今回の【評価レビュー】は「新型 メルセデスベンツ Cクラス C180 カブリオレ スポーツ」を試乗レポート。
2016年に登場した、オープントップを持つMクラスの2ドア・4シーター・カブリオレ。ボディバリエーションはこの他に、4ドアセダンと2ドアクーペ、5ドアステーションワゴンがあります。
基本的なボディ構造は2ドアクーペと共通ですが、設計の見直しとアルミ材を組み合わせたボディ補強が行われ、剛性の確保と軽量化を両立しています。
かつてはCクラスをベースとする「CLKクラス」にカブリオレの設定がありましたが、「CLKクラス」はEクラス風のフロントフェイスを持つ特殊なクラスです。厳密な意味ではCクラスではありませんから、今回のカブリオレが「Cクラス初のカブリオレ」という事になります。
※忙しくてあまり時間の無い人は、文末の「試乗評価のまとめ」をどうぞ。
外観
全長4705mmX全幅1810mmX全高1405mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2840mmとなります。
フロント
伸びやかなフロントノーズに、D字型のヘッドライト。メルセデス・エンブレムにシングルスポークを組み合わせたゴージャスなグリル。エレガントかつスポーティなフロントフェイスに仕上げられています。
サイド
ロングノーズ・ビッグキャビンの伸びやかなサイドビュー。抑揚のあるキャラクターラインが、サイドパネルに複雑な表情を与えています。やはりカブリオレですから、幌を閉じているよりも開けているほうがカッコいいですね。
電動式ルーフは、ボタンひとつで簡単に開閉することができます。
リア
ロー&ワイドなリアセクションに、ワイド感を強調するリアコンビランプが組み合わされ、エレガントでスポーティなリアエンドを構成。オープンのほうが、よりゴージャスさが引き立ちます。
内装
Cクラス共通のインテリアデザイン。しっとりとした樹脂に輝度の高いメタリックパーツが組み合わされ、モダンで上質な雰囲気を醸し出しています。
スポーティなドライビングポジションとなるため、ボディの見切りは今ひとつです。まあ、慣れてしまえば問題の内レベルですが。
シート
前席には、Cクラス共通のがっしりとしたシートが装備されます。しなやかな表皮にコシのあるアンコがギッシリと詰め込まれ、疲れの少ない快適なシートに仕上げられています。
後席も前席に準ずる快適なシート構造。シートバックの高さがちょっと足りず、頭上空間にも窮屈感がありますが、幌を閉めていても中距離(30km)程度なら快適に移動できます。
荷室
幌を収納するスペースが荷室の中に張り出しています。といっても元々荷室が広いため、家族4人で2泊3日旅行程度ならなんとかなりそうです。
静粛性
しっかりとした構造の電動ルーフと、低く抑えられたエンジンノイズによって室内の静粛性は高いです。クーペ並の静けさを確保しています。
エンジンとミッション
1595cc・直列4気筒DOHCターボエンジンに、9速ATが組み合わされます。
エンジンは、156ps/5300rpmの最高出力と、25.5kgf・m/1200-4000rpmの最大トルクを発揮。
車両重量1710kg。JC08モード燃費は、14.3km/l。
エンジン
1.6Lのツインカムターボで後輪を駆動。「ダイナミックセレクト」を「エコ」モードにしていると、若干出足がかったるい印象ですが、「スポーツ」モードを選べばキビキビとした力強い瞬発力をみせます。
トランスミッション
トルコン式の9速ATを装備。低い回転を保って早いタイミングで次々と変速。スムーズかつダイナミックな変速フィールです。
乗り心地とハンドリング
前輪に4リンク式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。
乗り心地
前輪/225/45R18に、後輪/245/40R18のタイヤ・ホイールを装備。
重厚感をともなうしなやかな乗り心地。目地段差を通過しても、不快な衝撃を車内に伝えることはありません。
高速域での安定性も高く、フラットな姿勢を保ってどこまでもまっすぐに直進します。
ハンドリング
ステアリングスピードは比較的スローなセッティング。ドライバーの操舵に素直に反応して、自然にノーズの向きを変えていきます。ロール感の出方も穏やかで唐突な挙動が無く、安心してステアリングを握ることができます。
その他
先進安全技術は、レザーセンサーとデュアルカメラを組み合わせた「レーザーセーフティパッケージ」を装備。このシステムには、衝突を回避する自動ブレーキや、一定の車間を保って前車に追従する「ディストロニック・プラス」が含まれます。
【評価レビュー】のまとめ
Cクラス・クーペをベースに、メタルルーフを取り払った2ドア・オープン・カブリオレ。
カブリオレといっても、幌にしっかりとした多重構造が用いられ、2ドアクーペ並の静粛性能と実用性を兼ね備えています。
普段は一人か二人で利用することが多く、「エレガントで贅沢なカブリオレを探している」という人にピッタリなラグジュアリーなカブリオレです。
ある程度の実用性能を備えているため、子供が小さい小学生の内なら、ファミリーカーとして利用することもできます(「他人の目が気にならななければ」という注釈が付きますが)。
中古車市場では
2017年式の「C180 カブリオレ スポーツ」なら520万円前後。2016年式でもほぼおなじ位の値付けとなります(2017年12月現在)。
価格
価格 | 6,110,000円(消費税込み)