今回の旧型レポートは「2代目 マツダ デミオ スターダストピンク 1.5(2004年)」です。
このデミオは、2002年にモデルチェンジが行われたコンパクトな5ドアハッチバックです。
プラットフォームには、当時資本関係のあったフォードのコンパクトハッチバック「フィエスタ」と同じものが使われ、欧州では「マツダ2」の名前で販売されていました。
外観
全長3925mmX全幅1680mmX全高1530mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2490mmとなります。
同クラスのライバルと比較すると、全長が長く、背の高い大きなボディが与えられています。コンパクトカーとファンカーゴなどトールワゴンの、ちょうど中間のにあたるプロポーションです。
フロント
丸くやさしい印象のフロントノーズに、切れ長のヘッドライトが装備されます。特徴的なマツダ流グリルと相まって、ひと目でデミオと分かる個性的なフロントフェイスです。
サイド
ロングホイールベースに大きなキャビンが組み合わされ、コンパクトカーながらどっしりとした重厚感が感じられます。コンパクトカーでもなく、ワゴンでもない不思議なプロポーションです。
リア
大きなリアエンドに横長の角型リアコンビランプが装備されます。ゆるやかな曲線と相まって、やさしくどっしりとしたリアビューを形作っています。
内装
全長3925mmと、このクラスのコンパクトカーの中では最大級のボディサイズを持ちます。人気となった先代のコンセプトを引き継ぎ、たっぷりとした室内スペースが確保されています。
室内は、マツダ流の簡素でデザインが与えられます。楽しさや華やかさはありませんが、使い勝手や視認性は良好です。
シート
フロントシートにはふわりとした当たりの柔らかい快適なシートが装備されます。シートには適度なコシがあるため、長距離ドライブでも疲れにくいです。
リアシートの居住性は、同クラスのヴィッツやマーチと比べて広々とした余裕が感じられます。ただし、クッションが柔らかすぎてコシが足らないため、長時間座っていると腰が痛くなります。
荷室
大きなボディを生かしてたっぷりとした荷室が装備されます。また、シートバックを倒せば、ステーションワゴンのように沢山の荷物をつむことができます。
静粛性
遮音性が低く、ロードノイズ、風切音ともに大きめです。エンジンノイズもガーガーと煩いです。
エンジンとミッション
1498ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、113ps/6000rpmの最高出力と、14.3kgf・m/4000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1100kgで、10モード/10・15モード燃費は、16.8km/lとなります。
エンジン
1.5Lエンジンで前輪を駆動します。中低速域のトルクが厚いため、1.1tのボディをグイグイと加速させます。バイブレーションやノイズは大きめですが、実用上の不満はありません。
この当時のマツダはフォード傘下であったため、思うようにエンジンにコストが掛けられず、燃費や静粛性において一歩遅れをとっていました。
トランスミッション
中低速トルクの厚いエンジンを生かして、あまり回転を上げずに変速していきます。ただし、それほど静かなエンジンではないため、静粛性への貢献度は低いです。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
しなやかさのあるスポーティな乗り心地です。高速走行時は足回りが衝撃を吸収しきれず、若干突き上げ感がありますが、直進安定性は高いです。
ハンドリング
パワフルなエンジンに、キビキビとした楽しいハンドリングが与えられ、俊敏な走りを楽しむことができます。
評価のまとめ
ヴィッツやマーチと比べると比較的大きなボディが与えられ、広々とした室内を好むユーザーに一定の支持を得て、当時のマツダとしてはそこそこの人気車となっていました。
ただし、この当時のマツダはフォード傘下であったため、思うようにコストが掛けられず、フォード流の安い車づくりを強いられていた部分も否めません。
特にスムーズさを欠く燃費効率の悪いエンジン、軽量化することができず重くなったボディなどにその影響がみられます。
反面、足回りには欧州市場を意識した、しっかりとした走り味が確保され、スポーティでキビキビとした走りを楽しむことがでいます。
価格
新車当時の価格 | 1,449,000円(税込み)