三菱 ランサー エボリューション ファイナルエディション【試乗評価】熟成の極みに達した日本の宝「ランエボ10」 [CBA-CZ4A]

今回は「三菱 ランサー エボリューション(X) ファイナルエディション(2015年型中古車)」を試乗レポートいたします。
このランサー エボリューション Xは、2007年のモデルチェンジで10代目となりました。

7代目ランサーがベースとして使われていますが、このベース車両は日本国内では「ランサー」ではなく、「ギャランフォルティス」という名称で発売されていました。

また、この「ファイナルエディション」というグレード名は、ランサーエボリューションの最終モデルという意味で、ランサーエボリューション X GSRの特別仕様車として企画されています。

この最終モデルは限定1000台で企画されましたが、全て予約完売の為、現在、新車で買うことはできません。また、程度の良い中古車(走行距離100km未満)は、プレミアムがついて新車時よりも高額になっています(2016年7月時点)。

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外観

全長4495mmX全幅1810mmX全高1480mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2650mmとなります。

ファイナルエディション専用装備としては、「BBSアルミホイールのカラー変更」、「バンパーカラー変更」、「ファイナルエディション専用エンブレム」に加えて、オプションとして「ブラックルーフ」が用意されています。

フロントマスクは、大きなシングルフレームグリルと、段差のある細形ヘッドライトが精悍な印象です。後から登場した「スバルWRX STI」が、なんとなく真似してしまったくらいカッコイイデザインです。

サイドも、スバルWRX STIとよく似ています。車に詳しく無い人なら見分けがつかないでしょう。ただ、ランエボはキャビンが少し後退しており、またフロントオーバーハングも少し短いので、WRXより少しシャープな感じがします。

リアには、ランエボのアイコンともなっている大型のリアウィングが装備されています。また、WRXと異なる印象の細形リアコンビランプが装備され、個性とスポーティ感を同時に演出しています。

本当によく似た外観を持つランエボとWRXですが、ランエボの方が若干細身でスポーティです。対する、WRXは重量感のあるスポーティな雰囲気を持っています。

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内装

内装は、ギャランフォルティスの内装がそのまま流用されているため、質感はそれなりです。ただ、このファイナルエディション専用装備として、ブラックルーフやパーキングブレーキ、シフトノブ、ステアリングにレッドステッチが入れられ、さらに、専用レカロシートにはレッドステッチで「RECARO」ロゴが刺繍されるなど、スポーティで上質な演出が施されています。

メーターは、三菱自動車伝統の大型2眼メーターが装備され、使い勝手も良好です。メーターに装備された液晶モニターには、起動時に「LANCER EVOLUTION」の文字が浮き上がり、やる気にさせられます。

また、シフトノブ前方の小さな金属プレートには、その車にだけ与えられる固有のシリアルナンバーが刻まれています。

前席シートには、専用のレカロシートが装備されています。スポーティな形状のバケットタイプなので、サイドサポートは良好です。硬さやコシも適正で、ハードなドライビングでもドライバーに最適なシートポジションを提供し続けます。

後席シートも、前席に準じたスポーティなレッドステッチが施されています。ベース車両が居住性に優れた「ギャランフォルティス」ですから、スポーティな車とは思えないほど快適な居住性を誇ります。これなら、家族持ちの人にも安心して勧めることができます。

トランクルームには、セダンらしいたっぷりとした荷室が用意されており、ゴルフや家族での小旅行など幅広い用途に対応できます。

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エンジンとミッション

1998cc 直列4気筒 DOHC ターボエンジンに、5速マニュアルミッションが組み合わされます。
エンジンは、313ps/6500rpmの最高出力と、43.7kgf・m/3500rpmの最大トルクを発揮します。車両重量は1530kgになります。

エボ9まで採用されていた「ナトリウム封入排気バルブ」を再び採用することで、エンジン出力が向上し13馬力アップの313馬力の最高出力を誇ります。
数値上はわずかな馬力アップですが、実際に運転してみると、エンジン出力の伸びとレスポンスが向上しており、運転の自由度と深さが拡大しています。エンジン音は快活でスポーティなサウンドで、2Lとは思えないすさまじいトルクとパワーをひねり出します。

ランエボ「X」は先代までのランエボと違って、大排気量自然吸気エンジンのように低速からモリモリと分厚いトルクが湧いてきます。そのため、マニュアルトランスミッションに抵抗がなければ、誰でも乗れるような気楽さがあります。また、各種の電子制御デバイスのおかげで素人程度の運転では、走りに破綻を見せることはありません。

組み合わされるマニュアルギアボックスは、節度感のあるスポーティなフィーリングを持ち、操ることが楽しくなります。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

初期型のランエボは、アンダーが強くなかなか曲がらない4WDらしい特性の車でした。ところが、このファイナルエディションは、進化の進んだランエボXをさらに熟成させた最終モデルです。各種の電子制御とセッティングの積み重ねにより、素直でコントローラブルな楽しい車に進化しています。

車の回転軸方向に働く慣性力をコントロールするAYC(アクティブヨーコントロール)、タイヤのトラクションをコントロールするASC(アクティブスタビリティコントロール)、前後輪の駆動配分を行うACD(アクティブセンターデフ)などを統合的に制御するS-AWCが装備され、あらゆるシュチュエーションで車を速く安全にコントロールすることができます。4輪の接地感が高まり、どこまで攻め込んでいっても破綻を見せることはありません。圧倒的な安心感を持っています。

シャーシの精度や剛性感が増し、走りの質感が向上しています。また、このファイナルエディションでは、それまでメーカーオプションだった、ハイパフォーマンスパッケージ(ビルシュタインダンパー、アイバッハコイルスプリング、ブレンボディスクブレーキ、ハイパフォーマンスタイヤ)が標準装備されています。そのため、ロードホールディング性が高まり、しっかり感としなやかさに加えて乗り心地も向上しています。

超扁平タイヤをスポーツサスで履きこなしているとは思えないほどの快適な乗り心地です。ブレーキにもシッカリした剛性感が感じられ、安心して踏み込んでいくことができます。

評価のまとめ

このランサーエボリューション X ファイナルエデュションは、生産がすでに終了し、新車で買うことはできません。しかし、走行距離100km未満のほぼ新車ともいっていい状態のいい個体が、今だに中古車市場に存在しています。

初代のランサーエボリューションから、10代目、しかも登場から10年近くが経過したこのファイナルエディションは、車としての熟成の境地に達しています。また、このまま、ランエボが復活することがなければ、さらにプレミアム化することは間違いありません。そのため、この車に興味があって、買うだけの充分な資金力があるなら、迷わず購入することをオススメします。

価格

新車時の価格 | 4,298,400円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)