新型 スバル XV 1.6i-L EyeSight(3代目)【評価レビュー】カジュアル派のお手軽なクロスオーバーSUV [DBA-GT3]

スバル XV 1.6i-L EyeSightのフロント

今回の【評価レビュー】は「新型 スバル XV 1.6i-L EyeSight(3代目・GT3)」。
2017年にフルモデルチェンジした、小型クロスオーバーSUV(5ドア・ハッチバック)です。

小型5ドア・ハッチバック「スバル・インプレッサ」の4WDをベースに、最低地上高を70mm上げてます。さらにアウトドアっぽい外装パーツを装備して、カジュアル派のクロスオーバーSUVに仕立てた感じです。

デザインテーマは「DYNAMIC x SOLID」で、全体を統一するコンセプトは「Fun Adventure」。がっしりとしたSUVテイストを感じさせながら、都会的な雰囲気とかおしゃれな楽しさもあります。

スバル レガシィ アウトバックのフロント

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2018年2月16日

こういうのは「スバル・アウトバック」でも使われるスバルお得意の手法ですが、あちらはもうちょっと上質で大人っぽい感じ。それに対して「XV」はスポーティで爽やか、若々しい印象になってます。

同クラスには同じSUVに分類される「スバル・フォレスター」もありますが、カジュアルな成り立ちの「XV」と違って、フォレスターはより本格的なSUVに近い立ち位置です。といっても、普通のモノコックフレームをベースにしているんで、「トヨタ・ランドクルーザー」のようなガチガチの本格派じゃありませんけど。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 スバル XV 1.6i-L EyeSight(3代目・GT3)」の概要

「スバル・インプレッサ」をベースにしているといっても、今回の「3代目XV」は単なる派生モデルじゃありません。先代XVまではインプレッサの後に開発されてましたが、「3代目XV」はインプレッサと並行して開発が進められたからです。ということで、「ここをもうちょっとXVに合わせた設計にしたい」というのが割と簡単にできてます。

インプレッサ(4WD)との違いは外観だけじゃなくて、悪路走破性を高める「X-MODE」の採用や、この手のSUVとしてはちょっと高めの最低地上高(200mm)など。走りの基本性能や使い勝手の良さを押し出す「インプレッサ」に対して、ちょっとした悪路にまで行動範囲を広げた感じです。それにともなう「気軽なたくましさ」もXVの魅力です。

ボディサイズは先代よりもわずかに拡大されましたが、全高は1550mmもままです。ということで、取り回しの良さや機械式立体駐車場にも収まる使い勝手の良さを残しながら、安全性能や室内の広さは向上してます。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(車台)は、新世代アーキテクチャー「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」になりました。インプレッサに次ぐ二番目の採用で、高剛性軽量ボディによって高い「運動性能」と優れた「燃費効率」、「衝突安全性能」の向上を実現してます。

パワートレーンは、1.6リッター・ツインカムエンジンに、リニアトロニックと呼ばれる「CVT」の組み合わせ。こいつは今回のXVから追加された新たしいパワーユニットです。この他に2.0リッターエンジンを搭載した「スバル・XV 2.0i」もありますが、ターボエンジンやマニュアルトランスミッションの設定はありません。駆動方式は「AWD」と呼ばれるフルタイム4WDのみです。

ライバルは

ライバルは、「トヨタ・C-HR」や「マツダ・CX-3」、「ホンダ・ヴェゼル」など、最近人気になってるコンパクトクラスのクロスオーバーSUVです。この中で「XV」は他のライバルより多少悪路走破性が高く、スタイリングにもそれなりの「たくましさ」があります。といっても、「クロスオーバーSUVにしては」って注釈がつきますけどね。

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外観

ボディサイズ、全長4465mmX全幅1800mmX全高1550mm、ホイールベース、1410mm。

フロント

なめらかなフロントノーズに、有機的な形状のLEDヘッドライト。ダイナミックな大型ヘキサゴングリル。上質さを感じさせながらもスポーティなフロントフェイス。

サイド

スバル XV 1.6i-L EyeSightのサイド

リフトアップされたボディに、大型ホイールアーチトリム(ブラック樹脂製)。ボディを下から引き締める、アンダーガード(ブラック樹脂製)。ベースとなったインプレッサには無い、カジュアルなアウトドアテイストが楽しいです。

リア

スバル XV 1.6i-L EyeSightのリア

僅かに絞り込まれたリアエンドに、オクタゴン(八角形)型リアウィンドウ。ワイド感を強調するリアコンビランプ。近未来的なスポーツ感と、がっしりとした力強さが巧みにミックスされています。

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内装

スバル XV 1.6i-L EyeSightのインテリア

宇宙船に設置されたコックピットのような先進的内装デザイン。ステアリング・ステッチには挿し色として鮮やかなオレンジが使われ、若々しいスポーティ感を演出しています。

センタークラスター最上段には、車輌情報やアイサイトの稼働状況を表示するマルチインフォメーションディスプレイ。中段には大型ワイド液晶ディスプレイが設置され、ナビゲーション情報などを表示。エアコンは手探りでも操作のしやすいダイヤルタイプとなります。

メーターナセルには、小さなインフォメーションディスプレイを挟んで、大型二眼メーターをレイアウト。クッキリとしたグラフィックで視認性も良好。カーボン調パネルがインパネ中段を水平に横切り、室内をスポーティに引き締めています。

シート

スバル XV 1.6i-L EyeSightのフロントシート

フロントシートは適度な硬さのある立体的なシート。ややシート表皮にしなやかさが足りませんが、走行距離が伸びることでアタリが付き改善されるかもしれません。

※その後、ある程度の距離を走行した代車に乗り、アタリが付く事でシート表皮がしなやかになる事を確認しました。腰の高い位置からお尻、太ももの裏に掛けて均一な力で気持ちよく身体を支えます。

スバル XV 1.6i-L EyeSightのリアシート

リアシートは、座面の前後長、背もたれの高さともに適正なサイズ。座面の先端が僅かに持ち上がっており、太ももの裏を均一な力で支えます。足元および頭上空間も広く、大人二人で座っても窮屈感はありません。

荷室

スバル XV 1.6i-L EyeSightの荷室

短いリアオーバーハング(後輪からボディ端までの長さ)のわりに、荷室スペースには十分なサイズを確保。スクウェアな荷室形状とあいまって結構な量の荷物が積めます。家族4人なら2泊3日旅行も可能です。

静粛性

車内には適切な遮音材が効果的に配置され、風切り音、ロードノイズともにしっかりと抑制されています。静かなエンジンと相まって、室内の静粛性は高いです。

エンジンとトランスミッション

1599cc・水平対向4気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、最高出力115ps/6200rpm、最大トルク15.1kgf・m/3600rpmを発揮。

車両重量、1410kg。JC08モード燃費、16.2km/l。

エンジン

1.6L・フラット4で4輪を駆動(フルタイム4WD)。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジンです。出足もスムーズで力強く、日常領域内では必要十分な仕事をこなします。急な坂道や合流ポイントでは「パワーモード」が欲しくなりますが、試乗中は「SI-DRIVE」の場所が分からず「インテリジェントモード」だけで走りました。

※試乗後に調べて分かったのですが、このグレード「1.6i-L EyeSight」に「SI-DRIVE(2モード)」の設定はありません。どうりでいくら探しても見当たらないはずです。

トランスミッション

ベルトとプーリーによって無段階に変速するCVTを装備。市街地を普通に流しているだけならCVTならではの違和感も感じられず、スムーズな変速を行います。ステアリングに装備された「パドルシフト」を操作すれば、手動によるシフトチェンジも可能。DCTほどではありませんが、比較的瞬時にシフトチェンジを行います。僕のレガシィ(BM9)のようなモッサ感はありません。

CVTが発するノイズは、スーパーチャージャーのようなカッコいい音質です。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

乗り心地

装着されるタイヤは前後ともに225/60R17。

70mmリフトアップされた車高と、剛性感を増したサスによって、重厚感あふれるしっとりとした乗り味を実現。

大きな段差では硬い衝撃を車内に伝えます。ベースとなるインプレッサのしなやかな乗り味を考えると、試乗車の足回りにアタリが付いていなかっただけかもしれません。

ハンドリング

ステアリングは素直で穏やかなフィール。ややステアリングセンター付近が甘く、キビキビとした切れ味はありません。ドライバーの操舵に素直に反応して、スムーズなターンを描きます。

僅かにSUV特有の「ユサユサ」とした揺れを発生しますが、揺れが穏やかで予測しやすいため不快感はありません。

最小回転半径は5.4mと標準的なレベル。

その他

搭載される先進安全技術は、ステレオカメラを使った「EyeSight(ver.3)」。

予防安全技術として「プリクラッシュ・ブレーキ」や「AT誤発進抑制制御(前後)」、「警報&お知らせ機能」といった機能を装備。

その他にも、運転支援技術として「全車速追従機能付クルーズコントロール」や「アクティブレーンキープ」といった機能を装備します。

「全車速追従機能付クルーズコントロール」は、前車との車間を維持して追従する機能で、人間のブレーキングを超えるスムーズさがあります。疲れている時は本当に助かる便利機能です。

「アクティブレーンキープ」には、車線中央付近を維持する機能があるので、それまでのEyeSightと異なりスムーズなステアリングアシストが可能になりました。もちろん、車線からはみ出しそうになった時にもステアリングアシストを作動させ、車線からの逸脱を抑制します。

【評価レビュー】のまとめ

「新型 スバル XV 1.6i-L EyeSight(3代目)」は、小型5ドア・ハッチバック「インプレッサ」をベースに、最低地上高を70mmアップ。アウトドアテイストあふれる外装パーツを装備した、気軽なクロスオーバーSUVです。

気軽といっても、スバル独自の「シンメトリカルAWD」や「X-MODE」が装備され、ちょっとした悪路や不整地、轍の深い雪道でもそこそこの走破性を発揮します。特に最低地上高のアップは重要で、これだけで普通のFF車でも多少の悪路なら何とかなるもんです。

インプレッサのコンパクトなボディをベースに、アウトドアテイストあふれる外装パーツが巧みに組み付けられ、若々しいスポーツ感や楽しさを存分に表現しています。最近の日本車でここまで分かりやすい楽しさを表現した車も珍しいです。

「使い勝手の良い5ドアハッチバックを探しているが、普通の車では面白くない」とか、「今流行のクロスオーバーSUVに乗ってみたいが、本格的なヤツはちょっと乗りにくそう」なんて人にピッタリな一台となります。

中古車市場では

2017年式「スバル XV 1.6i-L EyeSight(3代目)」で200万円台前半(2018年6月現在)。

新車価格

2,246,400円(消費税込み)

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クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)