新型 ボルボ S60 T3 クラシック(2代目)【評価レビュー】熟成されたシャシーに、大排気量自然吸気エンジンのように滑らかなパワーフィール [DBA-FB4154T]

今回の【評価レビュー】は「新型 ボルボ S60 T3 クラシック(2代目)」。
2008年にフルモデルチェンジした、Mクラスの4ドアセダン。この他に5ドアステーションワゴンのV60があります。

基本となるプラットフォームは、やや古めかしいい1世代前の「Y20」プラットフォーム。現在、モデルチェンジを前にしてファイナルバージョンの「ポールスター(世界1500台限定)」が販売されています。

今回取り上げた「T3」は、その中でも一番ベーシックなお手頃モデルですが、D4との価格差を考えるともう少し安くして欲しいところです。

競合するライバルは、メルセデスベンツCクラスやBMW3シリーズ、アウディA4など。

※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ。

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外観

全長4635mmX全幅1865mmX全高1480mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2775mmとなります。

フロント

おだやかでオーソドックスな印象のフロントフェイス。ボルボエンブレムに特徴的なグリル、ヘッドライトが組み合わされます。一世代前のボルボに良く使われたデザイン手法です。

サイド

傾斜の強いAピラーからなめらかな弧を描くルーフが、リアエンドでスムーズにトランクリッドと一体化。クーペのように段差の無い、ファストバックスタイルを形づくっています。

現代的な車としては、フロントオーバーハング(前輪からボディ端までの長さ)が長く少々もっさり感があります。

リア

ファストバックスタイルのリアエンドにハイデッキ化されたヒップライン。L字型のがっしりとしたリアコンビランプが組み合わされた、スポーティで力強いリアビュー。

ドイツ車でも日本車でも無い、スカンジナビアならではの独特の存在感があります。

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内装

さらっとした質感の樹脂に、サテン調センターパネル。メーターナセルには近未来的デジタルメーターが装備され、一種独特の北欧テイストを感じさせます。このあたりの濃厚なセンスは、最新のボルボには感じられないものです。

シート

前席は、しなやかな表皮にストロークの深いクッションが組み合わされた、味わい深いシート。長距離ドライブでの乗り心地は格別です。

後席は、やや頭周りに窮屈感があるものの、シートの質感、足元のスペースともに問題はありません。座り心地の良い快適なシートです。

荷室

少々サスペンションの出っ張りが大きいものの、スペース自体は広大で十分なサイズ感があります。家族4人であれば、2泊3日旅行も可能です。シートバックに分割可倒機能は備わりませんが、センターアームレストにトランクスルー機構があり、ここを通すことでかなり長いものでも積み込むことができます。

静粛性

速度を上げていってもロードノイズはほとんど高まりません。エンジンノイズもよく抑えられています。

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エンジンとミッション

1497cc・直列4気筒DOHCターボエンジンに、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、152ps/5000rpmの最高出力と、25.5kgf・m/1700-4000rpmの最大トルクを発揮。

車両重量1590kg。JC08モード燃費は、16.5km/l。

エンジン

1.5Lのツインカムターボで前輪を駆動(FF)。このエンジンはボルボの中でもっとも小さいパワーユニットですが、ツインターボによって低速から高速域まで過給され必要十分のパワーを発揮します。ダウンサイジングターボというよりも、大排気量自然吸気エンジンに近い穏やかなエンジンフィールです。

高速の合流ポイントや急な坂道でも力不足を感じることはありません。

トランスミッション

トルコン式の6速ATを装備。シフトショックが少なくスムーズな変速フィール。

乗り心地とハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

乗り心地

装着タイヤは、前後ともに235/40R18。

しっとりとしたしなやかさを伴う快適な乗り味。目地段差では多少のバタつき感は出るものの、不快な印象はありません。

高速域での安定性も高く、長距離移動も楽チン。フラットライドな走りをみせます。

ハンドリング

穏やかな操舵フィール。ドライバーの意志に素直に反応して、気持ちよくノーズを動かします。

最小回転半径は5.8mと、このクラスにしては大きめ。狭い路地での切り返しには苦労します。

その他

先進安全技術は「追突回避・被害軽減ブレーキ(歩行者および自転車の検知)」「全車速追従機能付きアダプティブ・クルーズ・コントロール」「ブラインドスポット・インフォメーション(斜め後ろ死角にいる車を検知)」「リアビューカメラ」「フルアクティブ・ハイビーム(対向車へのハイビームを遮光)」などを装備。

【評価レビュー】のまとめ

登場から10年が経過して、シャシーは熟成の域に達しています。最新型ダウンサイジングターボよる余裕のある走りと相まって、プレミアムセダンにふさわしい上質な走りを形づくっていいます。

少々外観の印象は地味ですが、内装には北欧テイストあふれる独特のデザインがほどこされます。座り心地の良いシートと相まって、居心地の良さは格別。

「上質なMクラスセダンを探しているが日本車では物足りない、かといってドイツ車はちょっと気が引ける」なんて人にピッタリな一台です。

中古車市場では

2017年式「ボルボ S60 T3 クラシック」で360万円前後。2016年式「ボルボ S60 T3 SE」で200万円台後半となります(2018年1月現在)。年式の新しい極上車でも値落ちが激しい印象です。

価格

価格 | 4,540,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)