スバル レガシィ ツーリングワゴン(BR)【試乗評価】熟成された大人のステーションワゴン [DBA-BRM]

スバル・レガシィ・ツーリングワゴンのイメージ

今回の【試乗評価】は「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」。
2009年から2014年にかけて製造販売されていた、Mクラスのステーションワゴン(5ドア)です。この他に4ドアセダンの「B4」。ツーリングワゴンをベースに、クロスオーバーSUVテイストに仕上げられた「アウトバック」があります。

4代目 スバル・レガシィ ツーリングワゴンは、スタイリッシュなボディと取り回しの良いコンパクトなサイズ、熟成されたバランスの良い走りが受けて大ヒットとなったモデル。

その後を受けて開発された5代目は、主要マーケットであるアメリカ市場のニーズに応え、大きくコンセプトを変更。一回り大きなボディに大らかな走りを持つグランドツアラーとして生まれ変わりました。

そのおかげでレガシィは北米市場を中心に大ヒットを記録。台所事情の苦しかった当時のスバルを大いに潤わすことになります。ただし、このコンセプト変更は日本市場では受け入れられず、売上も今ひとつでした。

基本となるプラットフォーム(基本合格)は、先行して登場した「エクシーガ」をベースに、ボディ前半を一新。Mクラスワゴンにふさわしい上質な乗り味と運動性能。高いエネルギー効率、優れた安全性能を実現しています。

4代目レガシィに使われていた2.0Lエンジンはラインナップから落とされ、ターボ、自然吸気エンジンともに2.5Lエンジンに一本化。その後のマイナーチェンジによって、ターボエンジンは2.0L直噴ターボにダウンサイジング。自然吸気エンジンも新世代ボクサーエンジンへと換装されています。

ボディの肥大化によって人気を失ったツーリングワゴンは、2014年のモデルチェンジで廃止され、「レガシィ・B4」と「レガシィ・アウトバック」に集約。ただし、コンパクトなステーションワゴンのニーズは依然として高いため、国内専用モデルとして「レヴォーグ」を新たに加えています。その後、レヴォーグは旧来のレガシィファンにも受け入れられ大ヒットとなりました。

「B-SPORT EyeSight G Package」は2014年に追加された特別仕様車。「2.5i EyeSight」をベースに装備を充実させたお得なグレードです。どのメーカーでもモデル末期となるとこのようなお買い得グレードが設定されます。「ほしい車がそろそろモデルチェンジを迎えそう」という人は、このようなグレードを狙って買うのがオススメです。

2012年に内外装の変更をともなうマイナーチェンジを実施。新世代ボクサーエンジンの採用やトランスミッションの改良、先進安全技術「EyeSight」の強化、足回りの改良、グレードの見直しなど幅広い部分に手が加えられています。

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「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」の外観

ボディサイズ、全長4790mmX全幅1780mmX全高1535mm。ホイールベース、2750mm。

大きくなりすぎたと不評を買ったBR型レガシィですが、全幅で1780mmと見た目ほど大きくはありません。重厚感あふれるデザインと全高の高さが実際以上に大きく見せているだけで、中型ステーションワゴンとしてはコンパクトな部類に入ります。

フロント

塊感のある分厚いフロントノーズに、ソリッドな形状の大型ヘッドライト。がっしりとしたフロントグリル。ワイドに拡がるフロントバンパーが組み合わされ、重厚感あふれるフロントフェイスを構成。マイナーチェンジによってフェイスリフトが行われ、さらに引き締まった顔つきとなりました。

「B-SPORT EyeSight G Package」には、上級グレード「S Package」と共通のフロントグリルや、ブラックベゼルHIDヘッドライトなども装備されます。

サイド

膨らみのあるサイドパネルに、やや長めのフロントオーバーハング。機能性を重視して立ち気味にレイアウトされたAピラー。広い室内と荷室を実現するためのビッグキャビン。少しばかり鈍重な印象のサイドビューですが、機能性を重視したスバルらしいデザインといえます。

高さのある大型ドアミラーは抜群の視認性を確保。レガシィのアイコンであったサッシュレスドアや、ブラックアウトされたDピラーは廃止され旧来のレガシィらしさは薄まりました。

これらのダイナミックなデザインやボディの大型化は、主要マーケットである北米を意識したためです。その結果、北米では好調な販売を記録し、旧来のレガシィファンにはレヴォーグという国内専用モデルまで用意しているのですから文句のつけようもありません。

「G Package」には、スポーティな専用17インチアルミホイール(ガンメタ)を装備。

リア

がっしりとしたリアエンドに、有機的なラインで構成されたリアコンビランプ。上質さを演出する薄型ガーニッシュ(メッキ)。スバルのフラッグシップモデルにふさわしい、力強い後ろ姿です。

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内装

ゴツゴツとした手触りの樹脂にシルバーパネル、つややかなピアノブラック調パネル。機能性を重視したシンプルな室内です。よく質感が低いといわれますが、クラスの標準的なレベルには達しています。

センターコンソール最上段には、トリップメーターや時計、外気温などを表示する小型ディスプレイ。その直下にはナビゲーションを表示する大型液晶マルチ・インフォメーション・ディスプレイ。中段にはプッシュ式のフルオートエアコン(左右独立温度調整式)が装備されますが、ダイヤルつまみが無いので手探りによる操作は難しいです。

メーターナセルには視認性の高い大型二眼メーターを装備。アップライトなドライビングポジションと見晴らしの良い視界。見切りの良いボディによって運転がしやすく、疲れにくいです。

当時のこのクラスとしては珍しい、電動式パーキングブレーキを採用。スイッチひとつで確実なパーキングブレーキが可能です。サイドブレーキが無くなったことで、センターコンソール周りの見た目もスッキリとしています。このパーキングブレーキには、坂道発進を支援する「ヒルスタートアシスト」が装備されますので坂道発進の苦手な人も安心です。

シート

フロントシートは、コシのあるクッションに柔軟な表皮を組み合わせた快適なシート。サイズが大きめで適度なサイドサポートもあるので、体が包み込まれるような印象です。国産同クラスでは最上級の座り心地といえます。僕のB4も基本的に同じ構造のシートですが、7年以上が経過した今でもヘタリはほとんどありません。

リアシートの座り心地も良く、是面の長さ、背もたれの高さともに十分。ホイールベースの拡大によって足元には広々としたスペースがあります。室内高も拡大されており、頭上に窮屈感はありません。大人二人であっても快適に過ごせます。

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荷室

拡大されたボディと優れたパッケージング技術によって、荷室スペースも広大。家族4人なら荷物のかさばるキャンプも余裕です。

静粛性

静かなエンジンと適度に施された遮音材によって、室内にはクラス標準レベルの静けさがあります。

エンジンとトランスミッション

2498cc・直列4気筒DOHCエンジン、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、最高出力173ps/5600rpm、最大トルク24.0kgm/4100rpmを発揮。
車両重量1530kg。JC08モード燃費、14.4km/l。

エンジン

2.5Lのツインカムエンジンで4輪を駆動(フルタイム4WD)。マイナーチェンジによって新世代エンジンに換装され、低速トルクが向上。低速からフラットなトルクを発生する扱いやすいエンジンです。出足は軽やかでスムーズ、中高速域では自然吸気エンジンらしい伸びやかなフィールで気持ち良く加速します。

エンジンとトランスミッションの特性を任意に選択できる「SIドライブ」を搭載。選択できるモードはエネルギー効率を重視した「I」、スポーティな「S」、さらにキビキビとした走りとなる「S#」の3種類。デフォルト(初期状態)では「I」に設定されていますが、普通に街中を走るだけならこのモードで十分です。穏やかなアクセル操作に合わせたセッティングで、十分なトルク発生させながらスムーズに変速します。

ただし、急激な加速を繰り返すような走りは苦手。アクセル操作に対してエンジンからのレスポンスが遅れるため、もっさりとした印象になります。こんな時は「S」以上のモードをお試しください。

トランスミッション

ベルトとプーリーの組み合わせによって無断階に変速するCVTを装備。CVTも改良され、エンジン回転が先行して高まり遅れて車速が追従する「ラバーバンドフィール」も最小限。ロックアップ領域が広く、普通に走っている分にはアクセルに対する反応の遅れもありません。

発進用トルクコンバータが組み合わされ、走り出しをスムーズにアシスト。CVTは耐久性を重視したチェーン式で、わずかに高周波の金属音を発生しています。ただし、この音は人によって聞こえ方が異なるらしく、僕の場合は音楽やラジオをつけることによって聞こえなくなります。試乗の際はこの点をわすれずにチェックしてください。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

ハンドリング

穏やかさの中にも軽快感をあわせ持つ、バランスの良いハンドリング。ステアリングに適度な重さを残しつつ、自然な動きでイメージしたラインを正確に描きます。

リアの接地性が高く、コーナリング中も安定した姿勢を維持。自然な荷重移動によってスムーズに曲がります。

初期モデルには、ステアリングセンターに不自然な曖昧さがありましたが、D型以降のマイナーチェンジモデルでは感じられません。

最小回転半径、5.5m。取り回しの良さはクラス標準レベルです。

乗り心地

装着タイヤは、215/50R17。

適度に引き締まったしなやかな乗り味。グレード名に「SPORT」とありますが、足回りの基本構造はベースグレードと同じです。といってもしなやかさやバランスの良さでは、上級スポーツグレードよりもこちらの方が優れています。

目地段差や橋脚ジョイントからの衝撃は、硬いボディとしなやかなサスストロークによってキレイに遮断。車内に鋭い衝撃を伝えません。

高速域での安定性も高く、ロングホイールベースとよく動くサス、スバル独自の低重心+左右対称レイアウトによってフラットな姿勢を維持。わだちや横風でも進路を乱されにくいです。

その他

先進安全技術は「EyeSight(ver.2)」を搭載。

【試乗評価】のまとめ

「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」は、素直はハンドリングとしなやかな乗り心地。広々とした室内と荷室を持った使い勝手の良いステーションワゴンです。

マイナーチェンジによって新世代ボクサーエンジンが搭載され、日常領域内であればスムーズで力強い走りをみせます。改良されたトランスミッションの出来もよく、CVT独特のもっさり感もありません。

北米市場のニーズに合わせて肥大化したボディと、電動パワステやCVT、足回りの熟成不足により人気を落としたBR系レガシィ。しかし、毎年地道に繰り返される年次改良と今回のマイナーチェンジによって、目につくネガはキレイに解消され熟成度を上げています。

不人気車ゆえに、程度の良い高年式の中古車が見つかれば、結構お得な価格で買うことができます。肥大化したボディも外装色を濃いめのカラーにすれば、ギュッと引き締まって見えます。「上質な大人のワゴンを探している」という人には最適な一台です。

中古車市場では

2014年式「スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.5i B-SPORT EyeSight G Package(BR・5代目)」で、170万円前後(2018年5月現在)。

新車価格

2,862,000円(税込み)

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akiroo

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

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現在、古い「試乗関連」の過去記事を全面書き換え中。その分、新しい記事の投稿が少なくなります(2018年4月〜)