新型 ジープ グランドチェロキー(WK2)2016年式【試乗評価】ジープとベンツの短くも幸せな結婚生活 [ABA-WK57A]

今回は「新型 ジープ グランドチェロキー サミット(WK2)2016年式」を試乗レポートいたします。
グランドチェロキーは2010年のモデルチェンジで4代目となり、日本市場では翌年の2011年から発売されています。ジープブランドのフラッグシップモデルです。

当時提携関係にあったメルセデスベンツの技術が採用されており、同時期に開発されたメルセデスベンツMクラス(GLE)とは30%以上のパーツを共用しています。

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外観

全長4880mmX全幅1945mmX全高1805mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2915mmとなります。

マイナーチェンジでさらにスマートな男臭さが増しており、重厚感のあるタフなイメージを演出するなら最高の相棒となります。

フロント

マイナーチェンジでヘッドライトとグリルが薄くなり、前期モデルよりぐっと精悍さが増しています。ヘッドランプユニット内には、全てのグレードにバイキセノンランプとLEDクリアランスランプが装備されます。

サイド

サイドビューのマイナーチェンジによる大きな変更点はありません。Aピラー(前から1番目の柱)とDピラー(前から4番目の柱)の傾斜が強い現代的SUVのシルエットを持ちます。

リア

リアエンドはマイナーチェンジでリアコンビランプの形状が変更され、ユニット内にはLEDが内蔵されています。また、2本出しの極太マフラーと新形状のルーフスポイラーが装備され、重厚感と上質感が向上しています。

リア周りには他のライバルSUVには感じられない、都会的で男らしいスマートな逞しさが感じられます。

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内装

内装は同クラスのライバルと比べても遜色のない高い質感を備えています。メーター周りには有機的なデザインのメッキモールドが施されており、未来的でありながらちょっとほっこりとした懐かしさを感じてしまいます。

欧州車には無い大らかな曲線の使い方や、大味なメタリック素材のレイアウトはアメ車ならではの世界観です。

センターコンソールには、マイナーチェンジでエアコンを操作するための8.4インチ液晶パネルが装備されています。

また、ホイールベースが延長されたおかげで前後席ともに前後長が拡大され、室内にはたっぷりとした余裕があります。

フロントシートにはたっぷりとした厚みとサイズが与えられ、シートクッションには適度な硬さがある疲れにくい構造です。

リアシートはワンタッチで折りたたむことができる便利なシートです。平板なデザインのためサイドサポートは期待できませんが、フロントシート同様、座り心地に問題はありません。

荷室には広大な広さがあり、4人家族で大きな荷物を持ってキャンプに行く事も可能です。

車内の静粛性は高く、不快なロードノイズや風きり音も最小限に抑えられています。このあたりにはメルセデスベンツの技術が存分に使われているのでしょう。

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エンジンとミッション

5654ccのV型8気筒OHVエンジンに、8速ATが組み合わされます。
エンジンは、352ps/5200rpmの最高出力と、53.0kgf・m/4200rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は2380kgで、JC08モード燃費は、6.4km/lとなります。

2tを超える超重量級ボディながら圧倒的なトルクを誇るV8エンジンのおかげで、日常域から高速域まで余裕たっぷりの動力性能を持ちます。坂道や合流では他車の流れをリードして走ることも可能です。エンジン音は古き良きアメリカ車のような「ドロドロ」とした重厚感のあるものではなく、いたってスムーズで上品なフィールです。

大排気量の自然吸気エンジンならではのリニアで付きの良いトルクを持つため、発進でのアクセル操作がとてもやりやすいです。最近流行のダウンサイジングターボの様に、一瞬トルクの立ち上がりが遅れたり、逆に「ガバッと」急激にトルクが立ち上がったりといった事はありません。

マイナーチェンジによりZF製8速オートマチックトランスミッションが搭載されています。スムーズな変速制御で嫌な段付き感はほとんどありません。燃費も5%ほど向上しており、JC08モード燃費は6.4km/lとなります。現代の車としては少々物足りなさのある燃費ですが、「エコモード」にすることでもう少し燃費を向上させることができます。

足回りとハンドリング

前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

ハンドリングは重すぎず軽すぎず中庸で嫌みのないフィールです。コーナリングでは緩やかなロールを発生させつつ自然に旋回していくセッティングです。

どっしりした上質な乗り味で、オンロードでは普通の乗用車の様に走ることができます。直進安定性も素晴らしくビシッと狙ったラインを矢のように突き進みます。

V8モデルにはエアサスペンションが装備されており、高速走行時は車高を下げ安定性を高める事ができます。逆にラフロードではサスストロークをたっぷりと取ることで、高い走破性を発揮します。

大きなSUV用タイヤを装備しているため、低速ではドタドタと路面の段差を拾いがちですが、徐々に速度を上げて行くことでフラットライドで上質な乗り心地に変化します。段差の衝撃も「タンタン」といった上質で角の丸い性質に変わります。

評価のまとめ

メルセデスベンツが得意とするオンロード性能と、ジープならではのオフロード性能が見事に結実した傑作車です。アメ車ならではのゆったりとしたカジュアルな雰囲気を残しつつ、欧州車のような上質感も兼ね備えています。

ちょっと価格が高すぎるなあとお悩みの方には、廉価なV6モデルをオススメします。パワーは下がりますが、それでも日常域でゆったりと走るだけなら十分な動力性能です。なにより価格はベースグレードなら494.64万円からと、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。

価格

価格 | 7,365,000円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)