新型 ダイハツ ハイゼット キャディー【試乗評価】快適性に優れた商用バンという新しいジャンル [HBD-LA700V]

今回は「新型 ダイハツ ハイゼット キャディー X SA II」を試乗レポートいたします。
このハイゼット キャディは、2016年に登場した全く新しいブランニューモデルです。

先行して発売されている「新型 ダイハツ ウェイク」をベースに開発された商用バンボディの軽自動車です。

ダイハツには、以前からハイゼットカーゴという軽自動車の商用バンがありましたが、今後はこのハイゼットキャディと並んで併売が続けられます。

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外観

全長3395mmX全幅1475mmX全高1850mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2455mmとなります。

ウェイクをベースに開発された商用バンですので、外観もほぼウェイクそのままです。

フロントは、背の高いスーパーハイト系ワゴンらしい、車幅に対して全高が異様に高いプロポーションですが、商用車としてみるとそれほど不自然な感じはありません。むしろ商用車にぴったりのプロポーションと言えます。ヘッドライトの間のゴツゴツしたグリルが省略され、簡素で事務的なデザインに改められています。同時にヘッドライト内のブラックベゼルもシンプルなシルバーに変更されています。バンパーもフォグランプが省略されており、ウェイクならではの「ラギッド感(無骨で男らしい)」は薄まりました。

サイドは、N-BOXの全高をさらに高くして、極端にしたようなプロポーションです。軽自動車の枠内でノーズをある程度設け背を高くすると、同じようなプロポーションになるのは仕方ありません。しかし、ハイゼットキャディやウェイクでは、ウィンドウの切り方やディティールに、カクカクとした道具感あふれる特徴があり、個性的なデザインに仕上がっています。

リアから見ても、背の高さが際立つプロポーションですが、リアコンビランプや、リアバンパーには事務的でシンプルなデザインが採用され、いたって普通の商用バンといった風情です。

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内装

内装も基本的にはウェイクと共通するデザインです。しかし、商用車として必要のない装備や、装飾パーツは省略されています。ステアリングも商用車共通の簡素なデザインのウレタンステアリングが装備され、ウェイクのような質感はありません。ただし、ハイゼットカーゴと比べれば上質な内装デザインです。

座席はウェイクの後席が取り外され、前席の2座のみとなります。
座席の構造自体もコシと硬さの足りない低コスト化されたシートが装備されています。しかし商用で使う場合は、短距離での使用が中心になるでしょうから、大きな問題はありません。

後席のあったフロアには、プラスチックボードがフラットに敷き詰められており、荷物をガンガン積むのに適した構造です。表面が水拭きのできるプラスチック素材ですので、毎日のメンテナンスも簡単です。

前席のすぐ後ろの床下には、サブトランクとスペアタイヤが装備され、ラゲッジルーム後方の床下にも大きなアンダートランクが装備されています。

元々、収納スペースの多かったウェイクを商用化することで、さらに使い勝手が向上しています。

ただし、はじめから商用バンとして開発されているハイゼットカーゴと比べると、最大積載重量ではカーゴが350kgに対してキャディは150kg、荷室の前後長ではカーゴが1950mmに対してキャディは1310mmと大きな差があります。

しかし、キャディは乗用車のウェイクがベースになっているため、快適な乗り心地や、車内での作業のしやすさ、荷物の積み下ろしのしやすさといった使い勝手で大きなアドバンテージがあります。

車内の静粛性は、純粋な商用車のハイゼットカーゴと比べると、随分と静かになっています。

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エンジンとミッション

658cc直列3気筒 DOHCエンジンに、CVTが組み合わされます。
エンジンは、64ps/6400rpmの最高出力と、9.4kgf・m/3200rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、22.4km/lとなります。車両重量は970kgです。

ウェイクより装備が簡略化されているためボディは少し軽いですが、非力な自然吸気エンジンでこの背の高く重いボディをキビキビと走らすことは難しいです。せめてマニュアルミッションが欲しいところです。

街中でゆるゆると走るには問題のない動力性能ですが、坂道や合流ではちょっとイライラさせられます。

足回りとハンドリング

前輪にストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。

背の高いボディスタイルのため横風の影響を受けやすいですが、街中での低速走行がメインとなるこの車ならそう心配は要りません、

この背の高すぎる腰高なボディをしっかりと支えるため、足回りはかなり固めてあります。そのせいで路面の段差をガタガタと拾うため、長距離走行では疲れていしまいます。
しかし、この足回りのおかげで、スーパーハイト系ワゴンにしてはロールは少なめで、切った分だけ曲がる素直な特性です。

その他

商用車で初めて、スマートアシスト(衝突回避支援ブレーキ)が装備されています。
また、全グレードで、免税、減税が受けられます。

評価のまとめ

エンジン性能やハンドリングに気になる点が幾つかありましたが、商用車として使う分(街中での低速走行など)にはどれも問題にならない特性です。

同じダイハツから発売されている商用バンの「ハイゼットカーゴ」と比べると、積載性が小さく大きな差があります。しかし、ウェイクベースの「ハイゼットキャディ」には、乗用車ベースならではの、使い勝手の良さや快適性などのアドバンテージがあります。

自分の使用シーンに合わせて、大きな荷物をガンガン運ぶ必要があるという人には、積載性に優れたハイゼットカーゴを、小さな荷物を積んで街中をこまめに回りたい人には、快適性に優れたハイゼットキャディをオススメします。

価格

価格 | 1,420,200円(税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)