5代目 レガシィ B4 Sスタイル【旧型レポート】安定感のある走りと高い居住性、反面レガシィらしい凝縮感は希薄 [DBA-BM9]

今回の試乗レポートは「5代目 レガシィ B4 Sスタイル」。
2009年から2014年に渡って製造販売されていた、Mクラスの4ドアセダンです。

先代の5ナンバーサイズ+αのコンパクトなボディから、アメリカ市場の要望に応えるかたちで大柄なボディが与えられています。その分居住性は向上しましたが、レガシィいらし凝縮感は若干薄まった感があります。

この世代のレガシィにおいて一番のエポックは、2010年の一部改良で追加された装備「EyeSight(ver.2)」でしょう。それまで、高価な装備であった自動ブレーキを、コストの比較的安い光学カメラで実現し、10万円という低価格でオプション設定しています。

この「Sスタイル」は、レガシィB4のベースグレードをもとに、フォグランプや本革巻きステアリング、アロイホイールなどを装備した特別仕様車です。

2012年にはマイナーチェンジが行われ、フロントフェイスを中心にシャープで力強いスタイリングが与えられています。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「試乗評価のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長4730mmX全幅1780mmX全高1505mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2750mmとなります。

先代の上品で引き締まったスタイリングから一転して、マッチョで押し出しの強いスタイリングに。

フロント

グラマラスなフロントノーズに、大きくアクの強い形状のヘッドライトを装備。アメリカ人好みの力強いフロントフェイスに仕上がっています。

サイド

前後に長いがっしりとしたボディに、ルーフの高いキャビンが組み合わされます。現代の車としてはややフロントオーバーハング(前輪からフロント先端までの長さ)が長いため、ちょっとズングリした印象です。

先代モデルから80mmほどルーフが高くなっているため、室内の居住性が大幅に向上しています。ルーフを低く、フロントオーバーハングを半分に詰めるだけでぐっとスマートなデザインになりますが、このあたりは使い勝手やパッケージングとの兼ね合いもありますので致し方ありません。

リア

なだらかなルーフラインにハイデッキ化されたヒップライン。がっしりとしたリアコンビランプのデザインが相まって、力強くスポーティなリアエンドを構成しています。

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内装

ボディが大きく拡大されたため、室内には広大な空間が拡がります。

先代のソフトパッド製のインパネは廃止され、プラスチッキーな質感に変更。といってもシンプルにまとめられているため、貧乏くさい印象はありません。メーターナセル内の表示も大きく見やすいもので、使い勝手も良好です。

セダンとしては目線が高くボディの見切りも良いため、運転がしやすいです。

シート

前席には、がっしりとした構造の大きなシートが装備されます。表皮パッドには衝撃吸収素材が施され、体圧が掛かることでモッチリと身体を包み込みます。内部のクッションにも適度な硬さとコシが与えられており、長時間ドライブでも疲れにくいシートです。

後席には、大人二人が座っても十分なスペースが確保されています。シートの質感にもしっかりとしたストロークとコシがあり、疲れにくい構造です。

荷室

幅、奥行き、高さともに十分なスペースが確保されています。家族4人であれば、2泊3日旅行も十分可能です。

静粛性

ロードノイズ、風切音、エンジン透過音ともによく抑えられており、クラス標準レベルの静粛性を確保しています。

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エンジンとミッション

2457ccの水平対抗4気筒SOHCエンジンに、リニアトロニックと呼ばれるCVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、170ps/5600rpmの最高出力と、23.4kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1440kg。10モード/10・15モード燃費は、14.0km/lとなります。

エンジン

2.5Lの自然吸気エンジンで4輪を駆動。低速からフラットなトルクを発生する使い勝手の良いエンジンです。出足から中高速域まで、パワー不足を感じることはありません。

ドライブモードには、「S#」や「S」といったスポーティなモードが用意されますが、街中を普通に走るだけなら燃費重視の「i」モードで十分です。フル乗車で坂道を駆け上がる場合は、「S#」モードが非常に役に立ちます。坂道を下る場合も強めにエンジンブレーキが掛かりますので、わざわざパドルを操作する必要がありません。

水平対向らしいボクサーサウンドこそ聞かれませんが、アメ車のような重低音がほんの僅かに車内に響きます。

トランスミッション

ベルトとブーリーで無段階に変速するCVTを装備。アクセルを踏み込んで積極的にマニュアルシフトを行うと、CVTならではの反応の悪さにイライラさせられます。ただし、「i」モードで市街地を流すだけなら、そんな違和感は全く感じられません。スムーズでダイレクト感あふれるトランスミッションです。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。

足回り

やわらかでしっとりとした乗り心地。目地段差では路面の衝撃をきれいにいなします。

ハンドリング

剛性の低い快適性重視のタイヤが装備されるため、ステアリングフィールは曖昧です。ステアリングセンターから操舵を始めても、しばらくはタイヤが反応しません。逆にあるレベルを超えると急にノーズが向きを変え始めるため、慌てて修正舵を当てる羽目になります。

特に高速走行時はこの傾向が強くなり(特に轍の深い道)、右へ左へとヒョコヒョコしながら走る事になります。この傾向は柔らかなタイヤを履く「Sスタイル」だけのモノで、その他のグレードではみられません。

タイヤの空気圧を上げてやる事でこの特性は小さくなりますが、その分、乗り心地は悪くなります。また、空気圧は左右でキレイに揃える事が重要です。

試乗評価のまとめ

アメリカ市場に合わせてボディを拡大したため、先代レガシィの持っていた凝縮感は薄まってしまいました。その分、居住性や走行安定性は大きく向上しています。

大人4人でロングドライブで出かける機会が多いとか、荷物を沢山積めるセダンを探しているという人にはピッタリな車です。

レガシィらしい運転の楽しさは若干薄まっていますので、そういったものを求める方には、新しいレヴォーグやWRXをオススメします。

中古車市場では

2009年式初期モデルの「2.5i Lパッケージ(自然吸気)」が90万円前後で、「2.5GT Sパッケージ(ターボ)」なら140万円前後。
2014年式最終モデル「2.5i Bスポーツ(自然吸気)」が170万円前後、「2.0GT DIT(直噴ターボ)」が230万円前後となります。

価格

新車当時の価格 | 2,268,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)