今回は「新型ボルボ V60 T3 SE」を試乗レポートいたします。
このボルボV60は、2011年に登場した2代目S60のステーションワゴン版モデルです。
外観
全長4635mmX全幅1845mmX全高1480mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2775mmとなります。
フロントフェイスには、最近のボルボファミリー共通のデザインが与えられています。ちょっと切れ味に欠けるもっさり感があります。
サイドはグラスエリアが後部に行くに従い、ぐっと絞り込まれるクーペライクで伸びやかなスタイリングです。リアエンドでは大きな「く」の字型のリアコンビランプが、力強く全体の印象をまとめています。
リアビューでは、この個性的なリアコンビランプと傾斜の強いリアウィンドウとが相まって、スポーティで未来的な独特の雰囲気を醸しています。
内装
上質でモダンなデザインの内装です。独特の北欧テイストがふんだんにちりばめられており、日本車やドイツ車を見慣れていると、随分新鮮な印象を受けます。
メーターは大きな1眼タイプで、視認性が高く使い勝手の良いデザインです。
前席のシートはサポート性が高く、クッションもしっかりと詰め込まれているので、もっちりと身体を支えてくれる快適な乗り心地です。
後席のシートはやや座面長が短い印象ですが、お尻の部分に適度なくぼみがあり、長時間座っていても疲れることはありません。
ホイールベースはV40より長くなっていますが、後席の前後長はV40と大差がありません。その分ラゲッジのスペースは広大で、2~3人分のキャンプや小旅行なら十分な容量を確保しています。
静粛性はこのクラスとしては標準的なレベルで、特筆するべきものはありません。
エンジンとミッション
1.5L直列4気筒DOHCターボエンジンに、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、152ps/5000rpmの最高出力と、25.5kgf・m/1700-4000rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、16.5km/lとなります。
この1.5Lのダウンサイジングターボはフラットで力強い低速トルクを持ち、市街地走行では必要十分な動力性能を発揮します。少々の坂道であっても、1640kgの重量級ボディを過不足なく走らせてくれます。
2.0LのT4からさらにダウンサイジング化されたT3のエンジンは、バランスシャフトが廃止され、かつショートストローク化されているので軽快な回転フィールを持ちます。そのため数値上の動力性能は下がっていますが、どの回転域からも瞬時にトルクが立ち上がりリニアな印象です。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
ハンドリングはしっとりとした重みのある上質なフィールです。反応速度は早からず遅からずといった中庸なものですが、ステアリングを切った分だけ素直に曲がる特性で違和感はありません。
17インチホイールとサスのバランスが良く、ロールの少ない落ち着いた動きの快適な足回りです。路面の継ぎ目や段差でも、衝撃を上手くいなしている印象です。
直進安定性も高く、高速域ではフラットで上質な乗り心地です。
評価のまとめ
ディーゼルエンジンとの価格差があまりないので、パワーを優先したい人はD4を選択した方がいいでしょう。若々しく軽快なフィールを好まれる人は、このT3がオススメとなります。
価格
価格 | 4,540,000円(税込み)