今回は「新型 ダイハツ ミラ ココア X」を試乗レポートいたします。
ミラ ココアは、2009年に登場した軽自動車規格の5ドアハッチバックです。
2012年と2014年にマイナーチェンジが行われています。
基本プラットフォームはベース車両となるミラと共通ですが、おしゃれなスタイリングを実現するためボディ外板は専用設計となります。
外観
全長3395mmX全幅1475mmX全高1530mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2490mmとなります。
ミラをベースに仕立てられたデザイン優先の軽自動車です。系統としてはミラジーノの後継者となりますが、ムーブラテの面影も感じられます。
上級のココアプラスには、メッキモールドでコーティングされたドアハンドルやバンパープロテクター、ルーフレールなどが装備されます。
女性ユーザーにしっかりと意見を聞いて開発したというだけあり、男性が考えたいかにも女性向けといったデザインではなく、肩肘張らない等身大の可愛らしさが表現されています。
フロント
丸型ヘッドライトに角の丸められたボディが組み合わされ、ゆったりとした優しい表情をもちます。
他のダイハツ車であればフロントにダイハツエンブレムが装備されますが、このココアには専用エンブレムが貼り付けられています。
上級グレードの「ココアプラス」はメタリック調のルーフレールが装備され、日産ラパンのようなクラシックな趣があります。
サイド
ミラとほぼ同じサイズでありながら、四角いボクシーなキャビンが備え付けられているため、広々とした室内が確保されています。
ウィンドウの角も適度に丸められ、ボクシーな形状でありながら優しいイメージを感じさせます。
リア
ボクシーな四角いボディに、丸いリアウィンドウと小さなリアコンビランプが組み合わされ、可愛くも力強さを感じさせるユーモラスなリアエンドです。
内装
ミラシリーズでありながら、内装にはココア専用デザインのインテリアが奢られています。
メーターナセルには、大きなスピードメーターを配した3眼メーターが装備され、視認性、使い勝手ともに良好です。
濃いグレーとホワイト、明るいベージュが組み合わされ、水平基調の清潔感あふれるデザインに仕上げられています。
3本スポークのステアリングホイールには、ミラココア専用エンブレムが貼り付けられています。ステアリングがちょっと安っぽいのが僅かに惜しいところです。
上下二段式の大きなグローブボックスや、ドリンクホルダーが左右に2つ装備され、小物入れ関係も充実しています。
ピラー(柱)がしっかりと立てられているため、前方視界は良好です。ベルトラインが下げられていることもあり、背の低い女性であっても見づらいといった事はありません。
加えて、スーパーハイト系ワゴンのようにルーフが無暗に高くないので、ドイラブ中の日焼けを防げるといった効果も期待できます。
シート
シート生地は、上質なスウェード調とざっくりとした質感の麻素材から好きな素材を選択することができます。
フロントシートには、幅の広いセミベンチシートが装備されます。厚みやコシに少し物足りなさを感じてしまいますが、中距離(30km)程度の移動であれば問題ありません。
リアシートには足元にたっぷりとした空間が確保されており、成人男性でも十分に座ることができます。シートバックが少し低いのですが、軽自動車としては問題のないレベルです。
荷室
ハッチバックタイプの軽自動車として標準的な荷室スペースが確保されています。また、リアシートを折りたたむことで十分以上のスペースを確保することができます。
静粛性
軽自動車ですから静粛性はそれなりで、可もなく不可もなくといったところです。高速域ではロードノイズ、エンジン音ともに激しくなる傾向があります。
エンジンとミッション
直列3気筒DOHCエンジンに、CVT(無段変速機)が組み合わされます。
エンジンは、52ps/6800rpmの最高出力と、6.1kgf・m/5200rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は810kgで、JC08モード燃費は、29.0km/lとなります。
エンジン
軽自動車用自然吸気エンジンとしては十分な出力があります。とくにこれといった特徴はありませんが、扱いやすく効率に優れたエンジンです。市街地使用であれば、パワー不足を感じてイライラする事もありません。ただ、フル乗車で坂道を登る時には、多少パワー不足を感じてしまいます。
まあ、小さな軽自動車にフル乗車して、坂道をガンガン駆け上がるといった人はいないでしょうが。
トランスミッション
最大トルクはかなり高回転域で発生するセッティングですが、組み合わされるCVTの制御がすぐれているため、エンジン回転は全域を通して低めに保たれています。
燃費重視のセッティングが施されているため、同じ速度であってもギアの変速比が不自然に変化することがあります。また、低速域から停車しようとすると、わずかにCVTからギクシャクとした挙動が感じられることがあります。
足回りとハンドリング
前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
13インチのエコタイヤが装備されていますが、サスペンションとのマッチングは上々で乗り心地も快適です。
エコタイヤの空気圧が高すぎるせいか、低速域では荒れた路面の衝撃を不快に車内に伝えてしまいます。
ハンドリング
足回りには柔らかめのセッティングが施され、ロールを許すゆったりとしたハンドリングです。乗り心地とハンドリングのバランスが良いため、素直で違和感のない回頭性をみせます。
全体的にスローなハンドリングスピードで、キビキビとした活発な走りは苦手です。
その他
バックモニター内蔵ルームミラー(自動防眩機能付き)が装備されています。ギアをリバースに入れると、ルームミラーの3分の1ほどに後方のモニター映像が表示される仕組みです。
ナビ用のバックモニターにくらべて「視線の移動が少なくて済む」というのがこのシステムの良いところです。
評価のまとめ
スーパーハイト系ワゴン全盛の時代において、適度な背の高さと身の丈にあった可愛らしさは、他の車では得られないミラ・ココアならではの美点です。
背が無暗に高くない分車重も軽く、街中で力不足を感じることはありません。加えてボディ形状による見晴らしの良さや小物入れの豊富さなど、使う人の視点に立った真面目な車作りが行われています。
対象となるユーザー
これみよがしのカワイコちゃんデザインは苦手だけど、かといってセダンのような実用的なデザインではちょっと寂しい。運転がああまり得意ではないので、しっかりと周りが見渡せる視界の広い車が欲しい。といった人にピッタリな車です。
ぬいぐるみのようないかにも可愛いといったデザインではないため、お年寄りや男性にもオススメできます。
価格
価格 | 1,296,000円(税込み)
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