今回は「新型 ルノー トゥインゴ インテンス(2016年式)」を試乗レポートいたします。
ルノートゥインゴは2014年のモデルチェンジで3代目となり、日本市場では2016年より発売されています。フランスのルノーが開発製造する、コンパクトな5ドアハッチバックです。
メルセデスベンツグループのスマートフォーフォーと共同で開発されたため、リアエンジン&リアドライブによるプラットフォームも共用となります。
外観
全長3620mmX全幅1650mmX全高1545mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2490mmとなります。
道具感とおもちゃっぽさが上手く融合した楽しいスタイリングです。
フロント
コンパクトなボディながらちょっと分厚い印象のフロントマスクです。ヘッドライトの下にレイアウトされたフォグランプがかわいらしいですね。
サイド
サイドビューはボディの四隅ぎりぎりまでタイヤホイールを追い込んだ、オーバーハングの極端に短いスタイリングです。このおかげでコンパクトなボディながら、室内には大人4人が座れるだけの十分なスペースが確保されています。
加えてキャビンが小さく絞り込まれているため、イタリアのフィアット500とよく似た印象を受けます。
リア
リアコンビランプ間のガーニッシュとリアガラスが一体化したようなデザイン。これはフォルクスワーゲンのup!にも採用されているデザインモチーフですが、トゥインゴの場合は角張ったリアコンビランプが大きく外側にはみ出しているため、かわいらしくも力強い印象を受けます。
内装
シンプルで清潔な印象のインテリアデザイン。カラフルな配色と上質な樹脂、外連味の無い簡素なデザインがあいまって楽しくも大人っぽい雰囲気です。
フロントシートは、フランス車らしいソフトなタッチとしっかりとしたコシの与えられた疲れにくいシート構造です。そのため長時間運転していても疲れる事はありません。
コンパクトな成り立ちのボディですが、後席にも大人がしっかりと座れる必要最小限のスペースが確保されています。リアシートの構造にも手抜かりは無く、中距離(30km)程度の乗車なら十分にこなせます。
また、兄弟車のスマートフォーフォーよりも遮音材がたっぷりと使われており、高い静粛性を誇ります。
エンジンとミッション
897ccの直列3気筒DOHCターボエンジンに、6速DCT(デュアルクラッチ)が組み合わされます。
エンジンは、90ps/5500rpmの最高出力と、13.8kgf・m/2500rpmの最大トルクを発揮します。車両重量は1010kgで、JC08モード燃費は、21.7km/lとなります。
エンジンは出足こそもっさりとしているものの低速から十分なトルクが立ち上がるため、市街地でも力不足を感じることはありません。1010kgの軽量ボディと相まって軽快な加速フィールを味わうことができます。また合流や坂道では流れを引っ張って力強く加速します。
組み合わされる6速DCTは、デュアルクラッチならではのダイレクトはフィールを持ちながらも、不快なショックを感じさせないスムーズな変速を行います。ただし、低速走行時に2速にシフトアップすると多少ショックが大きく感じられる場面がありました。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはド・ディオン式サスペンションが装備されます。
フロントノーズの軽いリアエンジンレイアウトが取られているため、ニュートラルで軽快なハンドリングフィールを持ちます。コーナーではドライバーの意思に忠実に反応し、狙ったラインを外すことはありません。
たっぷりとしたサスストロークを生かした、しなやかでソフトな乗り心地です。ロールスピードも穏やかで懐の深い自然なコーナリングを行います。古き良きフランス車を知る人に喜ばれそうな浮遊感のあるフラットな乗り心地ですね。
後輪荷重の大きなリアエンジンレイアウトながら、パワステの味付け(セルフセンタリング)が上手く直進でふらふらとするような事もありません。
評価のまとめ
フランス車らしいおしゃれで楽しい内外装。力強い加速と軽量ボディがあいまった軽快な加速フィール。リアエンジン&リアドライブレイアウトとバランスのとれた前後重量配分による、素直で楽しいハンドリング。さらにストロークのたっぷりしたサスペンションと、もっちりしたシートによる浮遊感のあるフラットライドな乗り心地。どれをとってみてもトゥインゴらしい個性的な魅力に溢れています。
これが200万円を大きく切る価格で買えるのですから、フランス車の好きな人はもとより、今まで車なんてヴィッツで十分と思っていた人にも一度試乗して欲しい魅力的な車といえます。
価格
価格 | 1,890,000円(税込み)