高齢者にオススメの車をご紹介!【コラム】60代、70代以降の人にピッタリの高級車やコンパクトカー、軽自動車について

マツダ ロードスターのフロント

一言で「高齢者」といっても、心や身体の状態は人それぞれで同じ人はいません。70、80を超えて仕事や趣味をバリバリとこなしている人もいれば、杖をつきながら歩くのがやっとという人もいます。

カチッと厳密に決められているはずの法律でも「高齢者」の定義はまちまちで、「道路交通法では70歳以上」、「公的年金の受給者資格は65歳から」、「医療保険制度なら65歳から74歳までが前期高齢者、75歳以降が後期高齢者」といった具合です。

というわけで、「高齢者にはこの車がオススメ!」なんて簡単には言い切れません。

今回の【コラム】ではそんな人によって事情の異なる「高齢者」に向けて、その人の心と身体の状態に合わせるとどんな車がふさわしいのか、「オススメの車」をパターンごとに紹介していきます。

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まだまだ元気という人には

最近の60代を見ていると、「高齢者」というよりも「中高年」といったほうがふさわしい程ハツラツとした人が多いです(もちろん人によっては70代以上でも)。

そんな「心も身体も元気で、まだまだ衰えを感じない」とか、「反射神経や判断力、持久力も十分ある」なんて高齢者には、僕があえてオススメするような車はありません。自分の好みやライフスタイルに応じて、欲しい車を選べばそれで良いと思います。

ただし、若い頃あまり似合うことの無かった派手目の車、スポーツカーとかオープンカー、高級車やクラシックカーなんかが似合い始めるのもこの年代の特徴です。できればこういったカッコいい車を颯爽と乗りこなしてくれると、車文化も深まりますし、眺める楽しみも増えるんで個人的にはとっても嬉しいです。

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ちょっと疲れやすいという人は

マツダ・アテンザ ワゴン XD L Packageのフロント

「反射神経や空間認識(把握)能力、判断力に衰えは無いが、どうも最近は疲れを感じやすくなった」という高齢者には、乗り心地の良いセダンタイプの車がオススメです。その中でも「高級車」にジャンル分けされる車なら、疲れは圧倒的に少なくなります。

セダンは車の基本形ですから、物理的な運動性能や使い勝手の良さなど車のトータルバランスも一番です。

予算や駐車場のスペースに問題が無ければ、「トヨタ・マークX」や「カムリ」、「ホンダ・アコード」、「マツダ・アテンザ」など中型以上のセダンがオススメです。中型以上なら、どの車にもある程度のコストが掛けられています。シートの質感も高く、乗り心地も快適。室内空間や荷室も広く使い勝手の問題もありません。

さらにもうちょっと予算に余裕があるなら、「トヨタ・クラウン」とか「日産・フーガ」あたりに手を伸ばしても良いでしょう。ただし、あまり大型の車になると車両感覚がつかみにくくなるので、運転に自信の無い人は中型ぐらいまでにしておいた方が無難です。

日産フーガハイブリッド前面画像

新型 日産 フーガ HYBRID(Y51)【試乗評価】アメリカンな雰囲気たっぷりのプレミアムカー [DAA-HY51]

2016年6月27日

「中型セダンじゃちょっと高すぎる」という人には、小型セダンやコンパクト・ハッチバックあたりでも充分です。多少乗り心地は悪くなりますが、中距離(30km)程度までならそれほど気にならないでしょう。ボディがコンパクトな分、取り回しが良くなるというメリットもあります。

ただし、最近は「同じ車種でもグレードによって乗り心地が違う」なんてことも。特に価格の高いグレードにはスポーツタイプのサスペンションが取り付けられていることが多く、運動性能は高まるものの乗り心地自体は悪化します。

購入の前には、必ずディーラーの営業マンにお願いして一番乗り心地の良いグレードを教えてもらい、いくつかのグレードを自分で乗り比べて確認してください。乗り心地の良し悪しは個人の好みが大きく、「フカフカの乗り心地よりも適度に引き締まっているほうが疲れにくい」ということがあるからです。

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少し身体の衰えを感じるという人には

スバル XV 1.6i-L EyeSightのリア

「ボディの見切りが悪くなった」とか、「クルマの角をたまにぶつける」という人には、目線の高いコンパクトSUVや、見切りのいいコンパクトカーをオススメします。

「軽自動車の方が小さいんでボディの取り回しが良い」とか、「購入コストや維持費を重視するなら軽自動車」といった考えもありますが、軽自動車はボディのあらゆる部分が華奢に作られています。もしもの事を考えると、どうしてもある程度のリスクを伴うんです。もちろん、日本の法律に合致した安全基準は満たしていますが、ボディの小ささから来る物理的な限界はどうしようもありません。

このあたりはコストと安全をどの程度許容するかというその人の価値観にもよりますが、「高齢者にオススメの車」というテーマではあまりオススメできないです。

一見、コンパクトカーより軽自動車の方が安いと思われがちですが、実際はちょっと違います。例えばフィットの最廉価グレード「13G・F」とN-BOXカスタムの最廉価グレード「G・L」を比較すると、フィットが1,428,840円に対してN-BOXカスタムで1,596,240円とN-BOXカスタムの方がちょっとだけ高価になってます。これは最廉価グレード同士を単純に較べたもので装備内容など細かい点は考慮していませんが、それでも軽自動車が圧倒的に安いということは無いんです。

「高齢者にオススメの車」という視点から考えると、最近急速に普及している「先進安全技術」の装備も外せません。特に「反射神経や判断力に自信が無い」という人は、最低限、自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)だけは装備しておきましょう(2021年11月からは法律で義務化)。もしもの時にあなたと同乗者、歩行者を守る心強い味方となるからです。

最近はその他にも、車線からの逸脱を警告および車線を維持する「レーンキーピングシステム」や、間違ったアクセル操作による急な飛び出しを抑制する「誤発進抑制機能」といった先進安全技術も普及しています。予算に余裕があればこのあたりのオプションも装備しときましょう。

スズキ・ワゴン R HYBRID FZのフロント

新型 スズキ・ワゴン R HYBRID FZ(6代目)【レビュー】優れたバランス感覚が自慢、軽自動車の定番モデル [DAA-MH55S]

2018年4月9日

最後に「おまけ」として、「それでも軽自動車が良い」という人のために「オススメの軽自動車」を挙げるとすれば「軽トールワゴン」が良いと思います。「スズキ・ワゴンR」とか「ダイハツ・ムーブ」、「ホンダ・N-BOX」なんかですね。トールワゴンなら目線が高くボディの見切りも良いですし、普通の軽自動車より背が高いので室内が広く使えます。ただし、「軽スーパーハイト系ワゴン」と呼ばれるさらに背の高いタイプは、コーナーとか高速走行で不安定になりやすいのでやめといた方がいいです。

ヒヤッとする回数が多くなったという人は

「ヒヤッとする回数が多くなった」とか「クルマをしょっちゅうぶつける」、「周りの人から運転を控えるように言われる」といった高齢者の場合は、無理をせず運転免許証を返納した方が無難です。

車を運転するという行為は、高齢者の自信や生きがいになっている事も多く、簡単に返納を決断することは難しいかもしれません。

しかし、車は動く凶器とも言われるようにもしもの事があってからでは取り返しがつかないのです。元気なうちから「周りの人に運転を止められたら素直に返納しよう」とか、「車をしょっちゅうぶつけるようになったら諦めよう」と決めておくことで、スムーズに返納できるように心の準備しておきましょう。

「免許証を返納すると身分を証明しにくくなる」という人には、「運転経歴証明書(ゼロ免許)」が便利です。これは免許を返納する時に限って、希望者に発行される身分証明機能だけの免許証。住所や氏名の変更は出来ませんし、更新制度もありません。

自治体によっては、免許の返納と同時にタクシーやバスの割引券や無料券、商店街の買い物クーポンなどをもらえる事もあります。一度自分の住んでいる地域の自治体に問い合わせてみてください。

行動範囲を拡げるシニアカー

近所を歩くのも困難という人には、電動車椅子と呼ばれる「シニアカー」が便利です。厳密には車ではありませんから(道路交通法では歩行者にあたる)、免許証はいりません。速度も歩く程度しか出ませんが、脚が不自由な人にとっては行動範囲を大きく拡げる便利な乗り物です。

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)