はじめてこの車名を聞いた時は、「ミト?今度のモデルは日本に由来があるのかな?」と思いました。
しかし実際はイタリアの「ミラノ」と「トリノ」の頭を組み合わせた造語だそうです。
安直なネーミングのような気もしますが、アルファロメオがやると俄然オシャレに聞こえちゃいますね。
外観
上級のジュリエッタよりも、まとまり感がありかっこいいと思います。
最初に写真で見た時は、昔の丸目の三菱ミニカにそっくりだと思いました。
ただ実車を見てみるとそんな事はなく、プロポーションも面の構成もディティールから質感まで全く違う車です。
硬く塊感のあるボディの上に小さなキャビンが載っているので、低く地面に張り付いたようなプロポーションです。
張り出したフェンダーが太くがっしりしているので、とても力強いです。
塗装も艶やかで、なんとも言えない深みのあるソリッド系の白です。ロマンチックな色気があります。
リアランプやグラスエリアにモールが施されており、ボディのふくよかな面構成や盾型グリルとあいまって、そこはかとなくクラシックな趣があります。
コンパクトな前輪駆動車としては、キャビンの位置が少し後ろに下がり気味です。これもクラシックでスポーティな印象を与えている一因でしょう。
内装
いままでファブリックだったシートは、標準で本革(Frau製)となります。雰囲気のいいクラシックな印象の質感です。
カーボン調のインパネは廃止され、スポーティなシボの施された普通の素材感のものに変更されています。
昔から言われていることですが、アルファロメオの運転席は手足が長い人を基準に設計されているので、日本人にはベストポジションが取りにくいです。
高級感はないのですが、簡素でスポーティなかっこよさがあります。安っぽいということは全くありません。
デザイン自体はモダンで現代的なんですが、ディティールに昔ながらのモチーフが引用されていたり、素材感がなつかしかったりすることで、クラシックスポーツカーをイメージさせます。
エンジンとミッション
6速TCT(デュアルクラッチ)に1.4Lインタークーラーターボが組み合わされています。
「ツインエア」と呼ばれるこのエンジンは、低速からしっかりトルクが出て扱いやすいです。
6速TCTとの相性もよく、リズミカルでスムーズな加速を実現しています。
コンソールには、DNAスイッチ(Dはダイレクト/Nはノーマル/Aはオールウェザー)というデバイスが装備されます。
これは「エンジン」「ステアリング」「ダンパー」の特性を電子的に制御する装置です。
「D」にするとエンジンの吹け良くなり、ステアリングは重くクイックな特性に、ダンパーは硬くしっかりとしたものに瞬時に切り替わります。
慣れてくればこのスポーティな「D」が楽しいと思いますが、穏やかな特性が好きな人には「N」がおすすめです。
このデバイスのスイッチ自体が、メカニカルなラギッド感溢れるかっこいいデザインなので、何度も触りたくなってしまいます。
足回りとハンドリング
減衰力可変ダンパーを搭載しており、足回りはしなやかで、しっかりした乗り心地です。
ロールを許容しつつも、奥でグリップして曲がっていくアルファロメオ独特のコーナリング特性です。
路面が小さく凸凹しているようなところでは、ハーシュネス性能が悪く若干突き上げがあります。
リアがトーションビームのせいかもしれません。
まあ車重の軽い車にはよく使われる方式なので、ミトが特別劣っているあけではありません。
コストが安くできるというメリットもあります。
評価のまとめ
はじめてミトを写真で見た時は、それまでの「156」や「159」のような男っぽい色気のあるデザインとはかけ離れているような気がして、少しがっかりしました。
ところが実際に見て触って乗ってみると、見た目はかわいくて女性でも乗れるようなデザインですが、依然として大人の色気のようなものがあります。
細部のディティールや質感、よく吟味されたデザインとアルファロメオらしい乗り味などがそう思わせるのでしょう。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4070mmX1720mmX1465mm
JC08モード燃費 | 14.6km/l
価格 | 3,240,000円(税込み)