新型 アルファロメオ ジュリエッタ 2016年式【試乗評価】ロマンチックでおしゃれな内外装と官能的なエンジン [ABA-940181]

今回の【試乗評価】は「新型 アルファロメオ ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ(3代目)」。
2010年にモデルチェンジした(日本市場への導入は2012年)、Mクラスの5ドアハッチバックです。

初代ジュリエッタは、第二次大戦で疲弊したイタリア本国やアルファロメオ自身を復興するため、開発されたアルファロメオ渾身のモデルです。

1954年に登場した2ドアクーペをベースに、4ドアセダンやオープントップを持つスパイダーとボディバリエーションを拡大。エンジンの強化などを経て1965年まで販売されてます。スポーティな走りやベルトーネによるスタイリッシュな外観、比較的安価な価格設定などが受けて欧州全域で高い人気となりました。あと、モータースポーツなんかでも活躍してたんで、スポーティなイメージが付いたのも良かったかもしれません。

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2018.01.23

その後、より高性能な「ジュリア」へと進化して一時的に「ジュリエッタ」の名前は消えちゃいますが、1977年に再び「2代目ジュリエッタ」が登場。クラシックな趣を残す初代に対して、2代目は箱型ボディをベースにした端正なスタイリングで、このモデルも結構良い感じで売れました。欧州の人はジュリエッタのように安くてコンパクト、しかもスポーティでカッコいい車が好きなんですね。

今回の「新型 アルファロメオ・ジュリエッタ」は、その歴史ある名を受け継ぐ3代目モデル。といっても2代目モデルから25年以上のブランクが空いてますんで、実質的には2010年まで製造販売されていた「アルファロメオ・147」の後継モデルという位置づけです。

今回もスタイリッシュな外観とスポーティな走りが与えられていますが、価格はちょっとプレミアムカー寄りかもしれません。ただし、VWゴルフをベンチマークとしているだけあって、使い勝手や室内空間の広さなど実用性は高いです。

じっくり読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 アルファロメオ ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ(3代目)」の概要

「クアドリフォリオ ヴェルデ」は、「3代目 ジュリエッタ」の中でも最大のパワーとトルクを誇るスポーティなグレード。俗に言う「ホットバージョン」ってやつです。

その証拠にフロントフェンダーにはホットバージョンにのみ許される「四つ葉のクローバー」が誇らしげに描かれてます。このシンボルが初めて描かれたのは、1923年に行われたレース「タルガ・フローリオ」。ここで優勝したアルファロメオは、これ以降、このシンボルをワークスチームの公式マークとして使っています。ようは「幸運を呼ぶ印」として”験”を担いでいるちゅうわけです。

プラットフォーム

基本となるプラットフォームは、フィアット・クライスラー・オートモービルズ内で幅広く採用されている新世代モジュラーアーキテクチャー「コンパクト」。8割以上の部材に高張力鋼板や超高張力鋼板が使われ(その他にマグネシューム合金やアルミなども)、軽量高剛性ボディを実現しています。ただ、147よりもひと回りボディサイズがデカくなってるんで、総量としての車両重量はちょっとだけ重いです(ベーシックなグレードを比べると70kg増)。

パワートレーンはスポーツクーペ「アルファロメオ 4C」とほぼ同じ構成の「1.8リッターツインカムターボ+デュアルクラッチ式6速AT”アルファTCT”」。5750回転で最高出力241馬力を発生。最大トルク(30.6kgf・m/)の発生が1850回転と結構低いんで、高回転型というわけでは無いです。

ライバルは

ライバルは、ベンチマークともなった「VW・ゴルフ」や「プジョー・308」などMクラスの5ドアハッチバックたち。最上級グレード「クアドリフォリオ・ヴェルデ」は、「メルセデスベンツ・Aクラス」や「BMW・1シリーズ」などのプレミアムコンパクトとも競合してます。

マイナーチェンジ

2016年にマイナーチェンジを実施。内外装の変更とともに、グレード体系の見直しも行われています。

今回紹介した「クアドリフォリオ ヴェルデ」グレードは廃止され、ほぼ同じ内容を持つ「ヴェローチェ」に置き換わりました。

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外観

ボディサイズ、全長4350mmX全幅1800mmX全高1460mm。ホイールベース、2635mm。

弟分の「ミト」とよく似た丸みのあるスタイリング。スポーティな中にもかわいらしさを感じさせる「ミト」に対して、「ジュリエッタ」には大人のエレガントさがあります。

フロント

飛行艇の船底を思わせる美しいフロントノーズに、アルファ伝統の盾形グリル。大きくパッチリとしたヘッドライトには、ブラックベゼルが仕込まれ精悍な感じがします。

特にアルファレッドで塗装されたボディは、ポルコ・ロッソの愛機「サボイアS.21」みたいでカッコいいです(リップスポイラーが飛行艇の翼に見えませんか?)。

サイド

Aピラー(1番前の柱)とCピラー(一番後ろの柱)の傾斜が強く(Cピラーの傾斜は視覚的な効果で実際はそれほどでもない)、まるでクーペのようです。後席のドアハンドルが窓枠と一体化されてることもあって、なおさら2ドアクーペのように見えちゃうんですよね。

そう言えば、僕が昔乗っていた「マツダ・ランティス」も、5ドアハッチバックでありながら「クーペ」なんてサブネームが付けられてましたっけ(遠い目)。

リア

ボリューム感のあるリアエンドに小さく絞り込まれたキャビンが対比され、どっしりとした安定感とスポーティな軽快感を両立。マフラーは極太の左右二本出しタイプで、「クアドリフォリオ ヴェルデ」の力強さをバッチリ表現してます。薄いリアコンビランプが高めに配置されてるのも、スポーティで良い感じです。

このリアコンビランプ、近づいてよく見ると小さなLEDのツブツブが渦巻状にレイアウトされてるんですよねえ。なんともユーモラスで小粋な感じがします。こんなところにも遊び心を忘れないのは、流石イタリア車ってとこでしょうか。

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内装

しっとりとした質感の樹脂にダークメタル調ガーニッシュ(インパネを水平に貫く飾りパネル)。レッドステッチやメタリック調フィニッシャーを小気味よくあしらった、ちょっとクラシカルでスポーティな室内。

メーターナセルには、クロムメッキリングで縁取られた2眼メーター。最近はこの手の砲弾型メーターが好まれるのか、採用している車は多いです。確かに風貌が上下左右あらゆる方向からの乱反射を防いでくれるので、かなり視認性が高いです。

ステアリングは、海洋生物の「エイ」を思わせる大判なデザイン。複雑な面の組み合わせとキリッとしたライン、抑揚のある絶妙なカタチの配分によってスポーティで大人っぽい感じになってます。

シフトノブには真鍮から削り出したような球体が使われ、レッドステッチの本革シフトブーツとあいまってクラシックな温かみを表現。このシックで大人っぽい世界観、最高です。「石田純一とか岩城滉一になりきって、颯爽と街を走り抜けたい」なんて妄想しちゃいます(ちょっと古いか)。

シート

フロントシートはコシのあるアンコに、ふかふかとした柔らかな表皮が貼り付けられた快適なシート。パッと見のデザインはスポーティなんですけど、結構座り心地が良いです。程よいサイドサポートがあるんで、身体が滑りにくく不自然な疲れをためません。シートが滑りやすいとどうしても無意識に踏ん張っちゃうんですよねえ。

リアシートはカタチこそ平板ですが、表皮が柔軟なんで疲れにくいです。座面、背もたれの高さともに申し分ありません。多少「頭周り」に窮屈感を感じますが、実際に頭がルーフに接触するようなことはありません。足元空間も必要十分で、大人二人で座ってもまずまずの快適性が保たれてます。

荷室

荷室容量は350Lですが、カタチがスクウェア(四角い)なので積み方を工夫すれば結構な荷物が積めます。一週間分(家族4人)の買い出しはもとより、2泊3日旅行も可能です。

リアシートの背もたれを倒せば1045Lに拡大されますので、小型家電や家具なんかの積み込みもできそうです。

静粛性

「クアドリフォリオ ヴェルデ」グレードはジュリエッタのホットバージョンなんで、静粛性はそれなり。だけどエンジンサウンドが最高に気持ち良いんで、これを”うるさい”と感じる人はいないでしょう。というか、ホットバージョンを買うような好き者にそんな文句を言う人はいなか。

エンジンとトランスミッション

1742cc・直列4気筒DOHCターボエンジンに、6速アルファTCT(デュアルクラッチ式)の組み合わせ。
エンジンは、最高出力241ps/5750rpm、最大トルク30.6kgf・m/1850rpmを発揮。

車両重量、1440kg。JC08モード燃費、10.8km/l。

エンジン

エンジンは、本格的ミッドシップスポーツ「アルファロメオ・4C」と同じ1.7リッターのツインカムターボ。「サウンドジェネレータ」と呼ばれるエンジンサウンドを気持ちよく響かせるための装置が組み込まれ、スポーティで野太い快音を響かせます。ただし、その音を作り出す仕組みは、今流行りの「スピーカーから人工的な音を発する」なんて味気ないもんじゃありません。実際のエンジンが発している「吸気鳴動」を物理的に反響させて調整しているんで、エンジンサウンドの温もりや深みといったモノが肌で感じられます。

低速から中高速域まで湧き上がるようなトルクを発生するので、ターボエンジンというよりは大排気量自然吸気エンジンみたいです。レスポンスも鋭く、アクセルを踏み込めばどの領域からでも瞬時に必要なトルクが立ち上がります。まあ、このあたりの鋭い軽快感は「4C」のエンジンを使ってるんで、当然といえば当然なんですけど。

ダウンサイジング志向のターボエンジンですから、高回転域での吹け上がりとか抜けの良さは今ひとつ。

トランスミッション

2つのクラッチと多段ギアを使って自動変速する「6速アルファTCT」を搭載。デュアルクラッチ式ならではのダイレクトなトルク感とスムーズな変速フィールが気持ちいいです。ただ、日本の交通モードに対応しきれていないのか、低速域では若干ギクシャクとすることがありました。ジュリエッタの持つ気持ちよさに比べれば、全然気にならないレベルですが。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化。

乗り心地

「4C」ほどでは無いんですが、専用のスポーツサスが装備されてるんで「クアッドフォリオ ヴェルデ」の乗り味も結構硬めです。といっても、硬いなりにサスがしっかりと上下している感じがあり、「ガツガツと振動が頭に響く」なんてことはありません。衝撃の角が丸く、しなやかな上質感を感じるほどです。

大きな段差ではそれなりに衝撃を拾うものの、小さな衝撃はよく動く足回りでしなやかに吸収。滑るように走りぬけちゃいます。

速度を上げれば上げるほどロードホールディング性能が高まる感じで、高速域でも抜群の安定性を発揮。矢のように直進します。

ハンドリング

硬い殻のようなボディに、高価なアルミ製マルチリンクサス(リア)ががっちりと組み付けられているので、ダイレクト感とか一体感が半端ないです。

素直なステアリングフィールで、手応えも滑らか。扱いにくさとか不自然さは全然ありません。ブレーキングを僅かに残しながらコーナーに進入すれば、ドライバーのイメージしたラインをキレイにトレースします。

コーナリング中は外側のタイヤをギュッと路面に押し付けながら、安定した姿勢で旋回。ハンドリングとか接地性、安定感のバランスが良いんでしょうねえ。

【試乗評価】のまとめ

「新型 アルファロメオ・ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ(3代目)」は、VWゴルフと同じCセグメント(中小型車)に属する5ドアハッチバックです。車内の居住性や荷室の積載性では若干ゴルフに劣りますが、美しく個性的なスタイリングと官能的で力強いエンジン。素直で気持ちのいいステアリングやスポーティな乗り味はジュリエッタならではの美点だと思います。

実用的で堅実な外国車が欲しいならどう考えても「VW・ゴルフ」ですが、ゴルフには無いロマンチックな雰囲気や官能的なドライブフィールを求めるなら、「アルファロメオ・ジュリエッタ」でしょう。

ただし、ディーラー網が貧弱なんで修理や点検の度に遠くのディーラーまで通う熱意があるかどうか、シミュレーションしてから契約したほうがいいです。少なくても3年、気に入れば5年以上同じディーラーと付き合うことになりますから。

まあ、僕みたいに「ディーラーに行くのが好き」なんて人には関係無い話ですけど。

中古車市場では

2017年式「アルファロメオ・ジュリエッタ ヴェローチェ(3代目)」で300万円台前半。2014年式「アルファロメオ・ジュリエッタ クアドリフォリオ ヴェルデ(3代目)」で250万円前後(2018年10月現在)。イタ車のイメージが悪いのか、デモカー上がりの極上車でも結構値落ちが激しいです。僕なら新車保証(新車登録から3年10万キロ未満なら新車保証3年+延長保証2年が可能)のついたデモカー上がりを、定期点検(無償で3年、有償で+2年のメンテプログラムあり)をしっかりと受けながら乗ると思います。イタ車といっても昔のように頻繁に壊れることは無いんで、これでリスクを抑えながらお安く乗れるというわけです。

新車価格

4,255,200円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)