新型 BMW 320i M Sport(F30)【試乗評価】美しいボディと走りの喜び [DBA-3B20]

今回は「新型 BMW 320i M Sport」を試乗レポート。
2012年にモデルチェンジしたMクラスの高級4ドア・セダンです。3シリーズとしては、今回で6代目。4ドアセダンの他に、5ドアハッチバックの「グランツーリスモ」、ステーションワゴンの「ツーリング」があります。

先代にはスタイリッシュな「2ドアクーペ」もありましたが、今回からは「4シリーズクーペ」として独立したモデル名が与えられています。

この3シリーズはBMWを代表する車種であるとともに、経営的にもBMWの屋台骨を支える重要なモデル。しかもライバルは「メルセデスベンツCクラス」や、「アウディA4」など魅力的な車種ばかりです。

こんな状況では、必然的に力の入ったモデルチェンジとなり、BMWの技術と叡智を結集した上質なプレミアム・セダンに仕上げられています。

その3シリーズも登場からすでに5年以上が経過。2015年にはビッグマイナーチェンジが行われ、内外装のリフレッシュとともに、商品力も大幅に向上しています。

※時間が無い人は、内容を飛ばして、文末の「試乗評価のまとめ」をどうぞ。

BMW320iMSport前面画像

スポンサーリンク

「BMW 320i M Sport」の外観

全長4645mmX全幅1800mmX全高1430mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2810mmとなります。

標準グレードでも十分にカッコいい3シリーズ・セダンですが、「M Sport」を選択することで18インチ大径タイヤとスポーティなエアロ、スポーツサスが装備され、さらにカッコよさを増しています。

フロント

低く身構えたフロントノーズに、シャープなLEDヘッドライト。薄いキドニーグリルが組み合わされ、スポーティで精悍な表情を作り上げています。

サイド

ロングノーズ&ビッグキャビンによる美しいFRルック。スポーティなサイドスカートや、18インチ大径タイヤによってスポーツ感を強調。短く切り詰められたフロントオーバーハング(前輪からボディ端までの長さ)が組み合わされ、「8頭身美人」のようなプロポーションの良さを見せます。

リア

ハイデッキ化されたヒップラインに傾斜の強いリアウィンドウ、力強く張り出したリアフェンダーが対比され、スポーティで力強いリアエンドを構成。

若い頃は、エレガントな3シリーズクーペが好きでしたが、最近は、3シリーズセダンの合理性に裏打ちされた美しさにも惹かれます。

今回の3シリースの兄弟車には、4ドアセダンの合理性と2ドアクーペの美しさを併せ持つ、「4シリーズ・グランクーペ」というスタイリッシュな4ドアクーペが設定されています。

「4シリーズ・グランクーペ」は流麗なスタイリングを持つカッコいい4ドアクーペですが、ちょっとどっちつかずな感はいなめません。これなら、割り切ってエレガントなカッコよさを追求した「4シリーズ・クーペ」か、実用的なカッコよさを持つ「4ドア・セダン」の方が分かりやすくて良いです。

スポンサーリンク

内装

ガッシリとした質感の樹脂に木目調加飾パネル、清潔感のあるメタリックパーツが組み合わされたスポーティな室内。

MSportを選べばアルカンターラシートとなりますので、いくらか質感が上がります。それでも不満な場合は、オプションの本革シートを注文してください。さらに大人っぽい雰囲気となります。アウディA4やメルセデスベンツCクラスの室内を見慣れると、「もう一工夫欲しい」というのが正直なところです。

BMW320iMSport内装画像 BMW320iMSportメーター画像

メーターナセルには、精密なグラフィックで表現された二眼メーターを装備。まさに精密機械のための計器といった印象で、かえってワクワク感を感じます。

BMW320iMSportナビ画像

センターコンソール最上段には、フローティングタイプの「ワイド液晶ディスプレイ」。目線の移動が少なく、疲労軽減効果が期待できます。その直下には、エアコン吹き出し口。エアコンは手探りでの操作も可能なダイヤル式。

BMW320iMSport前席画像

シート

フロントシートは包まれ感の強いスポーティな形状。着座位置が低いため、ミニバンやコンパクトカーに乗り慣れた人には嫌がられるかもしれません。柔軟な表皮にコシのあるクッションが組み合わされ、身体が少し沈んだところでがっちりと支えます。長時間ドライブでも疲れを溜めにくい快適なシートです。

リアシートはややクッションが薄くなるものの、表皮には十分な柔軟性があります。適正な姿勢を保って座れば、長距離でも疲れにくいです。ただし、少しお尻が落ち込みやすいため、気になる人はディーラーでの事前確認をオススメします。

モデルチェンジを重ねる毎にホイールベースが延長され、それに合わせて後席空間もドンドン広くなっています。足下、頭上空間ともに広々とした余裕があり、大人二人で座っても窮屈感はありません。

静粛性

たっぷりと遮音材と吸音材が施され、高級プレミアムセダンにふさわしい静粛性を実現。

荷室

トランクスペースは、Mクラスセダンとして標準的なレベル。4人家族であれば、2泊3日旅行も可能です。

スポンサーリンク

エンジンとミッション

1998cc直列4気筒DOHCターボエンジンに、8速ATが組み合わされます。
最高出力184ps/5000rpm、最大トルク29.6kgf・m/1350-4250rpmを発揮。
車輌重量、1560kg。JC08モード燃費、15.4km/l。

エンジン

2.0リッター・ツインカムターボで後輪を駆動(FR)。低速からぶ厚いトルクを発生するパワフルなエンジン。出足もスムーズで軽快、1.5tあまりのボディを滑るように押し出します。

最新型といってもしょせんは4気筒エンジン。BMW伝家の宝刀「シルキー6」のようになめらかで上質なフィールはありません。といっても、それは6気筒エンジンと比較した場合。ダウンサイジングターボを使って低速域からフラットなトルクを発生する、スポーティなエンジンに仕上がっています。

中高速域では必要十分以上のパワーを発揮。市街地など日常領域で使用するなら、パワーと燃費性能のバランスしたこの2.0Lエンジンで不足はありません。

アイドリングは、若干バイブレーションとノイズを高めますが、一旦走り出してしまえばノイズの少ないスムーズなエンジンです。

320iよりもさらに強力な低速トルクが欲しい場合は、ディーゼルエンジンを搭載した320dがオススメ。アイドリング時はこの320i以上のノイズとバイブレーションを発生しますが、速度を上げるにしたがってスムーズで上質なフィールを取り戻します。

トランスミッション

トルコン式の8速ATを装備。トルクフルなエンジンを活かして、スムーズかつダイレクトな変速を行います。早め早めの変速でエンジン回転を高めにくいため、バイブレーションやノイズも少ないです。

3シリーズセダンにはこの他にマニュアルトランスミッションの設定もあります。短期的なビジネスを考えるなら一見無駄な装備ですが、BMWは「駆け抜ける喜び」を表現するためあえてこの設定を残しています。走りを楽しみたいと考えている人にこそ、積極的に薦めたいトランスミッションです。

乗り心地とハンドリング

前輪にダブルジョイントストラット式サスペンション、後輪には5リンク式サスペンションが装備されます。

乗り心地

適度に引き締まったスポーティな乗り味。よく動くサスによって、しっとりとした上質感も表現されています。

目地段差や橋脚ジョイントではコツコツと路面の衝撃を拾いがちですが、がっしりとしたボディと高性能なスポーツサスによって、不快な衝撃はしっかりと遮断。硬いランフラットタイヤを装着しているとは思えないしなやかさがあります。

ハンドリング

FRらしい素直で自然なハンドリング。操舵フィールにはプレミアムカーにふさわしい重厚感や滑らかさがあります。古い3シリーズ(E36)のような軽快感は薄まりましたが、大味で退屈なんて事は無く、乗り心地とハンドリングが高次元でバランスしています。

僅かな操舵にも正確に反応して、狙ったラインを外しにくい。リアの接地性が高いためコーナリング中も安定感が高く、安心してドライブを楽しむことができます。

その他

先進安全技術には、予防安全技術として「衝突回避・被害軽減ブレーキ」や車線逸脱を検知してドライバーに注意を促す「レーン・ディパーチャー・ウォーニング(車線逸脱警告システム)」、「前車接近警告機能(自動ブレーキ付き)」といった技術を。

運転支援技術として前車との距離を一定に保って低速で追従する「アクティブ・クルーズ・コントロール(ストップ&ゴー機能付き)」や、斜め後の死角から接近してくる車を検知して、車線変更時に注意を促す「レーン・チェンジ・ウォーニング(車線維持機能付き)」、「アクティブLEDヘッドライト」といった技術を装備しています。

その他には、「SOSコール」及び「BMWテレサービス」などの通信サービスも便利。

その中でも「BMWテレサービス」は、ブレーキパッドやエンジンオイル、バッテリーなど定期的な交換を必要とするパーツの消耗具合を車が自動的に検知して、正規ディーラーへ情報を送信。スムーズで確実なメンテナンスをサポートする近未来的なサービスです。

試乗評価のまとめ

「新型 BMW 320i M Sport」は、FRならではの素直で自然なハンドリグ。適度に引き締まった上質な乗り心地。トルキーなツインカムターボを持つプレミアム・スポーティセダン。

合理性に裏打ちされた美しいボディと、プレミアムカーでありながら「量販グレードからマニュアルトランスミッションが選べる」というのも大きな魅力です。

走行性能と乗り心地のバランスも素晴らしく、FRならではのスポーティなハンドリングはライバルたちを寄せ付けません。
もちろん、各自動車メーカーによってそれぞれ味付けの方向性が違うので、どれが優れているというものではありませんが、その中でこの3シリーズ・セダンには走りの楽しさに特化した大きな魅力があります。

内装についてはアウディとメルセデスベンツの質感向上が目覚ましく、この3シリーズは一歩遅れをとっている感がいなめません。

しかし、BMWは「駆け抜ける喜び」をテーマに掲げるスポーティなメーカー。小さな欠点を潰すよりも、官能的なエンジンと走行性能を磨き上げ、さらに魅力を高めていくという方向性は間違っていません。

中古車市場では

「BMW 320i M Sport」の場合、2017年式で、300万円台後半。マイナーチェンジ前の2014年式で、250万円前後となります(2018年4月現在)。

新車価格

5,660,000円(税込み)

関連記事

スポンサーリンク

ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)

切れ痔がぶり返してきたー!(2018年10月)

パリモーターショー行きたい(2018年10月)