冬、寒い時期に車中泊をする時には、寒さに対する対策が非常に重要になります。
言うまでもありませんが、これは車中泊の「快適性」を向上させるだけではなく、乗員の命を寒さから守るためにも必要なことです。
車内で「暖」をとるのは簡単
車の「寒さ」については、基本的にエンジンを掛けて暖房を入れていれば、それほど問題になる事はありません。
ただし車中泊の場合は、周りの環境や騒音、自動車の燃費のことを考えても、エンジンを停止して一晩を過ごすしかありません。
といっても、車内は普通の住宅と比較すればかなり狭い空間です。十分な断熱対策をしていれば「人間の熱」と「暖房の予熱」だけで、簡単に暖をとることができます。
ウィンドウガラスの断熱
車の中で一番外からの冷気を伝えやすいのが、ウィンドウガラスです。そのため、この部分には窓の形より少し大きめにカットした、ウレタン製の断熱シート(銀色)をはめ込みます。この断熱シートは、100均やホームセンターなどで広く販売されています。100均のものは少し薄手ですので、できればホームセンターのものの方が理想です。
窓の形よりも少し大きめにカットすれば、軽く押し込むだけでがっちりと窓枠に固定する事ができます。リアウィンドウなど、がっちりと窓枠にはめ込めない場所には、粘着力を落とした両面テープで固定するか、吸盤を断熱シートの周りに付けて固定します。
毛布やフリース生地で車全体を包み込む
次に車全体を毛布やフリース生地などの布で包み込む事によって、さらに完全な断熱を行います。まず、シートがフラットにできればフラットにしておき、隙間に荷物やクッションなどを積めて、床面を作ります。この上に毛布を隙間なく敷き詰めれば、床からの冷気を大幅に防ぐことができます。
さらに壁に沿って天井から毛布を垂らしますが、出入り口として使いたい場所については、簡単に毛布がたくし上げられるようにしておいてください。毛布やフリースを天井付近で固定するには、ドアの上部に細いロープを挟み、そのロープを使って毛布を固定します。毛布を床面まで垂らしたら、その部分に荷物などの「重し」をおいてさらに密閉度を高めてください。
※ロープが太すぎると、ドアのパッキンを痛めることがあります。ロープはタコ糸程度の太さと丈夫さがあれば十分です。
「防寒対策」と「目隠し効果」の一挙両得
これだけの防寒対策をほどこしておけば、車内は快適な温度に保たれます。これでも寒いと感じる場合は、登山用の寝袋を併用するといいでしょう。雪山でなければ、汗をかくほどの暖を得られます。
この毛布と断熱マットによる防寒対策は、副次的な効果として、車内の完全な目隠し効果が得られます。夜間であっても、車内でライトを点灯しても光が漏れることはありません。