新型 トヨタ エスティマ【試乗評価】色褪せない革新的スタイリング [DBA-ACR50W-GFXSK(T)]

トヨタエスティマ前面画像

今回の【試乗評価】は「新型 トヨタ・エスティマ 2.4 アエラス(3代目/FF・7人乗り)」。
2006年にフルモデルチェンジした、Mクラスのミニバン(5ドア)です。登場からすでに12年以上が経過(2018年11月現在)しており、普通の日本車なら2回モデルチェンジしていてもおかしくないモデルサイクルが長くなっちゃってます。昔のようにニューモデルを出すだけでガンガン売れるような時代じゃありませんから、モデルサイクルが長くなるのもある程度は仕方ないんですけどね。

1990年に登場した「初代エスティマ」は、ミッドシップに直列4気筒を傾けて搭載するという「アンダーフロア型ミッドシップ」を採用。特殊なレイアウトとカプセルのように個性的なスタイリングが話題となった革新的モデルです。その後、大きなV6エンジンが積めないということから2代目は普通のFFミニバンとなりましたが、初代の革新的なスタイリングだけはしっかりと継承していました。

初代 トヨタ エスティマ【旧型レポート】革新的なミッドシップレイアウトと、先進的なスタイリング [E-TCR11W]

2017.03.29

3代目モデルも、その初代のスタイリングを受け継ぐキープコンセプトモデル。駆動方式は2代目と同じオーソドックスなFF(前輪駆動)です。全高を僅かに下げつつもホイールベースを拡大、ボディサイズ自体は先代同等を維持したおかげで、広い室内とスタイリッシュなボディを上手いこと両立しています。

試乗したのは2012年にマイナーチェンジしたの中期モデルです。2016年にビッグマイナーチェンジを受けた後期モデルについては「新型トヨタ エスティマ ハイブリッド」のページを御覧ください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 トヨタ・エスティマ 2.4 アエラス(3代目/FF・7人乗り)」の概要

3代目エスティマが、マイナーチェンジを経ながら長年に渡って作り続けられているのは、「フルモデルチェンジするほどの売上は期待できないが、かといって止めてしまうほど不人気でもない」という地味ながら確実なニーズがあるからです。

まあ、別の言葉で言えば「コストの掛からないマイナーチェンジで延命している」とも言えますが。

世間は「厳つい箱型ミニバン全盛」といってもいいくらい、このサイズ以上のミニバンは押し出しの強いデザインばかりです。ヴォクシーではちょっと物足りないけど、アルファードでは厳つすぎるし、何よりもボディサイズが手に余るなんて人には「エスティマ」くらいしか選択肢がありません。

あとは「ホンダ・オデッセイ」くらいかな?オデッセイもロールーフミニバンから脱却して、徐々に「厳つい系」に近づきつつありますけど。なんでも先代オデッセイが苦戦したのは、背の低さが大きな原因とか。顧客が走りよりも室内の広々感を求めるんですって。

プラットフォームなど

基本となるアーキテクチャーは、当時の3代目RAV4などにも使われていた「新MCプラットフォーム」。「新」といっても10年以上前のものですが。

これに2.4L直列4気筒エンジンとCVTが組み合わされます。この他に3.5LV型6気筒エンジン(6速AT)搭載車と、2.4L直列4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせるハイブリッド仕様も。アエラス系ガソリン車が18インチなのに対して、ハイブリッド仕様は全車16インチタイヤが装着されるので乗り味が優しいです。

駆動方式は、ガソリン車がFFと4WDの2種。ハイブリッド仕様は4WDのみ。

ライバルは

このクラスのミニバンは厳つい箱型デザインが多いので、直接的なライバルは少ないです。国内では「ホンダ・オデッセイ」くらいでしょう。

2012年にマイナーチェンジを実施

登場から6年目となる2012年。モデルチェンジのタイミングでマイナーチェンジを実施。フロントグリルやバンパーなど、内外装の小変更と共に装備の充実。エアロパッケージ「アエラス」には標準で18インチタイヤが装着されました。

その後、2016年には内外装の大幅な変更を伴うビッグマイナーチェンジを再び行ってます。今回の試乗車はそのビッグマイナー前にあたる中期モデルです。

ビッグマイナー後の後期モデルについては、「新型 トヨタ エスティマ ハイブリッド【試乗評価】」のページを御覧ください。

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外観

ボディサイズ、全長4815mmX全幅1820mmX全高1745mm。ホイールベース、2950mm。

初代エスティマは、たまご型のワンモーションフォルムを活かした、遠目から見てもすぐに「エスティマだ!」と分かるほど個性的な車でした。「天才たまご」なんて面白いキャッチコピーも使われていましたっけ。

ノーズからルーフ、リアエンドへとなめらかな曲線が連続していて、今見ても全然古さを感じさせないところがスゴイです。

今回の3代目エスティマは、駆動方式こそオーソドックスな「FF」となりましたが、基本スタイルはその初代の先進性をそのまま受け継いでいます。

フロント

たまご型フォルムを活かした丸みのあるフロントノーズに、シャープに切れ上がるヘッドライト。個人的には初代のユーモラスなお目々の方がエスティマらしいと思いますが、凛々しさとさ精悍さでは断然3代目です。

マイナーチェンジで、ヘッドライト上端とグリルの上辺を連結させるデザインから、逆に中期型ではヘッドライト下端とグリルの下端を連結させるデザインへと変更してます。

ほんのちょっとした変更ですが、これだけで深海魚っぽいフロントフェイスから人間的で凛々しい表情へと変わりましたね。デザインの奥深さを感じちゃいます。

サイド

トヨタエスティマ側面画像

リアに行くほど僅かに絞り込まれる、軽快かつスポーティなデザイン。他に類を見ない独創性は初代エスティマを彷彿とさせます。

すべてのピラー(柱)がブラックアウト(黒色に塗装)されるんで、ルーフが浮いているように見えてます。いわゆる「フローティングルーフ」ってやつです。こんなデザイン要素の数々がワンモーションフォルムと絡み合って近来的な感じを演出してるんですねえ。

リア

トヨタエスティマ後部画像

フロントから連続的に回り込むグラスエリア下端が、リアコンビランプ上端とツライチで連結され、安定感のあるリア周りを形作ってます。むっちりとしたリア周りの面処理も「重厚感あふれる」って感じでいいですねえ。

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内装

トヨタエスティマ内装画像

インパネからドアにかけて緩やかに回り込むライン。明るいベージュと上質な木目のコンビネーション。シンプルで居心地の良い室内です。設計がかなり古いにも関わらず、現在でも通じるモダンな上質感があります。というか、個人的には最近のトヨタ車よりこっちの方が好きかも。

薄く横長にデザインされたセンターメーターが、エスティマの「近未来感」を強調してますね。センターメーターはコストを抑える代わりに視線移動が若干多くなるという欠点を抱えますが、エスティマのセンターメーターは大丈夫。視線を落とした自然な位置にあります。

卵型フォルムのせいで、運転席からノーズがまったく見えないです。といっても視線がそこそこ高くノーズ自体も短いので、慣れてしまえば車両感覚は掴みやすいと思います。

シート

フロントシートは、十分な厚みのあるクッションと柔軟な表皮を組み合わせたフカフカシート。短距離の移動なら快適なんですが、あまり長く乗っていると腰が痛くなりそうです。まあ、移動距離の短い日本で使うならこういったセッティングも悪くありません。

7人乗り仕様のセカンドシートは、左右に独立したキャプテンシートです。乗った時の安定感や室内の広々感を重視するなら、断然こっちでしょうねえ。超ロングスライド機構や足を休ませるためのオットマン(足枕)も付くんで、気分はちょっとしたビジネスクラスって感じです。ゆったりとした気持ちでくつろげます。

サードシートは、友達や知人を「ちょっと駅まで乗せていく」なんて緊急時に活躍するシートです。クッションも薄く形も平板ですが、座面に十分な高さがあるんで体操座りみたいな窮屈な姿勢にはなりません。使用用途を考えれば十分でしょう。

荷室

トヨタエスティマ荷室画像

サードシートを出したままでも横幅や高さ方向に余裕があり、加えて床下にラゲッジボックスもあるんで、積み方を工夫すれば結構な荷物が積めます。家族4人なら1泊旅行くらい行けるでしょう。

もちろんサードシートを収納すればさらに広くなりますが、床下にシートが格納されるため床下収納は無くなります。

エンジンとミッション

2.4L直列4気筒エンジンと、CVTが組み合わされています。
エンジンは、170ps/6000rpmの最高出力と、22.8kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、11.4km/lとなります。車両重量は1770kgです。

1770kgの重量級ボディに、2.4Lエンジンですからパワーに大きな余裕はありませんが、日常域では必要十分の動力性能です。
アクセルを踏み込んだ時のエンジンサウンドに、少々がさつな印象を受けますが、賢いCVTのおかげでスムーズに加速していきます。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されています。

ハンドリングは、ミニバンらしいスローで凡庸なフィールです。楽しさとかキビキビ感を求める人には物足らないかもしれませんが、逆に大きな違和感もありません。

背の高いミニバンボディのわりにロールはよく抑え込まれています。ただ、ステアリングセンターが甘く直進安定性は低いです。 
またハーシュネス性能が低く、段差を超えると嫌な衝撃を車内に伝えてしまいます。

トヨタ的ソフトな乗り心地で、大きな路面のうねりに大してはふわふわ、段差などの周期の早い衝撃はいなしきれずにゴツゴツとなります。
設計の古さに加えて、重いボディとリアのトーションビーム式サスペンションの組み合わせが原因でしょう。

その他

カタログ値11.4km/lの燃費が気になります。街中ではおそらく9km/lを下回るのではないでしょうか。最新型のミニバンと比べると物足りません。

【試乗評価】のまとめ

この現行エスティマは、今年中旬頃に、大幅なビッグマイナーチェンジを予定しています。
プリウスα似のフロントフェイスが与えられ、同時に全体のスタイルも大幅に変更される予定です。加えて、エンジンのラインナップなど車のキャラクターに関わる部分も、大幅に見直されるようです。ビッグマイナーチェンジというより、「基本骨格を残したフルモデルチェンジ」といった方が近いかもしれません。

現行型は良く出来た車ですが、エンジンの燃費性能など、最新の車と比べるとさすがに古さを感じます。
このスタイルがどうしても気に入っているという方以外は、このビッグマイナーを待って商談した方がいいでしょう。

新車価格

3,145,745円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)

パリモーターショー行きたい(2018年10月)