新型レクサス GS450h version L(4代目)【試乗評価】スポーティ路線の高級ハイブリッドカー [DAA-GWL10-BEXQB(L)]

レクサス GS450h version Lのイメージ

今回の【試乗評価】は「新型 レクサス GS450h version L(4代目)」。
2012年にフルモデルチェンジした、Lクラスの4ドアセダンです。 プラットフォームの一部を共有する「レクサス・RC」という「クーペ」もありますが、実質的なボディバリエーションとしては4ドアセダンだけです。「ステーションワゴン」とか「5ドアハッチバック」といった、定番のボディバリエーションもありません。

1993年に登場した「初代 レクサス・GS」は、基本的に1991年に登場した「トヨタ・アリスト」と同じ車です。北米市場ではレクサスとして出てましたが、当時、日本国内にはレクサス系ディーラーが無かったため、その後も2代目まで「トヨタ・レクサス」のまま販売されてます。

その「トヨタ・アリスト」が日本国内で「レクサス・GS」となるのは、2005年以降、トヨタがレクサスディーラーの国内展開を始めてからです。ドイツ製高級セダンを買うような富裕層向けとして、LSに次ぐ高級モデルという位置づけになってました。

鳴り物入りで始まったレクサスの国内展開ですが、当初はドイツ高級ブランドの牙城を崩すことができず、結構苦戦しています。その後、2007年から2008年に掛けて起きた金融恐慌(リーマンショック)なんかの影響もあって、さらに販売は落ち込んじゃいました。

じっくりと読む時間の無い人は、文末の「【試乗評価】のまとめ」をどうぞ↓
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「新型 レクサス GS450h version L(4代目)」の概要

今回の「レクサス・GS」は、日本国内モデルとしては2代目。「トヨタ・アリスト」から数えれば4代目ということになります。

日本国内では、トヨタの最上級セダン「クラウン」とレクサスのフラッグシップモデル「LS」の間に挟まれてちょっと印象が薄い感じです。

対する北米市場では、同じクラスに「トヨタ・カムリ」がありますが、あちらは大衆向けのFF車。「GS」はプレミアムセダンですから、しっかりと差別化ができてます。要するに客層が違うんで、お互いで潰し合うようなことにはならないんです。

全長とホイールベースは先代のまま

全長(4850mm)とホイールベース(2850mm)は先代のまま。フロントマスクには新世代レクサスを象徴する「スピンドルグリル」が初めて採用されてました。

6年ぶりのモデルチェンジということもあって、大きくイメージを一新。3代目までの優しく上品な雰囲気から一転して、アグレッシブで力強いデザイとなってます。

ハイブリッドバージョン「450h」も新型に

モデルチェンジから少しだけ遅れて、ハイブリッドバージョンの「450h」も新しくなってます。パワートレインは従来のものを熟成させて継承。ハイブリッドシステムも先代と基本的には同じですが、ユニットの軽量化とエンジン(直噴+アトキンソンサイクル)の改良によって18.2km/h(JC08モード)という好燃費を叩き出してます。

上級グレード「version L」

「version L」は快適装備を充実させた上級グレードです。セミアニリン本革シートや、専用18インチアルミホイールなどが贅沢に装備されてます。

プラットフォームなど

プラットフォームには、新世代アーキテクチャーを採用。足まわりも新しくなりました。

これに3.5リッターV6エンジンと電気モーターが組み合わされ、4.5リッターガソリンエンジン並みの動力性能と、コンパクトカー並の好燃費を両立してます。

ライバルは

ライバルはドイツの高級セダン「メルセデスベンツ・Eクラス」や「BMW・5シリーズ」、「アウディ・A6」など。日本車なら「日産・フーガ ハイブリッド」ってとこでしょう。

マイナーチェンジ情報

2015年にマイナーチェンジ。外装デザインは今までより「スピンドルグリル」を強調したデザインになってます。それにともなって内装も「本アルミパネル」なんかを使って上質に。その他には、ボディ剛性の強化や足まわりの改良。先進安全技術も強化され、「Lexus Safety System+」が全車標準装備になりました。

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外観

ボディサイズ、全長4880mmX全幅1840mmX全高1455mm。ホイールベース、2850mm。

フロント

レクサス GS450h version Lのフロント

マイナーチェンジによってフロント周りを一新。前期型の控えめなスピンドルグリルから、「大型スピンドルグリル」と「V字型ターンシグナル」を備える最新のレクサスフェイスに刷新されています。

サイド

ロングノーズ&ビッグキャビン、スモールデッキの美しいサイドビュー。ふっくらとしたサイドパネルが、レクサスの上質感を表現しています。

リア

レクサス GS450h version Lのリア

マイナーチェンジによって、メカニカルなリフレクター形状となったリアコンビランプ。強く傾斜したリアウィンドウに、ハイデッキ化されたリアエンド。まるでクーペのような疾走感を表現した後ろ姿です。

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内装

しっとりとした樹脂にバンブー(竹)素材、セミアニリン本革シートを組み合わせた高級感あふれる室内。竹と本革とのコンビネーションが新鮮で、独特の爽やかさを生んでいます。

メーターナセルには、大きな自発光式二眼メーター。その中央には「4.2インチTFTマルチインフォメーション・ディスプレイ」。メーターバイザー上部には、「カラーヘッドアップ・ディスプレイ」が装備され、速度や進路など重要な情報を表示します。見た目のかっこよさだけでなく、視線移動も少なくなるので結構便利です。

センタークラスター最上段には、ナビゲーションなどを表示する「12.3インチワイドディスプレイ」。その直下には小さな「LEDアナログクロック」が装備され、GSの室内を上質に演出しています。エアコンは、「3席独立温度・吹出口自動調整オートエアコン」。乗員の体調や好みによって、室温を細かく調整できるので助かります。

シート

フロントシートは、上質なセミアニリン本革表皮にストロークのたっぷりとしたクッションを組み合わせた快適なシート。サイドサポートも適切で、腰の高い位置からお尻、太ももの裏にかけて均一な圧力で身体を支えます。

リアシートは、クッションに適度なコシと柔軟性があり、頭上および足元空間の余裕も十分。前席に劣らない快適なシートです。先代よりもパッケージングが改良され、僅かに居住性が向上しています。

荷室

駆動用バッテリーの搭載によって若干容量を制限されるものの、荷室の広さは十分。家族4人であれば、2泊3日旅行くらいは余裕です。

さらに床下には「デッキアンダーボックス」が装備され、細々した小物を整理して収納できます。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材が施され、静かなハイブリッドシステムとあいまって、アッパーミドル高級サルーンにふさわしい静粛性を実現しています。

パワーユニットとミッション

3456cc・V型6気筒DOHCエンジン+電気モーターに、CVT(電気式無段変速機)が組み合わされます。
エンジン:最高出力295ps/6000rpm、最大トルク36.3kgf・m/4500rpm。
電気モーター:最高出力200ps、最大トルク28kgf・m。
車両重量1860kg。JC08モード燃費、18.2km/l。

パワーユニット

3.5リッターV6エンジン+電気モーターによるハイブリッドシステムで後輪を駆動(FR)。

システム総合出力は348馬力にも及び、4.5リッターエンジン以上の動力性能を発揮。出足は電気モーターのみを使ってスムーズで力強く、そこからさらにアクセルを踏み込めば、僅かなエンジンサウンドを伴ってV6エンジンが始動。滑らかで豪快な加速を披露します。

エンジンの吹け上がりも素晴らしく、回転の上昇とともに徐々に力強さを増すセッティング。パワーの頭打ち感はありません。

負荷の少ない高速域ではモーターのみの巡航も可能。アクセルを踏み込むことで再びエンジンが目を覚まし、どの速度域からでも鋭い加速感を得られます。

トランスミッション

ハイブリッドシステム全体でCVTの働きを担う、電気式無段変速機を装備。スムーズで切れ目の無い変速フィールを生み出します。機械式CVTのような違和感はありません。

乗り心地とハンドリング

前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。前後ともにスタビライザーで強化。

乗り心地

装着タイヤは、235/45R18。

適度な重厚感をともなったしなやかな乗り味。目地段差や橋脚ジョイントでは、路面の段差を柔軟に吸収して何事も無かったかのように走り抜けます。鋭い衝撃を車内に伝えることはありません。

高速域での安定性も高く、4つのタイヤが巧みに上下してボディをフラットに維持。横風やわだちにも進路を乱されにくいです。

ハンドリング

FR車らしい穏やかで自然なステアリングフィール。ドライバーの操舵に素直に反応して、意図したラインを正確に描きます。

足回りが柔軟性が高いため、コーナーではある程度のロールを許しますが、動きが自然で予測しやすいため不安な印象はありません。

最小回転半径、5.3m。でかいボディの割に結構小回りが効きます。

先進安全技術

先進安全技術は、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った「Lexus Safety System +」を搭載。

予防安全技術として、車両や歩行者との衝突を予測して回避、もしくは被害軽減を行う「プリクラッシュ・セーフティ・システム(歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプ)」や「レーン・キーピング・アシスト(LKA)」、「アダプティブ・ハイビーム・システム(AHS)」といった機能を。

運転支援技術として、先行車との車間を適切に維持しながら設定した速度で追従する「レーダー・クルーズ・コントロール」を装備しています。

【試乗評価】のまとめ

「新型 レクサス GS450h version L(4代目)」は、レクサスが誇る高級アッパーミドルサルーン。「レクサス・LS」の次に位置する上級モデルです。

3.5リッターV6エンジンに電気モーターが組み合わされ、4.5リッター自然吸気エンジン並の動力性能を発揮。力強さとスムーズなフィールを両立しており、GSに高級な佇まいを与えます。

乗り味も上質でしなやか、快適性を重視したセッティング。ハンドリングはFRらしい素直な印象で、高級ラグジュアリーセダンにしては走りが楽しいです。

モデルチェンジに伴ってボディも一回り拡大。パッケージングの改善と相まって、室内には適度な余裕があります。

「高級車でもそれなりにスポーティな走りを楽しみたい」とか、「高級セダンに乗りたいが、メルセデスベンツやBMWではご近所の目が気になって乗りにくい」といった人には最適な車となります。

中古車市場では

2017年式「レクサス GS450h version L(4代目)」で500万円台後半。2014年式で300万円台後半(2018年6月現在)。

新車価格

8,435,000円(消費税込み)

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ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)