今回は「新型トヨタアクアG」に試乗しました。
アクアは元々、ヴィッツのハイブリッドバージョンという位置づけです。
家族がこのアクアのベースとなったヴィッツに乗っていますが、ヴィッツと比べると質感が少しアップしていて高級があります。
外観
ヴィッツと比べると、ちょっとかわいらしい感じがします。構成するラインがシンプルで、ヘッドライトも愛嬌のあるデザインなのが理由でしょう。
ヴィッツのヘッドライトはもうちょっと攻撃的です。離れて見ると、全体のフォルムはまんまヴィッツです。細部のデザイン処理でここまで印象が変わるという良い例ですね。
アクアのサイドウインドウは、Cピラーの根元が大きく広がっており、その為サイドウインドウの後端が非常にスポーティな印象です。
リアコンビランプがサイドに三角形を描くように回り込んでおり、このCピラーと絶妙なリズム感を生んでいます。ルーフの後端が後ろにスラントしているようにも見えます。
また、フロントタイヤ中央から吹き上がるように、後輪タイヤハウス上部に引かれたキャラクターラインは、アクア全体のフォルムを引き締めています。
まるで後輪がクルクルと動いているようで、とてもスポーティです。
ただ、リアコンビランプ内のリフレクターのデザインが煩雑なので、もう少しシンプルでもいいかなと思います。
内装
内装は先代のプリウスに通じるような、左右比対称で曲線主体のエルゴノミックなものです。
トヨタとしてもプリウスの弟分という意図があるのでしょう。
ダッシュボードはヴィッツクラスの質感で、特ににどうというものではありません。
しかしシートはチャコール系のちょっとおしゃれな素材が使われており、これが車内の雰囲気をちょっと上質に感じさせてくれます。
よく見ると、シフトレバーに透明感のあるブルーのプラスチックがはめ込まれており、クリーンで未来的な印象です。
ベタですが、僕はハイブリッドのこういう演出が好きです。アクアは外装のトヨタエンブレムにも、この未来的な演出をしています。
街にはアクアが溢れていますので、こんど見かけたらそれとなく観察してみてください。
エンジンとミッション
1.5Lエンジンと電気モーターのハイブリッドシステムです。エンジンと電気モーターの切り替わりがとてもスムーズです。
電気モーターのアシストがある分、ヴィッツよりも加速はスムーズです。低速トルクがあり、ヴィッツなら苦しい山道もアクアなら余裕です。
エンジン始動時やアイドリングストップからの復帰時は、ちょっと安っぽいセルとエンジンの音がします。
走行中はハイブリッドという事もあり、とても静かです。
軽い車重にハイブリッドならではの低速トルクが組み合わされ、スポーツカーとはまた違った風情のスポーティさがあります。
足回りとハンドリング
おだやかなハンドリング特性で、操作に対して素直な挙動です。硬めのセッティングですが、乗り心地が悪いということはありません。
とくに気になるクセはなく、乗りやすいです。ヴィッツから乗り換えても、慌てるような事にはならないでしょう。
車重が重い分上質な乗り心地ですが、段差では少し突き上げ感があります。
タイヤノイズは少し気になりますが、エンジンが静かなせいでしょう。
評価のまとめ
新型プリウスが出るまではアクアの方が燃費性能が良かったのですが、今でも全体のコストを考えれば、アクアの方がコストパフォーマンスは上でしょう。
しかしコストパフォーマンスから言うと、距離を乗らない人には、ヴィッツの方が良いという場合もあります。
年間1万キロ未満ならヴィッツをお勧めしますが、ハイブリッドならではの静かさやパワー、イメージの良さを考えると判断は難しいですね。
ヴィッツより価格が高い事もあり、乗り味は少し上質です。外観も近未来的でかっこいいです。
主要諸元と価格
全長X全幅X全高 | 3995mmX1695mmX1455mm
JC08モード燃費 | 37.0km/l
価格 | 2,000,000円(税込み)