今回は「新型スバル XV 2.0i-L EyeSight」を試乗レポートいたします。
スバルXVは、2012年のモデルチェンジで2代目となりました。
この普通の乗用車の車高をちょっと上げて、アウトドアルックに仕立てる手法はスバルが先駆けです。
当初はレガシィをベースに開発され、日本ではランカスター、アメリカではアウトバックとして販売され大ヒットしました。
その後世界中のメーカーがこの手法に追従し、今ではひとつのジャンルとして定着しています。
その後インプレッサ系にもその手法で開発した車が欲しいという要望から生まれたのがこのXVです。
外観
全長4450mmX全幅1780mmX全高1550mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2640mmとなります。
スバルお得意のアウトドアスタイルです。インプレッサはもともとスポーティでかっこいいスタイルですが、ブラックパーツのおかげでさらに引き締まって見えます。
インプレッサのデザインモチーフであるヘキサゴンがアウトドアパーツでさらに強調され、道具感や野性味、それとは相反するようなおしゃれな雰囲気をうまく表現しています。
インプレッサの企画段階から同時進行でXVもデザインされていたのかもしれません。ホイールも個性的かつアウトドア感もしっかり表現されていて、かっこいいデザインです。
内装
内装のデザインは基本的に他のインプレッサ系と共通で、質感もクラス標準レベルです。メーターは大きく見やすい2眼タイプが装備されます。
本革のシートは、ちょっと合皮かな?と思ってしまうくらい質感がありません。サイズは小ぶりで少し小さいかなと思いましたが、中距離(50km程度)ならこれで十分でしょう。
ただ硬さとストロークが少し不足気味で、長距離では腰が痛くなりそうです。
ステアリングも本革巻きです。こちらも本革にしてはちょっと安っぽいなと思います。それでも本革には違いありませんから、使っていくことで風合いが出て馴染んでくるのではないでしょうか。
エアコンはデュアルタイプで左右で違う温度設定が可能です。また、操作は手応えの良いカチカチとしたダイヤル式で使い勝手は良好です。
ダッシュボードはソフトパッドで、BR系レガシィよりコストがかかっていますが、触ってみないと分からない程度の質感です。
エンジンとミッション
2.0L直列4気筒DOHCエンジンと、CVTが組み合わされます。
エンジンは、150ps/6200rpmの最高出力と、20.0kgf・m/4200rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、16.2km/lとなります。
エンジンは主張は少ないですが、しっかり仕事をするタイプで必要十分の動力性能を持ちます。多少の坂道でも1410kgのボディを過不足なく引っ張ります。
ただCVTは走り出しが唐突でどんなにゆっくり踏んでも、飛び出しがちなのが気になりました。ザラザラしたCVTの音も車自体の質感を下げています。ゆっくり巡航しているだけなら、CVT独特のラバーバンドフィールも気になりません。
足回りとハンドリング
前輪にストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
ハンドリングセンターが曖昧で真っ直ぐ走るのが難しいです。ただスボラな人には、適当に運転していれば良いので喜ばれるだるでしょう。
神経質な人にとっては、切っただけリニアに曲がる感じがないので、運転が楽しくありません。しかしこれはBR系レガシィにもあった特性で、タイヤの空気圧を厳密に調整する事で解消される可能性が高いです。(タイヤの空気圧を基準値より5%程高くして、左右の空気圧をぴったり同じに調整。タイヤ冷温時に空気圧計で正確に計る)
車高の高さによる不快なロールは少なく、コーナリングでも安定感は高いです。低速では路面の段差を車内に伝えがちですが、速度を上げる事で滑らかでフラットな乗り心地に変化します。
評価のまとめ
アウトドアテイストのSUVが欲しいけど、車高が高すぎる車やボディが大きい車は苦手、手頃なサイズと値段でかっこいい車が欲しいといった人にピッタリな一台です。
アウトドアテイストのSUVなので、ヒップポイントが高く乗り降りがしやすいです。ボディの見切りも良好で運転も快適です。またフォレスターより重心は低いので、揺れるのが苦手な人にもオススメできるバランスの取れたSUVです。
価格
価格 | 2,592,000円(税込み)