今回は「新型 ルノー メガーヌ R.S. 273」を試乗レポート。
2009年にフルモデルチェンジした3ドア・クーペです。日本市場では2010年より販売されています。
メガーヌには、この3ドア・クーペの他に、5ドア・ハッチバックと5ドア・エステート、2ドア・クーペ・カブリオレがラインナップされます。
また、車名の「R.S. 」は、ルノーのモータースポーツ部門、「ルノー・スポール」を意味しています。
現在、フランス本国での生産は終了しており、各国に残った在庫車を販売している状況です(2017年6月30日現在)。
外観
全長4320mmX全幅1850mmX全高1435mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2640mmとなります。
フロント
ルノー・ファミリー共通のフロントフェイスを持ちながらも、ロー&ワイド化され、今にも走り出しそうなスポーティなフォルムを得ています。
サイド
ふくよかな面で構成されたボディに、薄いキャビンが組み合わされます。ルーフは後方に行くほどなだらかに傾斜して、リアエンドでは尻下がりに上品なフォルムを形作ります。
スポーティでキビキビとした印象を抱かせるサイドビューです。
リア
ぐっと張り出したフェンダーに、小さなキャビンが対比され、力強さがさらに協調されています。ワイド&ローの美しいリアエンドです。
内装
上質な樹脂にフランス車らしい適度な緩さが加えられ、ちょっと大人っぽい快適な室内空間が拡がります。インパネには「R.S. 」専用の赤いライン、シートやシフトのステッチにも赤い差し色が施され、ピリリとスポーティな印象を加えます。
眼前に鎮座する3眼メーターには、輝度の高いメッキモールドがあしらわれ、クラシックなレーサー気分を演出します。
スタイリッシュなボディの弊害で、後方視界は極端に制限されます。念のため、バックカメラを装備した方がいいでしょう。
シート
フロントシートには、レカロ製のセミバケットシートが装備されます。剛性の高いフレームにコシのあるクッションが貼り付けられ、体圧をキレイに分散して身体をしっかりと支えます。長時間ドライブからスポーツドライビングまで、幅広くこなす事のできる快適なシートです。
リアシートには平板な普通のシートが装備されます。といってもこのシートにも長距離ドライブを快適にこなすだけの、しっかりとした容量が確保されています。ただ、Cピラーが極端に傾斜しているため、頭上空間にやや窮屈な印象があります。足元には充分なスペースがあるため、成人男性でもなんとか座ることができます。
荷室
メーカーでは「3ドアクーペ」として分類されますが、実際は大きなテールゲートを持つ3ドアハッチバックです。そのため、スポーツモデルにしては充分な荷室容量を持ちます。家族4人で2泊3日旅行程度であれば、充分にこなすことができます。
静粛性
車外から気持ちの良いエンジンサウンドが進入してきます。
エンジンとミッション
1998ccの直列4気筒DOHCターボエンジンに、6速MTが組み合わされます。
エンジンは、273ps/5500rpmの最高出力と、36.7kgf・m/3000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1420kg。JC08モード燃費は、–km/lとなります。
エンジン
2.0Lのツインカムターボエンジンで、前輪を駆動します。3000回転から最大トルクを発生するため、高回転を保って積極的にシフトすれば、キビキビとしたスポーティな走りが可能です。パワーの出方もリニアかつダイレクト、クルマを操る実感に溢れています。
エンジンサウンドも勇ましく、野太い咆哮を上げて気持ち良く加速する事ができます。
また、ブレーキにはたっぷりとした容量のキャリパーが装備され、強力な制動力とリニアなコントロール性能で、安心してブレーキを踏むことができます。
トランスミッション
短いストロークでコクコクと決まる、スムーズかつスポーティなトランスミッションです。スポーツモードを選択する事で、さらに鋭いレスポンスを味わうことができます。
足回りとハンドリング
前輪にダブルアクスル・ストラット式サスペンション、後輪にはトレーリング式サスペンションが装備されます。
足回り
ビシっとした安定性で矢のように直進。スポーティモデルにしては当たりがしなやかで、不快な印象はありません。適度に引き締まったスポーティな足回りです。
ハンドリング
大パワーを前輪だけで受け止めていますが、トルクステアのような不自然な動きはありません。ドライバーの操作に対してリニアに反応する、気持ちのいいステアリングフィールです。
また、最小回転半径が小さく、狭い路地でも簡単に切り返すことができます。
評価のまとめ
この「新型 ルノー メガーヌ R.S. 273」を設計した「ルノー・スポーツ」は、あのF1マシンの開発にも携わる本格的なモータースポーツ部門です。
その特別なスポーツモデルが、400万円以下で買えるのですから、これはバーゲンプラス以外の何者でもありません。
ワイド&ローのカッコいいボディに、スポーティなツインカムターボエンジン、ダイレクト感溢れるリニアなハンドリングが用意され、街中からワインディングまでどこを走っても思わずニヤついてしまう程の楽しさに溢れています。
何よりもクルマを走らせるのが好きという人で、たまには人や荷物を積むこともある。高速道路から近場まで、とにかく運転を楽しみつくしたいという人にピッタリな一台です。
価格
価格 | 3,990,000円(消費税込み)