トヨタ ヴォクシー(2代目)は、2007年に登場して以来2014年までの7年間に渡って販売されていた、トヨタ自動車が製造販売するMクラス・ミニバンです。
今回はこの「トヨタ ヴォクシー(2代目)」について、「中古車で買う時に注意した方が良いポイント」について詳しく解説したいと思います。
「新型 トヨタ ヴォクシー(3代目)」の試乗レポートについては、「【試乗レポート】新型 トヨタ ヴォクシー ZS」のページをご覧ください。
目次
- 「トヨタ ヴォクシー(2代目)」の概要
- 「トヨタ ヴォクシー(2代目)」をあえて中古で買うメリット
- 直線基調で落ち着いたスタイリング
- シンプルな内装デザイン
- 背が高く全長が短い&5人乗り仕様がある
- 気になるポイントをチェック(デメリット)
- クオリティの低い内外装デザイン
- エネルギー効率が落ちるパワーユニット
- 新型(3代目)より狭い室内スペース
- 年式による違い(マイナーチェンジ情報)
- 2008年に特別仕様車「Z 煌」を発売
- 2009年に「ZS 煌」を発売
- 2010年マイナーチェンジ
- 2010年にスポーツ仕様の「G`s」が登場
- 2011年スポーツ仕様の「G`s」を一部改良
- 2012年に特別仕様車の「ZS 煌3」を発売
- 2013年に特別仕様車の「ZS 煌Z」を発売
- まとめ
「トヨタ ヴォクシー(2代目)」の概要
5ナンバーサイズのミニバンとして、使い勝手の良さとコストパフォーマンスの高さが受けて大ヒットとなった「初代ヴォクシー」のコンセプトをそのまま受け継いでいます。ベースモデルではボディサイズも初代と同じ「5ナンバーサイズ」を維持しており、日本の市街地では抜群の使い勝手の良さを誇ります。
ボディスタイルは直線基調をベースとした端正なルックスで、多くの日本人の好みにぴったりとマッチしています。加えて、パネル外板やディティールにはふっくらした表情が与えられ、2代目としてのフレッシュ感や新奇性も十分に感じられます。
「トヨタ ヴォクシー(2代目)」をあえて中古で買うメリット
2014年に登場した新型トヨタヴォクシー(3代目)は、直線基調の箱型デザインを継承しながらもアグレッシブで躍動感あふれるデザインが採用されています。また、自動車の構造も全面的に見直され、ハイブリッドシステムの搭載やガソリンエンジンの効率見直しなど様々な改良がおこなわれています。
ただその分、2代目にあった良さが失われている部分もあり、人によってはあえて中古車で2代目を買った方が「値段も安いし好みにもマッチする」という場合があります。
そこでここではまず、2代目ヴォクシーをあえて中古で買う「メリット」を簡単に予習しておきましょう。
直線基調で落ち着いたスタイリング
2014年に登場した新型トヨタヴォクシー(3代目)は、それまでの箱型デザインと直線基調のスタイリングを維持しながらも、最近流行の「ちょいワルで厳ついデザインテイスト」が取り入れられています。
そのため、「ファミリカーとしてはもうちょっとおとなしいスタイリングの方が好みだな」という人には、旧型ヴォクシー(2代目)のほうがオススメです。
シンプルな内装デザイン
新型トヨタヴォクシー(3代目)の内装デザインは、モダンかつシンプルでちょっと高級な雰囲気もあるかっこいい内装です。これに比べて旧型ヴォクシー(2代目)のデザインは上質感では少し劣りますが、トヨタらしいシンプルで安心感のあるデザインとなっています。古き良きトヨタ車のおおらかなインテリアが好きという人には2代目をオススメします。
背が高く全長が短い&5人乗り仕様がある
新型トヨタヴォクシー(3代目)は、全幅こそ2代目と同じですが、全長で100mm長く、全高は25mm低くなっています。同時にホイールベースに関しても25mm延長されています。
つまり取り回し性能はあまり変えず、居住性能だけを向上させてあるといえます。また、車内スペースが拡大されたこともあって5人乗り仕様は廃止され、全車7人乗りか8人乗り仕様だけとなります。
ただ、普段は7人も人は乗らいないけど、荷室には多くの荷物を積むという使い方をしている人には、サードシートとそれに伴う居住スペース拡大にはなんのメリットもありません。
かえって余分な重量増加とサードシート格納分のスペースが無駄となりますので、そういう人にも2代目の方が良いでしょう。
気になるポイントをチェック(デメリット)
旧型モデルには新型で改善されているポイントが、そのままウィークポイント(デメリット)として残されている場合があります。ウィークポイントは人によっては気にならない事もありますが、後で後悔しないようにしっかりココでチェックしておきましょう。
クオリティの低い内外装デザイン
スタイリングの好みは別にして、やはり新型(3代目)における内外装の質感は、2代目から大幅に向上しています。特に新型(3代目)のスタイリングは押し出し感の強い毒気のあるデザインで、今流行のトレンドを確実に押さえています。
エネルギー効率が落ちるパワーユニット
新型に搭載される直列4気筒DOHCエンジンは、152ps/6100rmpの最高出力と、19.7kgm/3800rpmの最大トルクを発揮し、2代目から比べると「9psの出力拡大」と、最高トルク発生回転における「100rpmほどの低回転化」みられます。加えて燃費は基準の厳しいJC08モードで新型(3代目)14.6km/lに対して、旧型(2代目)は10・15モードで13.4km/lと「1.2km/l」ほど向上しています。そのため、力強さ燃費効率でみるなら旧型(2代目)を選ぶ理由はありません。
ただ、旧型(2代目)の5人乗り仕様が1530kgなのに対して、新型(3代目)は1560kgと30kgほど重くなりますので、日常域でのパワフル感にそれほど違いがあるわけではありません。
新型(3代目)より狭い室内スペース
新型(3代目)は、旧型(2代目)よりも全長で100mm長く、ホイールベースも25mmほど拡大されています。逆に全高は25mm低くなりますが、その分、床が低くなっていますので実質的な室内高に違いはありません。
つまり、幅と高さはそのままに室内長だけが拡大されたことになりますので、同じ7人乗りや8人乗り仕様を選ぶなら、新型(3代目)の方がよりゆったりとした広いスペースを確保しているという事になります。
ただし、メリットの項目でも述べた通り、5人乗り仕様は「旧型(2代目)」にしかありませんので、5人乗りで十分という人には「旧型(2代目)」の方が広々と使えることになります。
年式による違い(マイナーチェンジ情報)
新車を購入する場合はメーカーと車種を選ぶだけですが、中古車の場合は、これに「年式を選ぶ」という一手間が加わります。年式が違えば、装備や細かい改修箇所が変更される場合もあり、全く違った印象の車となる事もありますので、購入前にしっかりと予備知識を仕入れておく必要があります。
2007年に登場したこの「トヨタ ヴォクシー(2代目)」の場合は、2010にマイナーチェンジが行われています。
2008年に特別仕様車「Z 煌」を発売
外装にはメッキパーツが多様され、スライドドアには左右ともに電動式が採用されています。
2009年に「ZS 煌」を発売
「Z 煌」の装備に加えて、9スピーカーシステム&ステアリングオーディオスイッチなどが装備されています。
2010年マイナーチェンジ
フロント周りとリアコンビランプ、アルミホイールなどのデザイン変更が行われています。
高効率化された「バルブマチック付きエンジン」に加えて、「7速シーケンシャルシフト」が全車標準装備となりました。
7人乗り仕様は、回転式キャプテンシートが装備され、8人乗り仕様には、6:4で分割できるチップアップ式シートが装備されます。
2010年にスポーツ仕様の「G`s」が登場
走行性能と乗り心地の上質感を向上させたスポーツ仕様の「G`s」が発売されています。加えて、内外装には「G`s」専用カスタムパーツでスポーティな演出が施されています。
2011年スポーツ仕様の「G`s」を一部改良
運転席と助手席にスポーツシートを採用し、全シートの表皮素材をスポーティな黒に変更しています。
2012年に特別仕様車の「ZS 煌3」を発売
専用メッキパーツに加えて、スーパーUVカットガラスと新デザインのヘッドライトガーニッシュ、合皮と織物のコンビシート、本皮巻き3スポークステアリングなどが装備されています。
2013年に特別仕様車の「ZS 煌Z」を発売
前年に発売された「ZS 煌3」のアップグレードバージョン。9スピーカーシステムが廃止され、ヘッドライトガーニッシュにはゴールで加飾が施されています。
まとめ
新型(3代目)ではボディが少し大きくなり、室内スペースが拡大されています。ただ、それに伴って「5人乗り仕様」が廃止されたため、実質的に「5人までしか乗らない」という人には、軽くて小さなボディの旧型(2代目)5人乗り仕様の方がオススメです。
また、「新型(3代目)のデザインは厳つすぎて苦手」というひとにも、シンプルで大人しい外観を持った「旧型(2代目)」の方が好みに合うと思います。
最終型の「ZS 煌Z」は発売から3年余りが過ぎ、そろそろ値段が下がって安定する時期です(2017年1月現在)。最終型は機械の熟成も進んでいるため、今買うなら一番のオススメとなります。
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