今回の【評価レビュー】は「新型 ポルシェ 718 ボクスター(4代目)」を試乗レポート。
2016年にフルモデルチェンジした、オープン・2シーター・スポーツです。この他に2ドアクーペの「ケイマン」があります。
「718」とは、かつて1950年代に活躍したレーシングカーの名前で、ミッドシップに高性能な「フラット4エンジン」を搭載していました。
今回のモデルチェンジにあたってボクスターにも「フラット4エンジン」が搭載され、この名車の名前をサブネームとして受け継いでいます。
エンジンがダウンサイジングされたからといって、パワーや上質さが落とされているわけではありません。コンパクトな4気筒エンジンを使いながらも、新世代のポルシェ・ボクスターを巧みに表現しています。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「試乗評価のまとめ」をどうぞ。
外観
全長4379mmX全幅1801mmX全高1281mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2475mmとなります。
デザインはキープコンセプトながら細部からしっかりと手が加えられ、上質なスポーティさに磨きをかけています。
フロント
ロー&ワイドなフロントノーズに、911よりもややシャープなヘッドライトをビルトイン。小気味いいスポーティ感を演出しています。
サイド
低いボディに、大きなタイヤホイール。うねりのあるダイナミックな曲線が与えられた、伸びやかで力強いサイドビュー。
リア
グラマラスでワイドなヒップラインに、薄型のリアコンビランプとそれを繋ぐガーニッシュが組み合わされ、モダンで上質なリアエンドを構成。センターから二本出しされるパイプフィニッシャーが、スポーティな雰囲気を盛り上げます。
内装
しっとり感のある樹脂に、きれいに整理されたデザインが組み合わされた、質感の高いシンプルな内装デザイン。
メーターナセルには、くっくりとした文字で三眼メーターが装備されます。
シート
適度なたわみを持つ表皮と、コシのあるクッションによる快適なシート。長時間ドライブしても疲れにくいです。
荷室
フロントノーズにちょっとした小物入れと、リアトランクにもそこそこの容量が確保されています。大人二人であれば、2泊3日旅行くらいは可能です。
静粛性
スポーティなエンジンサウンドが程よく車内に響きます。この種の車を好きな人なら、煩く感じる事は無いでしょう。
エンジンとミッション
1988cc・水平対向4気筒DOHCターボエンジンに、7速ATが組み合わされます。
エンジンは、300ps/6500rpmの最高出力と、38.7kgf・m/1950-4500rpmの最大トルクを発揮します。
エンジン
ミッドシップに搭載した、2.0Lフラット4ターボで後輪を駆動。出足のトルク感がやや薄いものの、低速からフラットなトルクを発生するパワフルなエンジン。回転を上げていってもパワーが頭打ちになることはありません。鋭いレスポンスで爽やかに吹けあがります。
トランスミッション
7速デュアルクラッチトランスミッション(PDK)を搭載。ドライバーの変速操作に対して瞬時に反応、電光石火の早業でスパッスパッとダイレクトな変速フィールを返します。
乗り心地とハンドリング
前後ともに、マクファーソン・ストラット式サスペンションを装備。
乗り心地
ほどよく引き締まったしなやかな乗り味。スポーツモデルにしては非常に快適性が高いです。
高速域での安定性も高く、4輪が協調して働きボディを常にフラットに保ちます。
ハンドリング
適度な重厚感を伴った、切れ味鋭いステアリングフィール。操舵への反応もキビキビとしており、小気味良くノーズの向きを変えます。
リアが常に路面を捉え続けるため、コーナーの連続するワインディングでも挙動を乱すことはありません。
その他
インターネットに常時接続される「PCM」が搭載され、ナビのアップデートやCarPlayサービスなどが手軽に利用できるようになりました。
【評価レビュー】のまとめ
今までの自然吸気フラット6から、ターボで過給されたフラット4に換装され、燃費性能やCO2削減率を向上させています。
エンジンがダウンサイジングされたからといっても、パワーやフィールを代償にすることはありません。パワーを向上させながら、ターボならではの上質で力強いエンジンフィールを実現しています。
ミッドシップレイアウトを活かした素直な旋回性能、素直で小気味いいハンドリングフィール、スポーツカーとしては破格に上質な乗り味にも磨きがかかっています。
ポルシェによって調教されたミッドシップ・オープンスポーツを楽しみたいなら、このボクスター以外の選択肢はありません。
価格
価格 | 7,464,000円(消費税込み)