スバル レガシィ ツーリングワゴン(BR)【試乗評価】熟成された大人のステーションワゴン [DBA-BRM]

スバル・レガシィ・ツーリングワゴンのイメージ

今回の【試乗評価】は「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」。
2009年から2014年にかけて製造販売されていた、Mクラスのステーションワゴン(5ドア)です。この他に4ドアセダンの「B4」、ツーリングワゴン(5ドア)をベースに、クロスオーバーSUVテイストに仕上げた「アウトバック」もあります。

歴代レガシィにはそれぞれに違った思い入れがあるんですけど、中でも「初代レガシィ」のデビューは鮮烈でした。

当時(1989年)、ステーションワゴンタイプの車といえば「4ドアセダン」をベースに荷室を追加した、いわゆる「商用バン」が主流であんまり魅力的な車は無かったです。そんな時にひょっこり現れた「初代レガシィ ツーリングワゴン」は、ステーションワゴンを基本に設計されたカッコいいボディに、スバルならではの水平対向エンジン、優れた4WDシステムを組み合わせていたんでとっても魅力的な車に見えましたねえ。「他の商用バンとは違う上質なステーションワゴン」って感じです。

実際の販売も好調で、経営危機にひんしていたスバルを助けて、さらに大きく潤わせるほどの余力を見せつけました。日本市場で「ステーションワゴンブーム」を巻き起こした立役者って事でも有名です。

その後「レガシィ ツーリングワゴン」は、2代目、3代目と順調な販売を維持しながら、「ツーリングワゴンならレガシィでしょう」というくらいの絶対的な地位を築いてしまいます。

「他社のヒット商品を研究してさらに魅力的な商品を投入する」という戦略が得意なあのトヨタでさえ、レガシィツーリングワゴンの牙城は崩せなかったほどです。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」の概要

その後を受けて登場した「4代目スバル・レガシィツーリングワゴン」は、ある意味「レガシィツーリングワゴンの完成形」ともいえるモデルです。スタイリッシュなボディと取り回しの良いコンパクトなボディ(ギリギリ5ナンバーサイズを超えるけど)、熟成されたバランスの良い走りが受けて大ヒットとなりました。ちょっと無骨な感じのする3代目と比べると、初代や2代目に近い正常進化モデルです。

ところがここに来て、スバルはレガシィの大転換を図ります。ヨーロピアンテイストの上質なステーションワゴンから、アクの強いアメリカンなステーションワゴンへと変貌しちゃうんです。

それが今回紹介する「5代目」で、主要マーケットである北米市場のニーズに合わせ、一回りボディを拡大してます。大らかな乗り味を持つ、グランドツーリングって感じです。

日本市場ではいまいちだけど、北米では大ヒット

そんな努力のかいもあり、5代目レガシィは北米市場を中心にかなりの台数を売りました。当時、またまた台所事情の苦しかったスバルを、再び潤すことになるんです(レガシィは孝行息子ですねえ)。ただし、コンセプトがアメリカ市場に擦り寄りすぎてたんで、日本市場では受け入れられず、国内での売上はいまいちに終わってます。まあ、一時に比べると日本市場はどんどん小さくなってるんで、それほど悪い影響は無かったですけど(それはそれで寂しい)。

国内専用モデルとして「レヴォーグ」を投入

国内市場で人気を失った「ツーリングワゴン」は、その後、2014年のモデルチェンジで廃止。「レガシィ・B4」と、「レガシィ・アウトバック」に集約されてます。ただ、国内市場でコンパクトなツーリングワゴンを求める声は依然として多いです。スバルはそんなニーズに応えるため、国内専用モデルとして「レヴォーグ」を新たに開発。でっかくなったレガシィのせいで行き場を失っていたユーザーにも受け入れられ、ステーションワゴンとしては久々の大ヒットモデルとなりました。

「B-SPORT EyeSight G Package」の内容

「B-SPORT EyeSight G Package」は、2014年に追加された特別仕様車で、「2.5i EyeSight」をベースにお得な装備がたくさんおごられております。このようなお買い得グレードは、大体どこのメーカーであっても、モデル末期のテコ入れ策として投入してくることが多いです。要は、古くなったモデルにお得な装備を付けることで、魅力的に見せているわけです。「欲しい車があるけど、そろそろモデルチェンジしそうなんだよなあ」なんて人はこんなグレードを狙って見るのも良い手だと思います。モデル末期になると、機械的な熟成が進んでいるというメリットもありますしね。

プラットフォームなど

基本となるプラットフォーム(車台)は、先行して販売されている「エクシーガ」のボディ後半部分を活かしながら、前半だけをレガシィ専用として起こしてます。スバルの車はすべてがこの調子で、車種が少ない反面、モデルチェンジの度に新しいプラットフォーム技術が投入されるというメリットがあるんです。

そのおかげでMクラスワゴンにふさわしい大らかで上質な乗り味と運動性能、エネルギー効率の高さ、クラストップレベルの優れた安全性能を実現してます。

パワーユニットは、4代目レガシィに使われていた「2.0Lエンジン」は廃止され、ターボ、自然吸気エンジンともに「2.5L」一本になりました。ただし、その後のマイナーチェンジで、ターボエンジンは新世代ボクサーエンジンへと切り替わり、ダウンサイジングされた「2.0L直噴ターボ」となってます。というわけで、排気量としては再び「2.0L」に逆戻りです。

ライバルは

ライバルは、「ホンダ・アコードツアラー」や「マツダ・アテンザワゴン」、「トヨタ・アベンシスワゴン」などの国産Mクラスステーションワゴン。といっても、「アコードツアラー」と「アベンシスワゴン」、それから「レガシィツーリングワゴン」自身も生産が中止されたんで、今では「マツダ・アテンザワゴン」しかありません。

マイナーチェンジ情報

2012年に内外装の変更を伴うマイナーチェンジを実施。カチッとした印象の精悍な顔になりました。この他に、新世代ボクサーエンジンの採用やCVTの改良、先進安全技術「EyeSight」の強化、足回りの再セッティングや、グレードの見直しなど幅広い部分に手が入れられてます。

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外観

ボディサイズ、全長4790mmX全幅1780mmX全高1535mm。ホイールベース、2750mm。

大きくなりすぎたと不評を買ったBR型レガシィですが、全幅で1780mmと見た目ほど大きくはありません。重厚感あふれるデザインと全高の高さが実際以上に大きく見せているだけで、中型ステーションワゴンとしてはコンパクトな部類に入ります。

フロント

塊感のある分厚いフロントノーズに、ソリッドな形状の大型ヘッドライト。がっしりとしたフロントグリル。ワイドに拡がるフロントバンパーが組み合わされ、重厚感あふれるフロントフェイスを構成。マイナーチェンジによってフェイスリフトが行われ、さらに引き締まった顔つきとなりました。

「B-SPORT EyeSight G Package」には、上級グレード「S Package」と共通のフロントグリルや、ブラックベゼルHIDヘッドライトなども装備されます。

サイド

膨らみのあるサイドパネルに、やや長めのフロントオーバーハング。機能性を重視して立ち気味にレイアウトされたAピラー。広い室内と荷室を実現するためのビッグキャビン。少しばかり鈍重な印象のサイドビューですが、機能性を重視したスバルらしいデザインといえます。

高さのある大型ドアミラーは抜群の視認性を確保。レガシィのアイコンであったサッシュレスドアや、ブラックアウトされたDピラーは廃止され旧来のレガシィらしさは薄まりました。

これらのダイナミックなデザインやボディの大型化は、主要マーケットである北米を意識したためです。その結果、北米では好調な販売を記録し、旧来のレガシィファンにはレヴォーグという国内専用モデルまで用意しているのですから文句のつけようもありません。

「G Package」には、スポーティな専用17インチアルミホイール(ガンメタ)を装備。

リア

がっしりとしたリアエンドに、有機的なラインで構成されたリアコンビランプ。上質さを演出する薄型ガーニッシュ(メッキ)。スバルのフラッグシップモデルにふさわしい、力強い後ろ姿です。

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内装

ゴツゴツとした手触りの樹脂にシルバーパネル、つややかなピアノブラック調パネル。機能性を重視したシンプルな室内です。よく質感が低いといわれますが、クラスの標準的なレベルには達しています。

センターコンソール最上段には、トリップメーターや時計、外気温などを表示する小型ディスプレイ。その直下にはナビゲーションを表示する大型液晶マルチ・インフォメーション・ディスプレイ。中段にはプッシュ式のフルオートエアコン(左右独立温度調整式)が装備されますが、ダイヤルつまみが無いので手探りによる操作は難しいです。

メーターナセルには視認性の高い大型二眼メーターを装備。アップライトなドライビングポジションと見晴らしの良い視界。見切りの良いボディによって運転がしやすく、疲れにくいです。

当時のこのクラスとしては珍しい、電動式パーキングブレーキを採用。スイッチひとつで確実なパーキングブレーキが可能です。サイドブレーキが無くなったことで、センターコンソール周りの見た目もスッキリとしています。このパーキングブレーキには、坂道発進を支援する「ヒルスタートアシスト」が装備されますので坂道発進の苦手な人も安心です。

シート

フロントシートは、コシのあるクッションに柔軟な表皮を組み合わせた快適なシート。サイズが大きめで適度なサイドサポートもあるので、体が包み込まれるような印象です。国産同クラスでは最上級の座り心地といえます。僕のB4も基本的に同じ構造のシートですが、7年以上が経過した今でもヘタリはほとんどありません。

リアシートの座り心地も良く、是面の長さ、背もたれの高さともに十分。ホイールベースの拡大によって足元には広々としたスペースがあります。室内高も拡大されており、頭上に窮屈感はありません。大人二人であっても快適に過ごせます。

荷室

拡大されたボディと優れたパッケージング技術によって、荷室スペースも広大。家族4人なら荷物のかさばるキャンプも余裕です。

静粛性

静かなエンジンと適度に施された遮音材によって、室内にはクラス標準レベルの静けさがあります。

エンジンとトランスミッション

2498cc・直列4気筒DOHCエンジン、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、最高出力173ps/5600rpm、最大トルク24.0kgm/4100rpmを発揮。
車両重量1530kg。JC08モード燃費、14.4km/l。

エンジン

2.5Lのツインカムエンジンで4輪を駆動(フルタイム4WD)。マイナーチェンジによって新世代エンジンに換装され、低速トルクが向上。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジンです。出足は軽やかでスムーズ、中高速域では自然吸気エンジンらしい伸びやかなフィールで気持ち良く加速します。

エンジンとトランスミッションの特性を任意に選択できる「SIドライブ」を搭載。選択できるモードはエネルギー効率を重視した「I」、スポーティな「S」、さらにキビキビとした走りとなる「S#」の3種類。デフォルト(初期状態)では「I」に設定されていますが、普通に街中を走るだけならこのモードで十分です。穏やかなアクセル操作に合わせたセッティングで、十分なトルク発生させながらスムーズに変速します。

ただし、急激な加速を繰り返すような走りは苦手。アクセル操作に対してエンジンからのレスポンスが遅れるため、もっさりとした印象になります。こんな時は「S」以上のモードをお試しください。

トランスミッション

ベルトとプーリーの組み合わせによって無断階に変速するCVTを装備。CVTも改良され、エンジン回転が先行して高まり遅れて車速が追従する「ラバーバンドフィール」も最小限。ロックアップ領域が広く、普通に走っている分にはアクセルに対する反応の遅れもありません。

発進用トルクコンバータが組み合わされ、走り出しをスムーズにアシスト。CVTは耐久性を重視したチェーン式で、わずかに高周波の金属音を発生しています。ただし、この音は人によって聞こえ方が異なるらしく、僕の場合は音楽やラジオをつけることによって聞こえなくなります。試乗の際はこの点をわすれずにチェックしてください。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

ハンドリング

穏やかさの中にも軽快感をあわせ持つ、バランスの良いハンドリング。ステアリングに適度な重さを残しつつ、自然な動きでイメージしたラインを正確に描きます。

リアの接地性が高く、コーナリング中も安定した姿勢を維持。自然な荷重移動によってスムーズに曲がります。

初期モデルには、ステアリングセンターに不自然な曖昧さがありましたが、D型以降のマイナーチェンジモデルでは感じられません。

最小回転半径、5.5m。取り回しの良さはクラス標準レベルです。

乗り心地

装着タイヤは、215/50R17。

適度に引き締まったしなやかな乗り味。グレード名に「SPORT」とありますが、足回りの基本構造はベースグレードと同じです。といってもしなやかさやバランスの良さでは、上級スポーツグレードよりもこちらの方が優れています。

目地段差や橋脚ジョイントからの衝撃は、硬いボディとしなやかなサスストロークによってキレイに遮断。車内に鋭い衝撃を伝えません。

高速域での安定性も高く、ロングホイールベースとよく動くサス、スバル独自の低重心+左右対称レイアウトによってフラットな姿勢を維持。わだちや横風でも進路を乱されにくいです。

その他

先進安全技術は「EyeSight(ver.2)」を搭載。

【試乗評価】のまとめ

「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」は、素直はハンドリングとしなやかな乗り心地。広々とした室内と荷室を持った使い勝手の良いステーションワゴンです。

マイナーチェンジによって新世代ボクサーエンジンが搭載され、日常領域内であればスムーズで力強い走りをみせます。改良されたトランスミッションの出来もよく、CVT独特のもっさり感もありません。

北米市場のニーズに合わせて肥大化したボディと、電動パワステやCVT、足回りの熟成不足により人気を落としたBR系レガシィ。しかし、毎年地道に繰り返される年次改良と今回のマイナーチェンジによって、目につくネガはキレイに解消され熟成度を上げています。

不人気車ゆえに、程度の良い高年式の中古車が見つかれば、結構お得な価格で買うことができます。肥大化したボディも外装色を濃いめのカラーにすれば、ギュッと引き締まって見えます。「上質な大人のワゴンを探している」という人には最適な一台です。

中古車市場では

2014年式「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」で、170万円前後(2018年5月現在)。

新車価格

2,862,000円(税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)