今回は「新型レクサス NX 200t F SPORT」を試乗レポートします。
レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVです。
2013年にフランクフルトモーターショーで、コンセプトモデル「LF-NX」が発表され、翌2014年に市販モデルが発売されました。
「ハリアー」と「RAV4」のプラットフォームを一部共有していますが、共有部分は少なく兄弟車というレベルではありません。
外観
彫刻的なサイドビューが引き締まった印象を与えています。
また、がっしりしたボディの上に乗に小さなキャビンが乗っていて、スポーティなスタイリングを作り出しています。
「RX」よりデザインの処理がシンプルな事もあり、全体的にすっきりした若々しい印象です。
しかし安っぽいという事は無く、面にしっかり「張り」が表現されているので上質な外観です。
賛否両論のスピンドルグリルですが、「NX」では歌舞伎の隈取りの様なポジショニングランプの方が気になります。
こういう取って付けたようなデザインではなく、もうちょっと知的な演出を考えて欲しいと思います。
また「NX」の様なコンパクトなボディには、スピンドルグリルが良く似合います。
内装
センターコンソールなど、一部にプラスチッキーな質感が散見されます。
しかしセンターコンソール周りのメタリックは、本物の金属を削りだしたような上質な素材です。
また全体としての質感も高く、インパネに張り合わされた合皮がさらに上級感を演出しています。
メーター内のグラフィックは、緻密で近未来感溢れるかっこいいデザインです。
フロントシートはスポーツシートらしく適正なサイズで、硬さとコシのバランスも良く、長時間座っていても大丈夫です。
ただサイドサポートの張り出しが強く、少し窮屈な感じがしました。
リアシートもしっかりした構造で、最小限の広さが確保されています。
ロードノイズや風切り音、エンジンノイズの侵入も少なく車内の静粛性は高いです。
アクティブサウンドコントロールという、人工的にエンジンサウンドを補完して、サウンドを演出するシステムが装備されます。
インパネの中に専用のスピーカーまで装備する凝ったシステムです。
これのおかげかどうか判断がつきませんが、確かにアクセルを踏み込んだ時のサウンドは官能的なものでした。
エンジンとミッション
2L直列4気筒ターボエンジンと、6速ATが組み合わされます。
238ps/4800-5600rpmの馬力と、35.7kg/1650-4000のフラットな低速トルクを発生します。
アイドリングストップが装着されており、停車時は静かで快適です。また、高級ブランドらしくその作動感も実にスムーズです。
良く出来た6速ATと、ダウンサイジングターボの連携でスタートはとても滑らかです。
このダウンサイジングターボは、自然吸気エンジンの様な自然な加速感と、分厚いフラットなトルク感で加速もスムーズです。
アクセルのレスポンスも良く、踏み込めば唸りを上げて回転が高まり、即座にパワーが沸き上がります。
足回りとハンドリング
前輪ストラット式サスペンションと、後輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションが組み合わされます。
前後にパフォーマンスダンパーと、電子制御ダンパーが装備され、セダンの様な安定感と軽快で切れ味のあるハンドリングを持ちます。
ちょっと硬めながらしなやかな足回りは、SUVにしてはロールも少なめです。高い直進安定性で、フラットな姿勢を維持します。
また多少段差の衝撃は拾いますが、気になる種類のものではありません。
評価のまとめ
コンパクトなサイズながら、しっかりとレクサスブランドらしい上質感が感じられます。
より上級な「RX」と比べると外観がすっきりしており、逆にこちらの方が好みという人もいるでしょう。
また、大きなボディでは持て余してしまうという人にも、こちらのコンパクトな「NX」をオススメします。
同じ「F SPORT」グレードなら、「NX」の方が240kg軽量で動力性能は同じですから、パワーウェイトレシオは「NX」が上回ります。
価格も113万円こちらの方がお得です。あとは価格なりの質感と車格をどう考えるかという事だけです。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 4630mmX1845mmX1645mm
JC08モード燃費 | 12.8km/l
価格 | 4,920,000円(税込み)