新型 ボルボ XC60 D4 AWD Inscription(2代目)【評価レビュー】おしゃれな北欧テイストをプレミアムカーで味わう

ボルボ XC60のフロント

今回の【評価レビュー】は「新型 ボルボ XC60 D4 AWD Inscription(2代目)」。
2017年にフルモデルチェンジした、MクラスのクロスオーバーSUV(5ドア)です。

2009年に登場した初代「XC60」は、上級車種の「V70」をベースにしていたものの、「V70」のボディをそのまま使った「XC70」と違って背の高い専用ボディが与えられていました。このあたりは、スバル・インプレッサとXV、フォレスターの関係性とよく似てますね(もちろん”XC60”がフォレスター)。

自動ブレーキといえば、日本では「スバル」のイメージが強いですが、世界で初めてこれを採用したのは「ボルボ・XC60」です。日本市場への導入は、規制でガチガチに固められていたのでかなり大変だったそうですが、地道な説得(国交省への)でなんとかこれを成し遂げています。当時、スバルにも「EyeSight ver.1(ver.1は認可が無いので完全停止しない)」があったんで、こっちの方を先に認可しても良さそうなもんですが、なんでボルボが先なんでしょうね。外圧に弱いってやつでしょうか。

なんにせよ、XC60はこの先進的な安全装備と、「クロスオーバーSUV」というおしゃれで逞しいイメージによって世界中で大人気となります。当時、XC60はボルボで最大の販売量となり、その人気はモデル末期まで続きました。この時のボルボはリーマンショックの影響もあって危機的な状況だったんですが、XC60のおかげで随分と助けられたようです。まあ、よく出来た孝行息子ってとこでしょう。

今回モデルチェンジした2代目「XC60」は、その初代の優れた資質を受け継ぐキープコンセプトモデル。豊富な資金と現代的な技術、洗練されたデザインによってさらに先進的な車へと進化してます。

完成度の高さは日本の自動車評論家からも好評で、2017年、外車としては史上二番目となる「日本・カー・オブ・ザイヤー」を受賞しました。これには、「えっ、こういうのって日本車専用じゃないの?」と僕もビックリしちゃいましたけど、XC60が良い車っていうのに異論はありません。この裏には、色々と大人の事情があるかもしれませんが。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 ボルボ XC60 D4 AWD Inscription(2代目)」の概要

2代目「ボルボ XC60 」は、今流行りのプレミアムはクロスオーバーSUVです。ステーションワゴンのボディをそのまま使った「V60クロスカントリー」なんかと違って、背の高い専用ボディが与えられてます。このへんが、リッチな感じとかたくましさの演出にも効いてますね。

個性あふれる北欧デザイン(特に内装!)や先進的な安全装備の他に、今回は環境技術にも力が入ってます。

特に「D4」グレードのパワーユニットには、環境性能に配慮されたクリーンディーゼルを搭載。コストの掛かる「尿素SCRシステム」と呼ばれる浄化装置を使って、排気ガスをキレイにしてます。燃費性能も16.1km/lと、4.0リッター自然吸気エンジン並のトルクを発生するわりには良好でしょう。しかも、使用燃料は単価の安い軽油なんで、実際の燃料コストはさらに低くなります。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(車台)は、ボルボが誇る新世代アーキテクチャー「SPA」です。中国系企業「ジーリ」から供給される潤沢な資金を使って、高い安全性能と優れたエネルギー効率、運動性能の向上を実現。将来の電動化にも十分対応できるように、柔軟な設計となってます。

ジーリは「金は出すけど口は出さない」という理想的なオーナーなんで、ボルボの技術者も今までの鬱憤を晴らすかのように、思う存分腕をふるっとりますね。

このプラットフォームは上級モデル「90系」にも使われる高性能なアーキテクチャーで、「ボルボ・XC60」にクラスを超えた上質なドライブフィールを与えています。

グレード構成

グレード構成はベーシックな「モーメンタム」とスポーティな「Rデザイン」、装備を充実させた上級グレード「インスクリプション」の3つ。「モーメンタム」と「インスクリプション」は、「エアサスペンション」の選択も可能です。

ライバルは

ライバル車種は、「メルセデスベンツ・GLC」や「BMW・X3」、「アウディ・Q5」などのMクラス・高級クロスオーバーSUV。

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外観

ボディサイズ、全長4690mmX全幅1900mmX全高1660mm。ホイールベース、2865mm。

フロント

張りのある面で覆われたフロントノーズに、大型の格子グリル。精悍な印象のヘッドライトには、北欧神話に登場する神「トール」が持つといわれる武器、「トールハンマー(金槌)」があしらわれてます。

フロントまわりを構成するディティールが少ないので、スッキリとしてます。泥臭くないSUVって感じです。

サイド

短い前後オーバーハング(タイヤからボディ端までの長さ)に、小ぶりなキャビン(居住スペース)。ロングホイールベースが組み合わされた、伸びやかなサイドビュー。SUVにしては結構ロングノーズ感があるのは、この小ぶりなキャビンのせいでしょうね。

シンプルで張りのあるサイドパネルに、パキッと明快なパーテーションが入っているんで、爽やかな気持ちよさがあります。なぜか、「北欧の冷たい空気が似合いそうだ」と思いました。

リア

ボルボ XC60のリア

正直、ボルボのL字型リアコンビランプは、モデルによっては「なんだか野暮ったいなあ」という時もあるんですが、「XC60」のリアコンビランプは上手いことバランスがとれてます。

キャビンとショルダーラインの段差、リアウィンドウやリアガーニッシュの継ぎ目を生かして、絶妙な位置にはめ込まれるんですよねえ。カチッとした硬質感や、メカニカルな感じがあって、結構カッコいいと思います。

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内装

しっとりとした質感のソフトパッドにコントラスト・ステッチ、流木をモチーフにした「ドリフトウッド」、薄く輝くシルバーモールドを組み合わせた上質な室内。厳寒の中、完全に外気を遮断する分厚いコートを着ているような安心感があります。

助手席と運転席の間、センターコンソール最上段には、車輌情報やナビゲーション、エアコンとかオーディオなんかを表示、もしくは操作を統合する「タテ型9インチタッチパネル」を装備。いつも使っているアンドロイド端末やiPhoneを繋ぎ、この画面上に表示して操作するなんて離れ業もできちゃいます。

エアコンはフロントシート左右と、セカンドシードの左右。合計で4つの空間を別々に温度調節する「4ゾーン・フルオートマチック・エアコンディショナー」です。家のオデッセイは、フロントシート左右とセカンドシートの3ゾーン調整式で、これでもめちゃくちゃ快適なんです。それが4つになるんですから、これ以上の贅沢はありませんよ。

シフトノブには「オレファス社製のクリスタル」がハメ込まれてますねえ。といっても個人的には聞いたことのないブランドですが、、、とにかく高級なのは確かです。

メーターナセルには、「12.3インチ・デジタル液晶ドライバー・ディスプレイ」があります。アウディで言うところの「バーチャル・コクピット」で、速度やエンジン回転、ナビゲーションなどを状況に合わせて表示するデジタルメーターです。

シート

フロントシートは、強固なバックシェルとコシのあるクッション、上質なナッパレザーを組み合わせてます。体を優しく包み込むような形状で、肩周りから腰、太ももの裏にかけてシットリと支えてくれます。変に体圧が集中するようなことも無いんで、疲れにくいと思います。

リアシートもフロントと同様に上質なシートです。体の形に沿って緩やかなカーブになっていて、背もたれの高さ、座面の長さともに十分。ホイールベースが長いんで足元も広々、頭上空間にも余裕があります。これなら、大人二人での長距離移動も苦にならないでしょう。

荷室

前後に延長されたボディの影響で、荷室スペースも拡大されました。幅と奥行き、高さともに広々。スクウェア(四角い)な荷室形状とあいまって、十分な使いでがあります。家族4人程度なら、荷物のかさばるキャンプ遊びも余裕です。さらに4:6でリアシートの背もたれを折りたためば、商用バンのような貨物室ができあがりますよ。

静粛性

新世代プラットフォームと、ディーゼルとしては静かなエンジン。たっぷりと施された遮音材や吸音材によって、車内はけっこう静かです。アイドリング中は多少エンジンノイズが気になりますが、走り出せばガソリンエンジンとそんなに変わりません。

エンジンとトランスミッション

1968cc・直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンに、8速ATの組み合わせ。
エンジンは、最高出力190ps/4250rpm、最大トルク40.8kgf・m/1750-2500rpmを発生。

車両重量1880kg。JC08モード燃費、16.1km/l。

エンジン

2.0リッターのディーゼルターボで4輪を駆動(フルタイム4WD)。出足から分厚いトルクを発生する力強いエンジンです。1.9t近くの重量級ボディを引っ張ってるんで、爆発的な瞬発力はありませんが、日常域で普通に走るだけなら必要十分以上でしょう。常用域(1750-2500rpm)で最大トルクを発生するので、とにかく、扱いやすい印象です。

その力強さを普通の自然吸気エンジンに例えるなら、4.0リッターくらいですかねえ。トルクの出方が穏やかで、アクセルへの反応も過激なところはありませんが、僅かにアクセルを踏み込むだけで十分な力強さが得られます。ひとことで表現するなら「ゆったりとした力強さ」って感じかな。

急な上り坂でもへこたれない

急な上り坂やアップダウンの連続する山岳路へ持ち込んでも、へこたれることはありません。忙しくシフトダウンしなくても、エンジンのトルクだけでグイグイと、しかも滑らかなフィールを伴いながら力強く登っていっちゃいます。

静かさはガソリンエンジン並

アイドリング中にちょっとだけディーゼルっぽいノイズを発生するものの、車内からはほとんど分かりません。従来のディーゼルエンジンと比べれば、圧倒的に静かになりました。一旦走り出すと、ノイズはさらに小さくなります。巡航中なら、ガソリン車と聞き分けのできる人はいないでしょうねえ。

トランスミッション

トルコン式の8速ATを装備。トルクフルなディーゼルエンジンとのマッチングが良く、同じギアを保ってグイグイと力強く加速させます。ギアとギアのつながりがスムーズで、しかも駆動力の切れ間が無いんで、アクセルと車の一体感を感じやすいです。プレミアムSUVのトランスミッションにふさわしい上質感と、スムーズでダイレクトな気持ちよさを両立してますね。

乗り心地とハンドリング

前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、235/55R19。

すべらかさを伴うしっとりとした乗り味。ひとことで言って、乗り心地が良いです。ガソリン車よりも重い(T5比で50kg増)こともあって、適度な重厚感もあります。

乗り心地が良いといっても、フワフワとした掴みどころの無い感じじゃありません。乗り心地の芯に程よい硬さがあって、それをふわりと受け流す柔軟性で包んだ感じです。

路面の段差や橋脚ジョイントでは、サスがしっかりとストロークして鋭い衝撃を柔軟に吸収。フラットな姿勢のままで、何事も無かったかのように走り抜けます。あたりが柔らかで、やたらと上下に揺すられることも無いんで、長距離ドライブでも疲れにくいでしょうねえ。

高速域での安定性も高く、フラットな姿勢を維持したまま走り続けます。このあたりの特性も、疲労軽減には無視できない大きな効果があるんですよ。

ハンドリング

穏やかさのの中にもしっかりとした芯があるんで、結構スポーティに乗れちゃいます。剛性感を伴ったスポーティなハンドリングです。ドライブモードを「ダイレクト」に設定すれば、さらにキビキビとした軽快感を強調。スピードを落としてゆったりとクルージングを楽しみたい時も、ペースを上げてちょっとだけスポーティに走りたいときも、どっちでもいける懐の深さがありますね。

「先代 ボルボ・XC60」は、フォード系プラットフォームを活かした大らかな乗り味が魅力だったんですが、それに対して今回の「新型 ボルボ・XC60」は欧州車らしい剛性感が魅力といったところでしょう。

右へ左へと多彩なコーナーが連続するワインディングでは、4つのタイヤが巧みに上下してボディを常にフラットに保ちます。俗に言う「フラットライド」ってやつで、安定したコーナリング姿勢のままヒタヒタとワインディングを走り抜けるんです。

最小回転半径は5.7mと少々大きめ。狭い路地や混雑する駐車場では、取り回しに苦労するかもしれません。購入を検討している場合は、いつもの道に持ち込んで試乗したほうがいいです。

先進安全技術

先進安全技術は、「INTELLISAFE」を搭載。

予防安全技術

この安全パッケージには、「予防安全技術」として衝突を検知して回避、もしくは被害軽減を行う「City Safety(自動ブレーキ)」と、斜め後ろから接近する車を検知して警告する「ステアリング・アシスト付きBLIS(後車衝突回避支援機能付きブラインドスポット・インフォメーション・システム)」、道路からの逸脱を検知してステアリングとブレーキのアシストを行う「ラン・オフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避支援システム)」、中央線を超えて対向車線に飛び出した車を自車線に戻す「オンカミング・レーン・ミティゲーション(対向車線衝突回避支援機能)」が付いてます。

その中でも「City Safety(自動ブレーキ)」には、サイクリスト(自転車乗り)との衝突を回避するための機能や、自動ブレーキだけでは衝突を回避できない場合に、ステアリングアシストを介入させる「ステアリングサポート(衝突回避支援機能)」、。交差点内での右折時、対向車を検知して「自動ブレーキ」を作動させる「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」、大型動物を検知して自動ブレーキを作動させる機能など、最新の高機能な安全技術がふんだんに盛り込まれてます。

運転支援技術

その他には「運転支援技術」として、前車との一定の距離を保ちながら設定された速度で追従する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」や、車線中央を維持するため、穏やかにステアリングアシストをする「パイロット・アシスト」、道路標識を検知して液晶メーター内に表示する「RSI(ロード・サイン・インフォメーション)」などの機能があります。

僕は身体に軽い麻痺と硬直(右半身全体)があるんで、長距離ドライブはキツイんですが、「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」みたいな機能があるととっても助かりますね。身体の衰え始める高齢者も、僕と近い感想を持つんじゃないかと想像しますがどうでしょう。

【試乗評価】のまとめ

「新型 ボルボ・XC60 D4 AWD Inscription(2代目)」は、ボルボが独自に開発した新世代プラットフォーム「SPA」を使って仕立てられた、ひとクラス上の上質感を保つクロスオーバーSUVです。

トルクフルでスムーズなディーゼルエンジンに、穏やかさの中にも硬質感のあるスポーティなハンドリング。しなやかで上質な乗り味。なんといっても魅力的なのは、北欧テイストあふれる美しい内外装です。こればっかりは、ボルボでないと味わえません。乗り味を含めた全体の質感はクラス標準を大きく超える仕上がりで、ライバルとなるドイツ製プレミアムSUVと比較しても、まったく遜色ないです。

「北欧デザインの家具や雑貨が好きで、車にもそんなテイストを持ち込みたい」と考えている人や、「上質なプレミアうSUVを探しているが、BMWやメルセデスベンツじゃ面白くない」なんて人にピッタリな車です。

車両本体価格はガソリン車と同等ですが、使用燃料が軽油で燃費も良いんで、相対的にランニングコストはこっちの方が安くなります。ただし、排気ガス浄化システムに「高品位尿素水」を補充する手間とコストは別途必要です。もちろん、それを考慮にいれてもディーゼルの方がお得なのは変わりませんが。

中古車市場では

2018年式「ボルボ・XC60 D4 AWD R-Design(2代目)」で650万円前後。2017年式「ボルボ・XC60 D4 AWD Inscription(2代目)」で650万円前後(2019年1月現在)。

新車価格

7,240,000円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)