今回は「新型レクサス LX 570」を試乗レポートいたします。
レクサスLXは2007年のモデルチェンジで3代目となりました。2015年にマイナーチェンジを受け、後期モデルへ切り替わっています。
実は初代と2代目は日本へ導入されておらず、この3代目レクサスLXの後期モデルが、最初の日本導入モデルとなります。
プラットフォームはランドクルーザー(200系)と共有されています。
外観
全長5065mmX全幅1980mmX全高1910mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2850mmとなります。
デザイン処理の違いから、全長はランクルよりLXの方が長くなっていますが、その他のディメンジョンは共通です。
また遠目からみるシルエットは、水平基調の堂々としたボディと切り立ったAピラーにより、どっしりした重量感があり、まさにランドクルーザーそのものです。
フロントまわりは大型のスピンドルグリルにより、圧倒的な存在感と高貴な佇まいが同居しています。
リアコンビランプまわりは、メッキモールドを使ったアクの強いデザインながら、レクサスらしい上質感を備えています。
内装
インテリアはレクサス専用設計で、ランクルとの差別化がはかられています。ランクルの室内も高級でやすらぎのある最高の室内でしたが、レクサスLXの内装はそれ以上の高級感です。
ふんだんに木目と本革が使われており、ダッシュボードのソフトパッドも、たっぷりとした厚みのある上質な素材です。
フロントシートは、サイズも大降りでストロークにも余裕があります。面で支えながら、体圧を分散してくれる快適なシートです。
セカンドシートの構造も基本的に同じで、長距離でも大丈夫です。
サードシートはやや小ぶりな造りながら、硬さもコシもしっかりしており、中距離までなら大丈夫です。
さらにこのサードシートを両側に跳ね上げると、広大なラゲッジルームとして使う事ができます。
エンジンとミッション
5.7LV型8気筒エンジンと、8速ATが組み合わされます。
エンジンは、377ps/5600rpmの最高出力と、54.5kgf・m/3200rpmの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、6.5km/lとなります。
「ECO」モードでは、出足がもっさりしますが、「NORMAL」モード以上に設定すれば問題ありません。大排気量自然吸気エンジン独特の、豊かで自然なフィールを持った怒濤のトルクを発生します。
車両重量は2720kgで、同装備のランクルとほぼ同じ値ですが、エンジンやトランスミッションの違いを考慮にいれると、遮音材の量もほぼランクルと同じと思われます。
ミッションはランクルより多段化されておりスムーズです。それに加えてエンジンの低速トルクも大きく、LXはエンジンを低回転に保ったまま、ゆったりと走ることができます。
結果的に遮音材の量は同じながら、車内の静粛性はランクルを上回ります。
足回りとハンドリング
前輪にダブルウィッシュボーン式サスペンション、後輪にはトレーリングリンク式サスペンションが装備されます。
また前後共に、スタビライザーで強化されています。
強固なラダーフレームが床下に設置されており、見た目よりも重心は低めでロールも穏やかです。
さらに、サスとエンジンの制御を「S」や「S+」にすると、思った以上に素直なハンドリングをみせます。しかし当然ながらこれはキビキビとしたハンドリングではなく、あくまでスローで自然なフィールを伴います。
走行特性も基本的にランクルと同じで、きれいな良路では滑るようにフラットに走りますが、荒れた路面では、本格的SUVならではの突き上げ感と揺すられ感があります。
評価のまとめ
このランクルを買おうと思っている人は、すでにどういう車が自分にふさわしいか、ある程度分かっている人でしょう。
しかし、なかにはこのスタイルが気に入ったからと、衝動買いするお金持ちもいるかもしれません。
このランクルは高級車といえども、強固なラダーフレームを持った本格的SUVです。
サイズも巨大で、街中での扱いには相当苦労を強いられます。乗り心地も独特で燃費も悪く、普通のミニバンを買うつもりで購入すると必ず後悔します。
ただこれらの特性を分かった上で、大きく巨大で上質なSUVが欲しいという人には、これ以上ない最高の一台となります。
価格
価格 | 11,000,000円(税込み)