新型フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント(8代目・B8)【試乗評価】知的でクールな頼れるお父さん [DBA‐3CCZE]

VWパサートヴァリアント前面画像

今回の【試乗評価】は「新型 VW パサート ヴァリアント TSI Highline(8代目・B8)」。
2015年にフルモデルチェンジした、Mクラスのステーションワゴン(5ドア)です。ボディーバリエーションは、「4ドアセダン」と「ステーションワゴン」の2種。この他に車高を30mm上げてアウトドアテイストをミックスした、クロスオーバーSUV「オールトラック」もあります。

ゴルフよりボディが一回り大きいこともあって、室内とか荷室も広め。使い勝手の良い実用車として欧州を中心に高い人気があります。

「初代 VW・パサート」が登場したのは1973年。ビートルに替わるVWの主力車種として計画されました。その後、よりコンパクトな「VW・ゴルフ」が登場したことで徐々にポジションが変わり、今ではフラッグシップの役割を担うようになってます。

「初代 VW・パサート」の基本プラットフォーム(車台)は、「アウディ・80」と同じものを使ってます。つまりエンジンはアウディ系と同じ「縦置き」なんです。スタイリングは、カーデザイン界の巨匠「ジョルジェット・ジウジアーロ」。同じグループ内の「初代ゴルフ」も彼がやってます。どうりでどっちもカッコイはずです。

4ドアセダンについてはこちら↓
新型VW パサート(B8)【試乗評価】

ハイブリッド版についてはこちら↓
新型 フォルクスワーゲン パサート GTE ヴァリアント(ハイブリッド)【試乗評価】

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 VW パサート ヴァリアント TSI Highline(8代目・B8)」の概要

7代目パサートの時、人気の伸び悩む北米市場向けとして、ボディを一回り拡大させた北米専用モデルを投入してます。当時、これが当たって結構な人気となりました。

「8代目 VW パサート」は、そんな北米専用モデルを参考に先代よりボディを一回り拡大。特に横方向への拡大幅が大きく、ロー&ワイドな印象です。

さらに、全長を据え置きながらホイールベースだけを拡大して、タイヤをボディの端っこに移動。前後オーバーハング(タイヤからボディ端までの長さ)を切り詰めて、伸びやかで美しいプロポーションになりました。

それまでの地味〜でクソ真面目な印象から、ちょっとだけ華やかで端正なデザインに生まれ変わってます。上質な感じもグッとアップしましたが、プレミアムモデルの「A4」ほどじゃないです。ゴルフとA4の間い挟まれて、ちょうど良いポジションに収まってます。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(車台)は、「7代目 VW・ゴルフ」にも使われている新世代モジュラープラットフォーム「MQB」です。ゴルフと同じ横置きエンジンになるんで、縦置きエンジンを使う「A4」との血縁関係はありません。

MQBプラットフォームは、「モジュラー思想」によって設計されたプラットフォームで、使う車によって伸ばしたり縮めたりといったことが柔軟にでます。要は、一つのプラットフォームで沢山の車をカバーできるため、掛かるコストがグッと安くなるわけです。

パワーユニットには、アルミニウム製の新世代エンジン「1.4リッターTSIダウンサイジングターボ」を使ってます。これにダイレクトな変速フィールをもたらす「7速DSG(パドルシフト付き)」が組み合わされます。

ライバルは

ライバルはドイツ製Dセグメントのステーションワゴン。「メルセデスベンツ・Cクラス ステーションワゴン」や「BMW・3シリーズ ツーリング」、「アウディ・A4 アバント」など。ただし、上質になったとはいえ「パサート」は大衆車なんで、プレミアム感やブランド価値でちょっとだけ見劣りする感じです。

外見のクオリティはいい勝負なんですが、室内の仕上げや乗り味といった部分でどうしても差が出ちゃいます。

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外観

ボディサイズ、全長2775mmX全幅1830mmX全高1510mm。ホイールベース、2790mm。

フロント

シャープなLEDヘッドライトが、グリルと同化しながら左右に伸びてワイド感を強調。伸びやかなフロントノーズを組み合わせることで、キリッとした若々しさを表現しています。

サイド

ボディサイズ自体は先代とそれほど変わらないのですが、ホイールベース(前後タイヤ間の距離)を長くしながら前後オーバーハング(タイヤからボディ端までの長さ)を短縮。フロントウィンドウを強く傾斜させて、キャビン(居住スペース)を後ろ寄りにレイアウト。伸びやかで均整の取れたプロポーションは美しいの一言です。

リア

VWパサートヴァリアント後部画像

硬質なヒップラインに、シャープなLEDリアコンビランプ。質実剛健で上質。「アウディA4」と「VWゴルフ」を足して二で割ったような印象で、二車の魅力がそのまま凝縮されています。

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内装

VWパサートヴァリアント内装画像

しっとりとした樹脂に上質な木目調パネル。カチッとしたラインで構成された、硬質感あふれる室内。

Aピラー(フロントウィンドウ両端の柱)の根本に三角窓があり、距離もドライバーから近いため死角範囲は最小限。比較的アップライトなポジションと相まって、運転のしやすい車です。

メーターナセルには、シルバークロムで縁取られた二眼メーターを配置。シンプルなフォント表示で視認性が高い。オプション装備として、TFT12.3インチ大型ディスプレイを使った「フルデジタル・メーター・クラスター」も用意。速度計やタコメーター、ナビゲーション情報などを好みに応じて高精度グラフィックで表示します。

センタークラスター最上段には上質感を演出するアナログ時計を装備。中段には、「9.2インチ大型全面タッチスクリーン」。ナビゲーションの表示に加えて、車輌情報を統合的に表示およびコントロールします。下段にはフルオートエアコンのコントロールユニット。「運転席」と「助手席」、「後席」の三ヶ所に分けて温度設定できます。

シート

フロントシートは、カチッとした厚みのあるクッションに、上質なナパレザー表皮のコンビネーション。適度なサイドサポートが装備され、肩周りから腰、太ももの裏にかけてガッチリと支えます。

「Highline」グレードには、夏の暑さを緩和する「ベンチレーション機能」や、シート表面をじんわりと温める「シートヒーター」も装備。

リアシートは座面の前後長、背もたれの高さともに適正。シート表皮には十分な柔軟性があり長時間ドライブも快適です。ホイールベースの拡大によって足元スペースにも余裕が生まれ、大人二人がゆったりと座れます。

荷室

荷室にはステーションワゴンでトップレベルとなる650Lの容量を確保。家族4人であれば、荷物のかさばるキャンプ遊びも余裕です。さらにリアシートの背もたれを倒せば、1780Lの大容量ラゲッジが出現します。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材が施され、静かなダウンサイジングターボと相まって高い静粛性を実現。風切り音やロードノイズもよく抑えられています。

エンジンとトランスミッション

1394cc・直列4気筒DOHCターボエンジンに、7速AT(DSG)が組み合わされます。
最高出力150ps/5000-6000rpm、最大トルク25.5kgf・m/1500-3500rpmを発揮。

車両重量1510kg。JC08モード燃費、20.4km/l。

エンジン

1.4リッター・ツインカムターボで前輪を駆動(FF)。低速から十分なトルクを発生する扱いやすいエンジン。3リッター自然吸気エンジン並の動力性能を発揮して、1.5tあまりの軽量ボディを滑らかに加速させます。

エンジン回転自体のフィールもスムーズで、吹け上がりも軽やか。「Sモード」を選択してアクセルを踏み込めば、さらに力強い加速感が得られます。

トランスミッション

デュアルクラッチ式7速DSG(パドルシフト付き)を装備。ダイレクトな変速感と変速スピードの速さ、ATのイージードライブを同時に実現した優れたトランスミッションです。

負荷の少ない巡航中は、エンジンからの駆動力を機械的にカットして滑走する「コースティングモード」も搭載。エネルギー効率の高さとスムーズな走行フィールを実現しています。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪には4リンク式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化。

乗り心地

装着タイヤは、235/45R18。

硬さと快適性のバランスした上質な乗り味です。硬く引き締まったボディにしなやかなサスが組み合わされ、路面からの衝撃を柔軟に吸収します。衝撃の角が丸いため不快な印象はありません。

拡大されたホイールベースによって、直進安定性も抜群。フラットな姿勢を維持して、矢のように直進します。

ハンドリング

軽やかでスッキリとした印象のステアリングフィール。ステアリングセンターにやや曖昧な部分を残すものの、操作に対する反応自体はリニア。ドライバーのイメージしたラインを正確な挙動で描きます。

最小回転半径、5.4m。ボディサイズの割に小回り性能は高いです。

先進安全技術

予防安全技術として、前方の車両や歩行者を検知して衝突を回避、もしくは被害軽減をはかる「プリクラッシュ・ブレーキ・システム(歩行者検知対応シティ・エマージェンシー・ブレーキ機能付き)」、後方を横切る車両を検知して衝突を回避、もしくは被害軽減をはかる「リアトラフィックアラート(後退時・衝突軽減ブレーキ機能)」、ドライバーの疲労を検知して知らせる「ドライバー疲労検知システム」などを装備。

運転支援技術として、適切な車間を維持しながら設定した速度で前車に追従する「アダプディブ・クルーズ・コントロール(全車速追従機能付き)」、車線内を自動的に維持、車線逸脱を警告する「レーンキープアシスタント」、安全な車線変更をサポートする「レーン・チェンジ・アシストシステム」などを装備。

【試乗評価】のまとめ

「新型 VW パサート ヴァリアント TSI Highline(8代目)」は、7代目ゴルフと同じ「MQB」プラットフォームを採用したMクラスのステーションワゴン(5ドア)です。

先代とほぼ同じボディサイズを維持しながら、ホイールベースを拡大。前後オーバーハングを短く切り詰めることによって、伸びやかなスタイリングと広々とした室内、大き気な荷室を実現しています。

搭載される1.4リッター・ダウンサイジングターボは、低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジン。1.5tあまりの軽量ボディをスルスルと加速させ、力不足を感じさせません。

乗り味は硬さと快適性のバランスした上質なフィール。ステアリングはドライバーの操舵に素直に反応するセッティングで、VWならではのスッキリとした印象を伴います。

「上質なステーションワゴンを探しているが、ブランド力よりもコストパフォーマンスを重視したい」とか、「家族のために荷物のたくさん積める実用車を探しているが、走りの質感も大事にしたい」といった人にふさわしい車です。

中古車市場では

2017年式「VW パサート ヴァリアント TSI Highline(8代目)」で350万円前後。2015年式で250万円前後(2018年6月現在)。

新車価格

4,749,000円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)