今回の旧型レポートは「2代目 ホンダ オデッセイ VZ」。
1999年から2003年に渡って製造販売されていた、Mクラスのミニバンです。
好調な販売を続けていた初代オデッセイの特徴をほぼそのまま受け継ぎ、キープコンセプトモデルとして生まれ変わりました。
ベースとなるプラットフォーム(基本骨格)にはアコードが使われるているため、先代同様、ロールーフボディやヒンジ式ドアといった乗用車的な装備もそのままです。
外観
全長4835mmX全幅1800mmX全高1630mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2830mmとなります。
フロント
ヘッドライトが大型化され、ボディの角にかっちりとしたメリハリが付けられたため、塊感の強いハッキリとした造形となりました。
サイド
Dピラーが太くガッチリとした形状となったため、先代の伸びやかで端正な印象は薄まり、力強い印象のサイドビューへと生まれ変わっています。
リア
おむすび型のリアコンビランプに、緊張感のある面で構成されたリアエンドが組み合わされます。先代のおおらかで都会的なスタイリングから、上質でモダンなスタイルへと変更されています。
内装
特徴の薄い無個性なインテリアデザインです。イミテーション丸出しの木目調パネルが物悲しいです。メーターナセル内には、大型の二眼メーターがレイアウトされ視認性に問題はありません。
アップライトなポジションで座るため、広々とした視界と見切りに良いボディを持ちます。乗用車的フィールが強く運転のしやすいミニバンです。
シート
フロントシートには張りのある大柄なシートが装備されます。適度なストロークとコシが与えられているため、長時間ドライブも苦になりません。
セカンドシートには、左右に独立したキャプテンシートが装備されます。サイズも十分でしっかりとしたコシがあるため、長時間座っていても身体が痛くなることはありません。この他に3人掛けとなるベンチシートも用意されますが、快適な座り心地を求めるなら2人掛けのキャプテンシートが一番です。
サードシートのクッションは薄く平板な形状です。体圧が集中しがちなため、長時間ドライブには向きませんが、中距離(30km)程度なら問題ありません。
荷室
サードシートを使っていると、荷室スペースは小さめです。この状態なら家族4人で1泊旅行くらいが限度でしょう。ただし、サードシートを折り畳むことで、広々とした荷室空間を作り出すことができます。
静粛性
しっかりと遮音材が施されており、静粛性能は高いです。
エンジンとミッション
2997ccのV型6気筒SOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、210ps/5800rpmの最高出力と、27.5kgf・m/5000rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1670kg。10モード/10・15モード燃費は、9.2km/lとなります。
エンジン
3.0LのV6エンジンで前輪を駆動。たっぷりとしたトルクを低速から発生するため、出足から中高速域まで力強い加速が可能です。トルクの出方も絶妙で、扱いやすいエンジン特性です。
トランスミッション
トルコン式の5速ATを装備。新型のトランスミッションが与えられ、巧みな変速制御でスムーズで効率の良い変速を行います。
足回りとハンドリング
前後ともにダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
先代よりも若干足回りが引き締められていますが、適度にコシのある快適な乗り心地です。セカンドシートとフロントシートを比較すると、セカンドシートは若干突き上げ感が強いです。といっても不快なレベルではありません。
高速域での接地性も高く、フラットな姿勢を維持してまっすぐに直進していきます。
ハンドリング
乗用車に近い自然なステアリングフィールです。ミニバンにしてはロールも良く抑えられており、ドライバーの操舵に対して素直な反応が気持ちいいです。
評価のまとめ
先代の優れた特徴をそのまま受け継ぐ、キープコンセプト傾向の強いモデルです。全高の低いフォルムにヒンジ式ドアが採用され、その他大勢のミニバンとは違う強い個性と特徴が与えられています。
そのおかげで素直で自然な運転特性と、セダンやステーションワゴンのような使い勝手の良さを併せ持つのがこのオデッセイの大きな美点です。
家族持ちのお父さんやお母さんが普段は通勤や子供の送り迎えに使い、週末は家族でドライブを楽しむといった使い方にピッタリです。
ミニバンとしては生活感が希薄なので、若い人が自分の趣味の道具として使うのも楽しそうです。実際に、当時スキー場に行くとオデッセイの4WDモデルを結構見かけたものです。
価格
新車当時の価格 | 3,125,000円