今回は「新型ホンダ オデッセイ ハイブリッド アブソルート ホンダセンシング EXパッケージ」を試乗レポートいたします。
2013年に登場したこのオデッセイは、今回のモデルチェンジで5代目となりました。また2016年にマイナーチェンジを行うと共に、新たにハイブリッドグレードが追加されました。
ガソリン車についてご覧になりたい方は、「新型ホンダ オデッセイ アブソルート EX」のページをご覧ください。
外観
全長4830mmX全幅1820mmX全高1685mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2900mmとなります。
全高が高められると共に、フロントには重厚感あるグリル与えられて、上級ミニバンらしい風格のあるスタイリングです。
サイドにまわると、旧型のステーションワゴンのようなスマートなスタイリングから一転して、ある程度の全高が確保されたミニバンらしいスタイルに変更されています。サイドパネルには、ぐっとえぐり取られたようなダイナミックなキャラクターラインが施され、躍動感とスポーティな雰囲気が増しています。また、ボディやバンパーまわりには細かなデザイン処理で抑揚がつけられており、緊張感のある上質な雰囲気です。
リアコンビランプは旧型の横長デザインを踏襲しつつ、メッキモールを多用したゴージャスなデザイン処理がなされています。
全高が高くなった分だけデザインの幅が広がり、重厚でプレミアム感のあるかっこいいスタイリングに仕上がっています。
内装
旧型より質感がアップしており、上質で大人っぽい内装デザインです。ガソリン仕様との違いはほとんどなく、メーター周りがハイブリッド車専用デザインに変更されている程度です。
全高アップと低床化により室内空間が広がり、室内は広々としています。また、待望のスライドドアも装備され、他のミニバンと比べても使い勝手は良好です。
ハイブリッ用のリチウムイオンバッテリーは、運転席と助手席の間の床下に搭載されているため、床の高さがわずかに高くなっていますが、言われなければ気づくことはありません。
フロントシートは、サイズも厚みもたっぷりとしています。また、適度なコシと硬さがあり座り心地も快適です。これなら長距離(50km以上)のクルージングも安心です。
セカンドシートはいかにも座り心地の良さそうな、もちもちした厚みのあるデザインが与えられています。実際の座り心地も上質でフロントシートと遜色のないレベルです。また、膝から下を載せるための「オットマン(足置き)」が装備され、セカンドシートを後ろに下げてこのオットマンを展開させると、まるでビジネスクラスのような快適な空間が出現します。
サードシートはしっかりとした構造ながら、若干サイズが小さく形も平板です。長距離の移動には向きませんが、短距離(20km程度)の使用なら問題ありません。
車内にはたっぷりと遮音材が施されており、静かなハイブリッドシステムと相まって静粛性は上々です。
荷室は、前後長が短いものの高さ方向にたっぷりとした余裕があるため、積み方を工夫することでかなりの荷物を積むことが可能です。また、リチウムイオンバッテリー搭載による容量の低下もありません。
また、サードシートを折りたたむことで、その分を大きな荷室としても使うことも可能です。家族での小旅行程度なら十分に賄える大きさです。
エンジンとミッション
2L 直列4気筒 DOHCエンジン+電気モーターに、7速マニュアルモード付きCVTが組み合わされます。
エンジンは、145ps/6200rpmの最高出力と、17.8kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、184psの最高出力と、32.1kgf・mの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、24.4km/lとなります。車両重量は、1900kgです。
搭載されるハイブリッドシステムは、アコード用のハイブリッドシステムを小型化および高出力化してリファインしています。
そのため、3L自然吸気エンジン並みの動力性能があり、1900kgの重量級ボディをスルスルと力強く加速させてくれます。
坂道や合流地点など、普段よりパワーを必要とされるシーンでも、力不足を感じる事はありません。
また、低速トルクに余裕があるため、エンジン回転が高まるような事も少なく、車内は常に静かに保たれています。
このシステムは、電気モーターとエンジンの制御がスムーズで洗練されており、上級ミニバンに相応しい上質なパワーユニットです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソン式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
しっとりとした重めのステアリングフィールです。またスローなハンドリング特性ながら、ドライバーの狙ったラインを忠実にトレースしていきます。
旧型より全高が高くなっていますが、重量物のリチウムイオンバッテリーが床下に設置されているため、重心が低くロールも最小限に抑えられています。コーナーや直線でも安定感が高く、路面に吸い付くようなフラットライドな身のこなしです。
初期型のガソリン車では、リアサスによる突き上げの強さが不評となっていましたが、このハイブリッド車ではだいぶ緩和され、しなやかで快適な乗り心地です。
ガソリン車の様なキビキビとしたスポーティな身のこなしは少し薄まりましたが、重厚でゆったりとした上級ミニバンらしい乗り心地です。
評価のまとめ
当初オデッセイの初期型モデルでは乗り心地の評判が悪く、急遽足回りに対策が施されていましたが、マイナーチェンジ後のハイブリッド仕様車では、さらにこの足回りが改善されています。
システム全体の動力性能も、3L自然吸気エンジン並みのパワフルな余裕があります。
さらに遮音材が追加されるなど見えない所の質感もアップしており、このハイブリッド仕様車は上級ミニバンに相応しい重厚な高級感を持っています。
市場でもこのオデッセイハイブリッド版の評価は高く、好評な売れ行きを示しています。
こうなると、なかなか値引き交渉はしにくくなりますが、人気車はその後のリセールで元を取る事ができるので心配は要りません。
都会的なスタイリングと高効率なハイブリッドシステム、大人数でゆったり乗れるちょっと高級なミニバンを待ち望んでいた人なら、間違いなくオススメの一台です。
価格
価格 | 4,000,000円(税込み)