新型 スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight【試乗評価】ドイツ高級車に匹敵する動的質感 [DBA-VMG]

スバルレヴォーグ2.0STIの前面画像

今回の【試乗評価】は「新型 スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight」。
2014年に登場した、中小型車のステーションワゴン(5ドア)です。

5代目レガシィが登場した時。先代レガシィオーナーの中は、スポーティでコンパクトな愛車をそのまま乗り続けるという選択をした人が少なくありません。5代目レガシィが北米市場に合わせてあまりに大型化してしまったからです(というより、”実際以上に大きく見える”といったほうが近いかも)。

スバル レガシィ ツーリングワゴン(BR)【試乗評価】熟成された大人のステーションワゴン [DBA-BRM]

2016.03.14

スバルは先代レガシィからの乗り換え需要をあてにしていたはずですから、この購買動向にはかなり焦ったでしょうねえ。その後、その4代目レガシィの受け皿となる新しい国内専用モデル「レヴォーグ」を急いで開発することになります。

レヴォーグが初めてお披露目されたのは、2013年の東京モーターショー。5代目レガシィよりも一回り小さなサイズで、日本国内での扱いやすさを重視していることがわかります。当初、2014年に国内専用モデルとして発売されたんですが、欧州市場でもそれなりの需要が見込めるということで、その1年後の2015年に欧州へも投入されました。

僕がこのレヴォーグを初めて写真で見たのは、2013年の東京モーターショーです。その時はインプレッサの拡張版というか上級仕様といった感じで、正直あまりパットしなかったんですが、その後の地道な熟成とイメージ戦略のおかげで今ではレガシィと肩を並べるほどのモデルに成長したんじゃないでしょうか。スバルらしい走りの楽しさと実用性、優れた安全性能を併せ持つグランドツアラーです。

マイナーチェンジ前の1.6リッターモデルについては、「新型スバル レヴォーグ【試乗評価】」のページを御覧ください。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight」の概要

2016年。年次改良(C型)と同時にレヴォーグの最上級グレード「STI Sport 」を追加。

「STI」はモータースポーツ活動からコンプリートカーの開発、カスタムやチューニングパーツまでを手がけるスバルの完全子会社です。

これまで「STI」が開発した車は高性能なコンプリートカーばかりだったんですが、今回の「STI Sport 」はちょっと違います。開発段階からスバルと強力して、市販車と同じラインで生産できるように設計された量産車なんです。

高価で台数の限定されるコンプリートカーと違い、量産車は比較的価格が安く(あくまでもコンプリートカーと比較すればですが)カタログモデルなので好きな時に購入できるというメリットがあります。

もちろん、コンプリートカーのように超高性能というわけにはいきませんが、スポーティな味わいを残しながら扱いやすさや上質感を両立するというバランスの良さが魅力です。

プラットフォームなど

プラットフォーム(基本骨格)は5代目インプレッサに採用された最新の「SUBARU GLOBAL PLATFORM」ではなく、一世代前の古いプラットフォームです。といってもレヴォーグはインプレッサよりも一つ上のクラスなんで、持てる技術と知見をフル動員してなんとかインプレッサ以上の車格感を表現してます。簡単に言えば「熟成された」ってことですね。

ライバルは

ちょっと前まではトヨタに「トヨタ・アベンシス ワゴン」という欧州テイストのステーションワゴンがあったんですが、現在、国内のめぼしいライバルといえば「マツダ・アテンザ ワゴン」くらいでしょう。「BMW・3シリーズ ツーリング」とか「アウディ・A4 アバント」なんかをライバルと言いたいところですが、あちらは完全なプレミアムモデルですからレヴォーグとはお値段がかなり違います。

マイナーチェンジ情報

スバルでは毎年のように年次改良を行っていて、A型からB型、C型へと次第に熟成していくのが通例なんですが、3年目のD型ではビッグマイナーチェンジと称してさらに大幅な改良が行われます。スバル車に詳しい人なんかは、あえて新型を買わずこのD型を待って購入するという人も多いです。僕もD型か最終モデルを安く買いたいといつも思っていますが、なかなかタイミングが合わずにB型とかC型を買っちゃうんですよねえ。車を生活の足に使っていると乗らないというわけにはいかなんんで、時期的な調整が難しいです。

レヴォーグも登場から3年目の2017年にビッグマイナーチェンジを実施。内外装のアップデートと共に、安全性能の向上や静粛性を含めた質感のアップ。操縦安定性や乗り心地の向上を行ってます。

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外観

ボディサイズ、全長4690mmX全幅1780mmX全高1490mm。ホイールベース、2650mm。

レヴォーグ全体としては2017年のビッグマイナーチェンジでデザインの小改良が行われましたが、「STI Sport」は2016年に登場したばかりの新しいグレードなんで外観はほぼそのまま据え置かれました。

フロント

「STI Sport」専用グリルや専用フロントバンパーなどが組み付けられて、「WRX STI」を彷彿とさせる精悍なフロントフェイスになってます。

プレーンなノーマルグレードに対して、「STI Sport」グレードはちょっとアグレッシブな印象。どちらのスタイルもバランス良くまとめられているので、予算や好みに応じて好きな方を選べば良いんじゃないでしょうか。

サイド

後ろに行くほど絞り込まれるルーフに、傾斜の強い前後ピラー(柱)。ステーションワゴンにしては短いリアオーバーハング(後輪からボディ後端までの長さ)などの合わせ技でスポーティな感じです。

18インチ大径タイヤ&ホイールが、ボディ全体を力強く引き締めてますねえ。ピニンファリーナにいたデザイナーの奥山さんが「ホイールはデカイほうがカッコいい」なんてことを言ってましたが、確かにカッコいいです。もちろん扁平率を下げてホイールをデカくすると、それに応じて乗り心地も悪くなるんで単純にデカくすれば良いってわけじゃありませんが。

水平対向エンジンをフロントに縦置きしているため、少々フロントオーバーハングが長く、アウディA4のようなプロポーションの良さありません。まあ、このへんはメンテナンス性とかコストとの兼ね合いもあるんで、一概にどちらが良いとはいえませんが。ズングリしちゃうのは確かです。

リア

スバルレヴォーグ2.0STIの後部画像

ふくよかなヒップラインに、コの字型リアコンビランプ。がっしりとしたリアバンパーと小さな八形型のリアウィンドウ。「STI Sport」グレードには赤いSTIバッジや、専用マフラーカッターが装備されます。

フロント周りほどノーマルグレードとの差はありませんが、逆に「抑制のきいた大人のスポーツ」って感じがします。

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内装

旧インプレッサ(4代目)系と共通の見慣れたインテリア。スバルは自動車会社としては比較的小さい方なんで仕方ありませんが、レヴォーグくらいは専用の内装を用意して欲しいところです。

といっても基本的なデザインがシンプルで嫌味も無いので、古臭いとか安っぽいなんてことはありません。個人的には5代目インプレッサよりもこっちの方が好みです。ボルドー色のレザーやレッドステッチ、赤い照明なんかがちりばめられ「スポーティな大人の上質感」があります。

スバルレヴォーグ2.0STIのステアリング画像

メーターナセルには「STI Sport」専用のスポーツメーター。視認性の高い大型二眼メーターの間には、小さなインフォメーションディスプレイがあって、EyeSightの作動状況や車輌情報なんかを表示してます。さらにフロントウィンドウ下端には小さなLEDが仕込まれ、光をガラスに反射させることでEyeSightの情報を補助的に知らせます。まあ、こんなにたくさんの情報が必要かどうかは意見の分かれるところですが、ワクワクさせられるのだけは確かです。

センタークラスター

スバルレヴォーグ2.0STIのナビ画像

センタークラスター最上段には、マルチファンクションディスプレイを設置。ここには車輌情報やEyeSightの作動状況が表示されます。正直、僕はほとんど見てませんでしたけど。

その直下にはエアコンの吹出口。ステアリングとの間に適度な距離があり調整範囲も広いので、「エアコンの風が直接手にあたってつらい」なんてことにはなりません。後席へも快適な空気を送りやすいです。

ハザードツイッチは、操作のしやすいセンタークラスターの一等地(ど真ん中の高い位置)にあります。ここなら瞬時に手が届きますし、周りにめぼしいスイッチもありませんから押し間違う事はないでしょう。

シート

スバルレヴォーグ2.0STI前席の画像

フロントシートは、ボルドー色のレザーに「STI」のロゴが型押しさたスポーツシート。基本構造はノーマルグレードと同じはずですが、クッションには程よいコシがあり表皮も柔軟なんで座り心地が良いです。高価な本革表皮のおかげかもしれません。

初めてこのシートを見た時「レヴォーグにしてはちょっと派手すぎないかな」なんて思いましたが、今では見慣れたせいもあって「個性的で上質感もあるし、良いじゃない」なんて感じます。人の第一印象がいかにあてにならないか、分かろうというもんです。

スバルレヴォーグ2.0STIの後席の画像

リアシートもフロント同様ボルドー色のレザーがおごられます。元々レヴォーグのリアシートは形が適切でサイズも十分、しっかりとしたコシのある座りやすいシートです。これに本革表皮が貼り付けられてるんですから、悪いはずがありません。頭上空間も適切で、足元は広々。大人二人で座っても十分な余裕があります。

エクシーガの本革シート(キャメルカラー)も上質な雰囲気があって良いんですが、レヴォーグのボルドーも中々。僕みたいなもっさりしたおっさんだと、おしゃれに乗りこなすのは難しいかもしれません。

荷室

レヴォーグはステーションワゴンですから、当然ながら荷室には広大なスペース(522L)があります。これなら家族4人でキャンプからスキー、釣りやサイクリングまでなんでもござれって感じです。

リアシートの背もたれを4:2:4で折りたためば、さらに荷室容量を拡大。これならスキーやスノーボード、自転車なんかの長尺物を積む時に便利でしょう。

さらに床のボードを外せば、2つのサブトランクが出現。荷室で散らばりやすい小物や工具類をキッチリと整理して収納できます。

静粛性

マイナーチェンジでウェザーストリップ(二重化)やガラスの厚さが増し、加えて荷室周りおよび床の遮音材が追加されたんで今まで以上に静かになりました。

元々レヴォーグはインプレッサよりも上級な位置付けなんで静粛性は高かったんですが、さらに上質感が増した感じです。

エンジンとトランスミッション

1998cc・水平対向DOHCターボエンジンに、CVTを搭載。
エンジンは、最高出力300ps/5600rpm、最大トルク40.8kgf・m/2000-4800rpmを発揮。

車両重量1570kg。JC08モード燃費、13.2km/l。

エンジン

2.0リッターのツインカムターボで4輪を駆動(4WD)。2000回転という低回転域から最大トルクを発揮してるんで、その加速力は爆発的といっても良いくらいパワフル。陳腐な表現ですが、「体がシートバックに押し付けられる」って感じです。

ラフなアクセル操作をすると出足が尖すぎるので、低速トルクの穏やかな1.6の方が乗りやすいかもしれません。「坂道をガンガン登る必要がある」とか、「週末はサーキット走行を楽しみたい」とか、「どうせ買うなら最上級グレードじゃなきゃ」なんて理由が無ければ価格が安く乗りやすい1.6で十分でしょう。

トランスミッション

スバルレヴォーグ2.0STIのシフト画像

金属製ベルトとプーリーによって無段階に変速するCVTを装備。トルクフルなターボエンジンとの相性が悪く、リニアな反応とかダイレクト感は今ひとつです。アクセルを強く踏むと若干遅れてトルクが立ち上がる感じで、逆にアクセルを緩めても少し加速感を残す感じがあります。そういった意味でもトルクの穏やかな1.6の方が、妙な癖が出にくいのでオススメです。

まあ、もちろん。街中をゆったりと流す分には問題ありませんが。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、225/45R18。

足回りには、「STI Sport」用にセッティングされたビルシュタイン製ダンパー「ダンプマティック2」を装備。

こいつのおかげで、低速域での小さな衝撃に対しては「コンフォートバルブ」が作動してしなやかな乗り味を、中高速域での比較的大きな入力に対しては「メインバルブ」が作動して操縦安定性を高めるなんて欲張りなセッティングが出来ちゃうんです。簡単に言ってしまえば、「上質感とスポーティな楽しさを両立している」ってことです。

余計な揺れや衝撃が抑えられているので、スッキリというかどこか爽やかな感じもあります。スーッと路面を滑るようなライド感が気持ちいいんですよねえ。機械の工作精度や組付け精度がある程度高くないとこうはいきません。

高速域でも姿勢変化が少なく、ビシッと矢のように直進。軽くステアリングに手を添えておくだけで勝手に車が走ってい行く感じです。

ハンドリング

「STI Sport」には、ノーマルグレードに搭載される「アクティブトルクスプリットAWD」ではなく、不等&可変トルク配分を電子制御で行う「VTD-AWD」を搭載。

「前45:後55」という後ろ寄りのトルク配分を基本に、路面状況に合わせて柔軟にトルクを制御してくれます。要は、後輪駆動の素直なハンドリングとAWD(4輪駆動)の安定性を両立しているわけです。

後輪駆動に近い素直なハンドリングなんで、ドライバーのイメージしたラインを不用意に外すことはありません。姿勢変化が少なくリアの接地性も高いため、コーナーの連続するワインディングも得意種目です。涼しい顔でヒタヒタと走り抜けます。

マイナーチェンジでステアリングの取り付け剛性が向上したんで、がっしりとしたダイレクト感とスムーズな操作フィールが気持ち良いです。とにかくハンドリングの楽しい車であることは間違いありません。

最小回転半径は、5.5m。ボディサイズにしては標準的なレベル。さしあたって、取り回しに苦労することは無いでしょう。

先進安全技術

自動ブレーキ(前後)や誤発進抑制機能(前後)を持った「EyeSight(ver.3)」に、全車速追従機能付きクルーズコントロールとステアリングアシストを持つ「ツーリングアシスト」が組み合わされてます。クルーズコントロールの作動範囲も拡大され、0km〜120km/hになりました。

このほかに予防安全技術「セイフティプラス」もあるんですが、これには斜め後方死角内の車を検知して知らせる「リアビークルディテクション」や、対向車を検知してハイビームを切り替える「ハイビームアシスト」が付きます。

機能の追加で安易に「ver.4」なんてしないところにスバルの良心を感じますが、だんだん機能が複雑化して理解しにくくなってるのは確かです。こういった機能の分かりづらさは実際の安全性にはなんの関係もありませんが、商売上は多少なりとも不利なんじゃないでしょうか。

【試乗評価】のまとめ

「スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight」は、4代目レガシィオーナーの受け皿として開発された中小型のステーションワゴン(5ドア)。

その中でも「STI Sport」グレードは、モータースポーツからコンプリートカーの開発まで手がけるスバルの完全子会社「STI」が開発した上級スポーティグレードです。

コンプリートカーのイメージが強い従来の「STI」とは異なり、スバルと共同で開発したカタログモデルなので比較的価格が安く台数の制限もありません。乗り味はガチガチのスポーツというよりも、カタログモデルらしくスポーティな楽しさと上質感が上手くバランスしてます。

後部座席の後には、伝統あるレガシィの系譜を受け継ぎ使い勝手の良い荷室が拡がります。室内にも適切なサイズが確保されているんで、大人4人で乗っても狭苦しさはありません。

ドイツ高級車に匹敵する動的質感を持ちますが、日本で作られた日本車なんで壊れにくくランニングコストは比較にならないほど安いです。サイズもコンパクトで、日本で乗り回すにはちょうど良い感じでしょう。内装はインプレッサ系と共通なんですが、価格を考えればコストパフォーマンスは高いです。

「上質なステーションワゴンに乗りたいけど、アウトバックでは大きすぎるしスポーティさももの足りない」、さりとて「ドイツ高級車では高すぎて手が出ないし、ランニングコストも心配」なんて人にピッタリな一台です。

中古車市場では

2017年式「スバル レヴォーグ 2.0 STI Sport EyeSight」で350万円前後。2016年式で300万円台前半(2018年11月現在)。

新車価格

4,050,000円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)