそ最上級モデルには及びませんが、アルファードのスタイリングや上質感を味わうならこれで十分だと思います。現に、アルファードシリーズで一番売れているグレードもこの「2.5系」です。

「2.5系」は車重に対してパワーが足りない

さっき紹介した「2.5系」は、見た目や上質感を味わうだけならコストパフォーマンスの高いグレードです。

ただし、車両重量1920kgに対して最高出力が「182ps/6000rpm」で最大トルクが「24.0kg・m/4100rpm」ですから、重い車重に見合ったパワーがあるとはいえません。荷物や人をある程度乗せて加速する時や、急な坂道を駆け上がる時にもっさりしてしまいます。といっても普通に街中を流すくらいなら十分ですけどね。

「ハイブリッド」以外は燃費が悪い

アルファードの「パワーユニット」には、「2.5リッター直列4気筒エンジン」と2.5リッター直列4気筒と電気モーターを組合せた「ハイブリッド」。「3.5リッターV6エンジン」の3種があります。

このうち「2.5リッター直列4気筒エンジン」を搭載する「2.5X」の燃費はJC08モードで「11.6km/l」。「ハイブリッド」を搭載する「ハイブリッドX」の燃費が「19.4km/l」。「3.5リッターV6エンジン」を搭載する「3.5SC」で「10.8km/l」です。

というように「ハイブリッド」以外は燃費が悪いです。実際の燃費はカタログ値の8割り程度と言われますので、実際の燃費は「2.5X」で「9.3km/l」。「3.5SC」で「8.6km/l」くらいでしょう。

しかも「3.5SC」はプレミアムガソリン指定なんで、お財布に対するダメージはかなり大きいです。

街中で同じ車(アルファード)に会いやすい

コンパクトカーと同じくらいバンバン売れているということは、それだけ街中で同じアルファードとすれ違う確率も高くなります。

これは「他の人と同じ車は嫌だ」とか、「人とは違った個性を車で表現したい」なんて考えている人にはデメリットです。個人的には「人が何に乗っていようが、自分が良ければそれでいい」と思うんで大して気になりませんが。

カスタムパーツで目先を変えるという手も

アルファードはカスタムパーツが純正と社外でたくさん販売されているんで、それでちょっと目先を変えるってテクニックもありますしね。

まあそれでも、隣の人や親友など、超身近な人が同じ車で色まで一緒となると流石に厳しいです。

運転の「楽しさ」は少なめ

アルファードは車重が重く全高も高いので、キビキビとした運転の楽しさはありません。

ただし、モデルチェンジでリアサスが高価な「ダブルウィッシュボーン式」になったんで、ハンドリングに不自然な感じはありません。コーナリング中はある程度車体を傾けつつゆったりと曲がるセッティングで、高級車にふさわしい上質感があります。車体の傾きは一定の速度で推移するので、予測しやすく怖さも無いです。

まあ、「アルファードでスポーティに走りたい」なんて思っている人はそうそういないでしょうから、このくらいゆったりしている方がふさわしいと思います。

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トヨタ・アルファードの「メリット」7つ

ここからは一転して、アルファードの「メリット」について紹介していきます。

まあ、この記事を読んでいる人は元々アルファードにある程度興味のある人でしょうから、アルファードのメリットや魅力についてもそれなりの知識があると思います。

そんなわけで、さらにこれから紹介するメリットを読んで、デメリットと比較しながらアルファードを買うかどうかの判断材料にしてもらえると嬉しいです。

押し出しの強い外観デザイン

最初に「デメリット」として紹介した外観デザインですが、逆にこれはアルファード一番の魅力でもあります。大きな四角いボディに超巨大なメッキグリルが装備され、なんともいえない押し出しの強さがあります。

目線もかなり高いんで、両脇に大型トラックが停まっても圧迫感は大して無いです。存在感としても、ベンツが横に並んだくらいでは全然見劣りしませんし。所有欲を満たされるというか、とにかく堂々とした感じがあるんです。

実利的なメリットもある

この「押し出しの強い外観デザイン」ですが、見た目だけじゃなくて実利面でもかなり大きなメリットがあります。

例えば脇道から本線に合流する時、本線側の車が軽くブレーキを踏めば自然に合流できる場合です。合流してくる脇道側の車が小さな軽自動車だと、クラクションを鳴らされたり煽られたりする可能性が高いです。

こんな時でもアルファードなら、外観に迫力があるせいかスムーズに合流させてもらいやすいです。こっちが本線側のケースでも、相手がアルファードだとなんだか無意識に入れてあげたくなります。こういうのって、動物の本能的な何かなんでしょうねえ。専門的な知識が無いんで、正確なところは分かりませんが。

広々とした室内と大きな荷室

アルファードはボディが巨大な分、室内も相当広いです。さらにボディ形状が四角形に近いため、スペースギリギリまできっちりと室内空間として使えます。たとえボディサイズが全く同じでも、アルファードのように四角いボディの方が曲線を主体にしたボディより広く使えるんです。

フロントシートとセカンドシート

そのおかげで、フロントシートとセカンドシートの足元および頭上空間はかなり広くなってます。セカンドシートは3人座りの「チップアップシート(ベンチシート)」と、左右に一人ずつ独立した「キャプテンシート」があります。どうしても8人乗りが良いという特別な事情が無い限り、ゆったりと座れる「キャプテンシート」の方がオススメです。スライドさせて後ろまで下げれば、足元空間を広げてビジネスクラスのような使い方もできますし。その場合、格納式のオットマン(足枕)を使えばさらに快適になります。

サードシートも普通に使える

室内に余裕があるため、サードシートもこの手のミニバンとしては大きめ。足を抱え込むようにして、窮屈な姿勢を強いられることもありません。クションの厚み、柔軟性、サイズともに実用に耐えるレベルを確保してます。まあ、もちろん、フロントやセカンドシートにはおよびませんが。

荷室も広い

そのサードシートを一番後ろまで下げても、シートの下にそれなりのスペースがあり、全高が高く幅も広いので結構な荷物が積めます。深さのある床下収納も付いてます。さらにサードシートを折りたたんで左右に跳ね上げれば、広大な荷室スペースが出現します。これなら家族4人で荷物のかさばるキャンプ遊びも余裕です。

乗り心地が良い

3代目アルファードの開発コンセプトは「大空間高級サルーン」。ドンガラが大きなだけのミニバンじゃなくて、本当の意味での高級車として開発されたってことです。

その証拠に、モデルチェンジでリアサスがスペース効率を重視した簡素な「リジッド式サス」から、複雑な機構を持つ「ダブルウィッシュボーン式サス」になってます。

「リジッド式サス」は構造が簡単でコストも安いため、コンパクトカーとか商用車に使われることが多いです。これに対して「ダブルウィッシュボーン式サス」は構造が複雑でコストがかかる反面、動きがスムーズという特性があります。どちらが優れているということじゃなくて、単純に特性が違うということです。もちろん、良く出来たリジッド式サスとイマイチなダブルウィッシュボーン式サスを比べれば、リジッド式のほうが乗り心地が良いなんてこともありますので構造だけでは比較できません。アルファードの場合は、良く出来た乗り心地の良いサスになってます。

2017年にマイナーチェンジ

2017年のマイナーチェンジでさらにボディ剛性とダンパーの強化を実施。元々良かった乗り心地に磨きがかかってます。乗り心地ってのは足回りだけの話かなと思いきや、ボディ剛性や遮音性、シートの座り心地なんかが複雑に絡みあってるんですねえ。

パワフルな走り

「デメリット」のところでも書いた通り、2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載する「2.5系」のパワーに有り余る余裕はありません。

爆発的な加速力なら「3.5系」

ただし、それ意外の「ハイブリッド系」と「3.5系」は別格。特に3.5リッターV6エンジンを搭載する「3.5系」の加速力は爆発的で、2tあまりのボディを物ともせずにグイグイと加速していきます。

高級ミニバンらしい上質感なら「ハイブリッド系」

2.5リッター直列4気筒と電気モーターを組み合わせる「ハイブリッド系」は、電気モーターのアシストを得て低速トルク感が充実してます。音も静かなんで、高級ミニバンらしい上質感なら「ハイブリッド系」で決まりでしょう。

質感が高い

しつこいようですが、アルファードの開発コンセプトは「大空間高級サルーン」です。これは広告を飾るだけの謳い文句じゃなくて、アルファードを本当の意味での高級車にしてます。

当然ながら普通の大衆ミニバンと比較すると、アルファードの質感はかなり高いです。それは目に触れる部分である「外観」や「内装」だけじゃなくて、乗り心地やパワーの出方、ハンドリングやシートの座り心地まで色々なところに出てます。

外観デザインの質感

どうしても迫力のある外観に目を奪われがちですが、アルファードの外観をじっくり見てみると塗装のツヤは深いしボディのチリ(合わせ目)もしっかり合ってます。細かな部分まで緻密にデザインされているので、全体で見た時の質感が高いんです。

内装デザインの質感

元々、内装の仕上げに定評のあるトヨタですが、高級車を仕立てる時はさらに力が入ってます。キメの細かい樹脂パッドに本物そっくりの木目調パネル。金属から直接削り出したような質感のセンタークラスター(インパネ中央)まわり。

最上級ナッパレザーの質感が高いのは当然として、普通のファブリックシートも安っぽい感じはありません。高級ミニバンにふさわしい清潔感は、ファブリックならではでしょう。最近高級車界隈で流行している間接照明「LEDルーフカラーイルミネーション」も付いてます。

乗り心地やハンドリングについては上の章でも触れているので、ここでは繰り返しません。ちょっともどって、「乗り心地の良さ」や「パワフルな走り」、「運転の楽しさは少なめ」あたりの章をごらんください。

疲れにくい

アルファードは「乗り心地」が良くて「静か」、一部グレードを除いて「走り」もパワフル。目線が高いので、ボディサイズの割には運転がしやすいです。

要するに外部からのストレスが少ないので、長距離ドライブをしていても疲れにくいんです。

「疲れにくい車」については、その理由と共に下の記事でも紹介してます。よかったらどうぞ↓

長距離運転でも疲れない車

【コラム】長距離運転でも疲れない車(ランキング付き)

2016年7月28日

下取り価格(リセールバリュー)が高い

というようにたくさんの魅力を持った「トヨタ・アルファード」ですが、そのかいあって中古車市場でも人気が高いです。

通常、車の下取り価格(リセールバリュー)は3年で半額となることが多いんですが(自分の経験とか雑誌などの情報を含め)、アルファードの場合は3年で8割の下取り価格が付くこともあります。これは、年式や車の状態にもよりますが、それだけアルファードの人気が高いってことです。

次の車が安く買える

下取り価格が高いということは、車を乗り換える時、次の車をそれだけ安く買えることになります。

例えば、400万円の車を買って、次も400万円の車に乗り換えるケース。下取り価格が半分だと、車を乗り換える時に200万円の追金が必要です。

これが下取り価格で8割なら、追金は80万円で済みます。要するに120万円得をするのと同じなんです。ということで多少アルファードが高くても、十分元が取れる計算になりますねえ。その差額を貯金してもいいですし、旅行や食事にも行けます。僕なら一つ上のグレードを購入したり、オプションを追加するかもしれません。

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アルファードの「デメリット」と「メリット」まとめ

ここまで、トヨタ・アルファードの「デメリット」と「メリット」をそれぞれ7つずつ、合計で14個紹介してきました。

「デメリット」といってもある一部のグレードだったり、使い方によっては対して気にならないものもあります。

「メリット」の章を読んでもらえば分かる通り、デメリットがメリットの裏返しになってるなんてことも多いです。特にアルファード最大の魅力である「広い室内」とか「押し出しの強い外観デザイン」は、「目立たない車の方が良い」とか、「コンパクトカーの方が運転しやすい」なんて考えている人にとってはどうしようもないデメリットになります。

といってもここまでしっかり読んでもらえば、大方の「デメリット」と「メリット」は頭に入っているはずです。後は自分の好みや使い方に合わせて、ピッタリかどうか判断するだけです。

例えば、「押し出しの強い外観デザインを見せびらかしながら、重厚感あふれる高級車の走りを堪能したい」とか、「家族や荷物をたくさん積んで、長距離ドライブを楽に楽しみたい」って人なら「トヨタ・アルファード」は最高の相棒になります。

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)