今回の【評価レビュー】は「新型 マツダ CX-8 XD PROACTIVE(4WD/7人乗り)」。
2017年にフルモデルチェンジした、LクラスのクロスオーバーSUV(5ドア)です。
「魂動デザイン」と「SKYACTIV・テクノロジー」、「マツダ・プロアクティブ・セーフティ」を併せ持つ新世代マツダSUV第三弾。国内では最大級となるフラッグシップSUVでもあります。
パッと見の印象は「CX-5」とほとんど同じですが、単なる「CX-5」のストレッチ(延長)版ではありません。
Bピラーから前方に「CX-5」のパーツを多用しながらも、基本となるプラットフォームは北米向け大型SUV「CX-9」を使用。どちらかと言えば「CX-9」の縮小モデルといった印象が強いです。
全長、ホイールベースともに「CX-5」よりも長く、室内には広々とした空間にフルサイズの3列シートが備わります。ミニバンモデルを順次廃止しているマツダにとっては、多人数乗り3列シートを持つ重要な車種となります。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「【評価レビュー】のまとめ」をどうぞ。
外観
全長4900mmX全幅1840mmX全高1730mm。ホイールベース2930mm。
フロント
フロントセクションはCX-5とほぼ同じ。垂直に切り立ったノーズ先端に大型グリル、シャープなLEDヘッドライトが組み合わされ、上質感あふれる威風堂々とした佇まい。
サイド
短く切り詰められたフロントオーバーハングにがっしりとしたサイドボディ。ローングホイールベースが相まって、伸びやかで重量感のあるサイドビューです。
傾斜の強いA&Dピラー(一番前と後の柱)。後にいくほど絞り込まれるサイドウィンドウによって、エレガントな雰囲気を表現。まさに大人のSUVといった感じです。
リア
メリハリのあるヒップラインに小さく絞り込まれたキャビン(居住スペース)。薄いメッキパーツで連結されたシャープな形状のLEDリアコンビランプ。上質な安定感を感じさせます。
内装
内装デザインも下位グレードのCX-5とほとんど同じ。上質な樹脂に小さなメタリックパーツがセンス良く配置されています。メーターナセルにはクッキリとした文字で三眼メーターが配置され、視認性も良好。センターパネル上部には、車輌情報やナビゲーション情報を表示する「ワイド液晶ディスプレイ」を装備しています。
マツダ全車で統一されている自然なドライブポジションによって、運転がしやすく疲れの少ない車に仕上がっています。
シート
フロントシートは、コシのあるクッションに低反発素材が組み合わされた快適なシート。適度なサイドサポートも装備され、長時間ドライブでも疲れにくいです。
セカンドシートも、フロントシートに準じる快適性の高いシート。足元、頭上空間ともに十分なスペースがあり、大人二人で座ってもゆったりとしています。
サードシートは折りたたみを前提としているため、やや平板な形状でクッションも薄目。ただ、よくある緊急用シートでは無く大人二人で座っても十分なサイズ感があります。窓が小さく囲まれ感は強いものの、実際の頭上スペースに問題はありません(メーカーの想定では身長170cmまで)。セカンドシートの下には足先を入れるスペースがあり、足元にも十分な空間が確保されています。
荷室
荷室容量は239LとCX-5よりも小さ目ですが、サードシートを畳むことによって572Lに拡大することができます。家族4人ならサードシートを倒して使えますので、荷物の嵩張るキャンプも可能です。
静粛性
室内にはしっかりと遮音対策が施され、高級サルーンレベルの静粛性能を実現しています。
エンジンとミッション
2188cc・直列4気筒DOHCディーゼル・ターボエンジンに、6速ATが組み合わされます。
エンジンは、190ps/4500rpmの最高出力と、45.9kgf・m/2000rpmの最大トルクを発揮。
車両重量1890kg。JC08モード燃費は、17.0km/l。
エンジン
2.2Lディーゼルターボで4輪を駆動(フルタイム4WD)。低速からフラットでぶ厚いトルクを発生する力強いパワーユニット。どの回転域からでも即座に必要なトルクが立ち上がるため、意のままに速度を制御することができます。
「ナチュラルサウンドスムーザー」や「ナチュラルサウンド周波数コントロール」、「急速多段燃焼」といった静粛技術によって、ディーゼルエンジンとしては異例にノイズやバイブレーションが少ないです。
トランスミッション
トルコン式の6速ATを装備。適度なステップ感とスムーズさを併せ持つ上質なトランスミッション。ぶ厚いトルク感を活かしてしっとりと加速します。
乗り心地とハンドリング
前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションを装備。
乗り心地
装着されるタイヤは前後ともに225/55R19。
重厚感のあるしなやかな乗り味。重い車重と長いホイールベースによって、上質な走りを演出しています。
目地段差での衝撃もしっかりと処理されており、突き上げ感を感じやすいサードシートでもラグジュアリーセダン並の快適性があります。
高速域ではサスペンションがしっかりとストロークしてボディをフラットに保ち、安定性の高い走りを実現しています。
ハンドリング
穏やかで自然なステアリングフィール。前輪と後輪の一体感が高く、「Gベクタリング(※1)」の効果もあってもっさり感や鈍さはありません。適度なロール感と重厚感を活かしてしっとりと旋回します。
ボディが長いこともあって最小回転半径は5.8mと少々大きめ。狭い路地では取り回しに苦労します。
(※1)左右のトルク配分を別々に制御することによって、旋回性能を高める技術。
その他
先進安全技術は最新の「i-ACTIVSENSE」。このパッケージには「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(前後・衝突回避自動ブレーキ)」や「AT誤発進抑制制御(前後)」、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(全車速追従機能付き)」といった機能が含まれます。
【評価レビュー】のまとめ
「マツダ CX-8 XD PROACTIVE」は「CX-5」を超えるロングボディに3列シート(7~8人乗り)を装備したLクラスのクロスオーバーSUV。ミニバンモデルを順次廃止しているマツダにとっては、ミニバンの代替となる多人数乗りの重要なモデルです。
トルクフルな2.2Lディーゼルターボに上質な足回りが組み合わされ、ラグジュアリーセダンに匹敵する上質な乗り味を実現。静粛性能も高く、不快な突き上げやロードノイズが侵入しやすいサードシートでも、快適な居住空間が確保されています。
「多人数乗りの車を探しているが、所帯じみたミニバンは嫌」とか、「サードシートにもある程度の快適性能を確保したい」、「上質でカッコいいLクラスSUVに乗りたい」といった人にピッタリな車です。
中古車市場では
2017年式の未使用登録車で370万円前後(2018年2月現在)。
価格
価格 | 3,769,200円(消費税込み)