「トヨタ・アルファード(3代目)」の乗り心地をチェック!

「トヨタ・アルファード(3代目)」の乗り心地をチェック!

「トヨタ・アルファード(3代目)」の乗り心地は、基本的に重厚感のあるしなやかな感じです。ただし、3種類のパワーユニットを軸にたくさんのグレードがあるんで、それぞれ若干乗り心地が違います。

「2.5リッターエンジン」は車重が軽いんで、乗り心地は柔らか。「ハイブリッド」や「3.5リッター」は相対的に重いので、しなやかな中にもどっしりとした重厚感があります。

さらにベーシックなグレードの装着する「16インチタイヤ」は柔軟性が高く、上級グレードに装着される「18インチ」は硬めの乗り心地です。

「乗り心地」というのは、タイヤやサスペンションだけじゃなくて、ボディ剛性やシート、パワートレーンなんかも複雑に絡み合って表現されてます。ということで今回は、「アルファード」の足回りを中心に、内装やパワートレーンなんかについても詳しく解説していきます。

取り上げるグレードは2.5リッターガソリンエンジンを搭載する「2.5 S Cパッケージ」。比較する形でその他の「V6 3.5リッター」や「ハイブリッド」についても触れてます。

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「トヨタ・アルファード(3代目)」の概要

「トヨタ・アルファード」は、トヨタが誇る高級ミニバンです。兄弟車には、外装デザインが違うだけで中身はほとんど同じ「ヴェルファイア」もあります。

この「高級ミニバン」というジャンル、元々「日産・アルファード」が先駆者だったんですが、今では「アルファード&ヴェルファイア」だけで市場の7割以上を占めてます。その人気は価格の安い「ヴィッツ」や「アクア」、「プリウス」なんかと肩を並べるくらい。利幅の大きな高級車がコンパクトカーと同じくらい売れるんだから、トヨタとしても笑いが止まらないでしょうねえ。

アルファードの価格帯は、300万円台から700万円台。その中でも一番売れているのは、相対的に価格の安い「2.5リッターガソリンエンジン搭載車」です。要は動力性能よりも、見た目の迫力とか上質感を求めてアルファードを買ってる人が多いってことです。

開発テーマは「大空間高級サルーン」。ちょっと上質なミニバンじゃなくて、本格的な高級車として開発されてます。その証拠に、今回からリアサスは乗り心地を重視した「ダブルウィッシボーン」に変更。モデルチェンジで車軸式になった「ホンダ・オデッセイ」とは、逆の進化をしているところがちょっと興味深いです。

プラットフォームなど

プラットフォームは、エンジン横置きのFFレイアウト。乗り心地とか室内空間の広さを重視するなら、このレイアウトが一番でしょう。

ライバルは

ライバルは同じLクラス高級ミニバンの「日産・エルグランド」。ちょっと価格帯は下がるけど、「ホンダ・オデッセイ」も選択肢に入ります。

「アルファード」や「ヴェルファイア」のオラオラ感が苦手という人には、ちょっと大人しめの「エルグランド」がオススメです。

対する「オデッセイ」の価格帯は、ガソリン車が200万円台から300万円台。ハイブリッド仕様は400万円前後と「アルファード」と比べればかなりお買い得になってます。「アルファードじゃ高すぎて手が出ないよ」という人は一度乗ってみてください。価格の割に満足感は高いと思います。

マイナーチェンジ情報

2017年にマイナーチェンジ。内外装のアップデートと共に、エンジンや足回り、ボディ剛性も強化されてます。

今回のマイナーチェンジで、「3.5リッターV6エンジン」がレクサスGSにも搭載される新型の直噴エンジンになりました。組み合わされるトランスミッションも、6速から「8速AT」に多段化されてます。

さらに先進安全技術「Toyota Safety Sense」も大きく進化。プリクラッシュブレーキが強化され、夜間の歩行者検知や昼間の自転車検知にも対応してます。

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室内

アルファードの室内は、上質な素材を組み合わせた重厚感のあるデザインになってます。300万円台からという値段を考えても満足できる仕上がりです。

ボディが大きいといっても、ハイエースやランドクルーザーのように「よっこらしょ」とよじ登る感じはありません。フロアよりも低い位置に乗降用ステップ(350mm)があり、スライドドアの開口部も大きいんで乗り降りはしやすいです。

目線が高いこともあって、ボディのわりに取り回しやしやすいと思います。街中でもよく小柄な女性がアルファードに乗っているのを見かけますから、その辺の心配はないでしょう。まあ、もちろん、体型とシートの相性は個人差が大きいんで、購入前には必ず試乗してみてください。

アルファードのシート

室内の「乗り心地」に関わる部分としては、シートの出来不出来が一番気になります。

フロントシート

アルファードのような高級ミニバンの場合、セカンドシートに重要な人を乗せることが多いので、セカンドシートの乗り心地を優先して設計したいところです。

ただし、セカンドシート周りにはスライドドアによる大きな開口部があるんで、ねじれや微振動が発生しやすく、どうしてもフロントシートの方が乗り心地が良くなちゃいます。フロントシートは段差を通り過ぎた時の突き上げ感もまろやかで、「アルファードの特等席は助手席かなあ」って感じです。

セカンドシート

セカンドシートはグレードに合わせて4つの種類があります。まずは、8人乗り用で6:4分割機構のついた「チップアップシート(3座)」。7人乗り用でスタンダードな「リラックスキャプテンシート(2座)」。それよりちょっと上級になる7人乗り用の「エグゼクティブパワーシート(2座)」。さらに最上級の7人乗り用「エグゼクティブラウンジシート(2座)」です。

この中で最上級となる「エグゼクティブラウンジシート(2座)」は、上質なナッパレザーが使われていて肌触りも座り心地もバツグン。幅が100mm広く肘掛けもついているので、ゆったりと座れます。さらに「電動式オットマン」もあるんで、まさに最上級の乗り心地です。

だからといって下位グレードの座り心地が悪いかというと、そんなことはありません。上級グレードよりもクッションに柔軟性があるんで、好みによっては「下位グレードの方が好き」なんて人もいると思います。

サードシート

アルファードのサードシートは、Mクラスミニバンとか大型SUVにありがちな「緊急用シート」じゃありません。大人二人が十分座れるだけのスペースと容量があります。先代のアルファードと比較すれば、クッションの柔軟性も増していて身体をしっかりと支える構造になってます。

もちろん、フロントやセカンドシートに比べればクッションが薄く乗り心地もいまいちです。ボディの中心から離れていることもあって、若干上下の揺れが気になります。

荷室

サードシートを広げて一番後ろまで下げていても、一泊旅行とか買い物に行くくらいなら十分な容量があります。さらに、サードシートを横に跳ね上げて収納すれば、4人家族でキャンプに行ってバーベキューを楽しむくらいは余裕です。

さらに床下には大容量の収納スペースもあります。

静粛性

ボディが大きいせいでやや風切り音がありますが、基本的にアルファードの静粛性は高いです。

ただし、2.5リッターはパワーが必要最小限しか無いので、坂道なんかで無理に加速しようとするとガーガーとノイズを高めちゃいます。街中を普通に流している分には、気にならないレベルですが。上質な静けさを求めるなら、エンジンノイズを高めにくいハイブリッド仕様が一番だと思います。

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パワーユニットとトランスミッション

2493cc直列4気筒ガソリンエンジンに、CVTの組み合わせ。
カタログスペックは、最高出力182ps/6000rpm、最大トルク24.0kgf・m/4100rpm。

車両重量2010kg。JC08モード燃費、11.4km/l。

パワーユニット

2.5リッターのツインカムエンジンで前輪を駆動(FF)。3.5やハイブリッドと比較すると絶対的なパワーは控えめだけど、2tあまりのボディを加速させるだけのトルクはあります。どちらかといえば低速トルク型なんで、街中では意外と扱いやすいです。

とはいえ、上級グレードのような余裕はありません。坂道で加速をしかけたら、エンジンノイズがガーガーと高まります。

これに対してV6の3.5リッターは、3つのパワーユニットの中で一番パワフル。低速からモリモリ湧き上がるトルクを使って力強く加速します。レスポンスも良くて、アクセルを軽く踏み込むだけで十分な加速が得られます。しかも加速中のフィールは、高級ミニバンにふさわしい上質なものです。

ハイブリッドは動力性能やパンチでこそ3.5リッターに及ばないものの、スムーズな上質さでは3.5リッター以上。もちろんエネルギー効率(ハイブリッドXで19.4km/l)も抜群なんで、ガソリンを節約したいならこのグレードを選ぶしかありません。

トランスミッション

2.5リッターは、ベルトとプーリーによって無断階に変速するCVTを搭載。控えめなエンジンパワーを補って、賢く立ち回る感じが好印象です。構造的に変速段がないんで、スムーズなのも高級ミニバンにあってます。

これ対して3.5リッターは「8速AT」を、ハイブリッドは「電気式CVT」を組み合わせます。

新開発された3.5リッター用「8速AT」は、燃費性能を重視しているせいかアクセルに対するレスポンスがイマイチ。まあ、街なかでゆったりと加速している分にはそれほど気になりませんが。もうちょっとキビキビしている方が好みです。ハイブリッドの「電気式CVT」はいつもながらのトヨタ流で、ガソリン車から乗り換えても違和感がありません。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、235/50R18。

2017年のマイナーチェンジで、乗り心地も良ずいぶん良くなりましたねえ。

具体的な改良点は「構造用接着剤」の使用範囲を拡大したり、「窓ガラス用の接着剤」をより剛性の高いものに変更したり、さらに「ダンパー」そのものを改良したりなど結構幅広いです。

乗り心地というのは一般的に車重が重いほうが有利なんですが、車重の軽い2.5の乗り心地も良くなってます。3.5やハイブリッドに比べれば、重厚感では負けますが柔軟性が高くソフトな乗り心地です。

橋脚ジョイントなど路面の段差では不快な突き上げ感も無く、滑らかかつ上質な乗り味になってます。

高速域での安定性も高く、長いホイールベース(前輪と後輪間の距離)を生かしてまっすぐに直進。ステアリングをチョコチョコ修正する必要が無いんで、ロングドライブも楽ちんです。

ハンドリング

重心の高い大型ミニバンにしては、ハンドリングが正確で思った通りのラインを描きやすい。3.5やハイブリッドと比べると、2.5は相対的に鼻先が軽い分だけ動きが軽快なんです。もちろんスポーツカーのような俊敏さは無くて、操舵に対する反応も穏やか。癒し系のハンドリングになってます。

そりゃあ大型ミニバンですから、多少のロールは許します。ただし、揺れの出方が控えめで予測もしやすいんで、変な不安感はありません。安定した姿勢を維持したまま、キレイなフォームでコーナーをクリアしていきます。

最小回転半径は、5.8m。大柄なボディと相まって、小回り性能はイマイチ。ただし、目線が高いんで意外と運転はしやすいです。

「トヨタ・アルファード(3代目)の乗り心地」まとめ

「トヨタ・アルファード」には、「2.5リッターの直4エンジン」と「3.5リッターのV6エンジン」、「ハイブリッド」の3モデルを中心にたくさんのグレードがあります。

その中で一番乗り心地がソフトなのは、「2.5リッターの直4エンジン」に16インチタイヤを装着したベーシックグレード。高級ミニバンらしい重厚感を持つのが「3.5リッターのV6エンジン」の18インチタイヤ装着グレード。上質感と重厚感、適度な柔軟性を併せ持つバランスの良いグレードが「ハイブリッド仕様」の16インチタイヤ装着グレードです。

その中でアルファードらしい高級感を存分に味わいたいなら、「ハイブリッド」をオススメします。僕が個人的に買うなら、コストパフォーマンスの高い「2.5リッターの直4エンジン」を搭載するベーシックグレード「2.5X」あたりかなあ。ベーシックグレードといってもアルファードなら乗り心地も良いし、見た目の迫力は上級グレードとそう変わりません。なんといっても、値段が安いのが最高です。

新車価格

4,464,900円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)