3代目 ホンダ オデッセイ アブソルート(2000年)【旧型レポート】走りの楽しいスポーティなミニバン [ABA-RB1]

今回の【旧型レポート】は、「3代目 ホンダ オデッセイ アブソルート」。
2003年の登場から2008年まで製造販売されていた、Mクラスのミニバン(5ドア)です。

1994年に登場した「初代オデッセイ」は、ミニバンの製造ラインを持たない当時のホンダが、苦肉の策で成立させたロールーフミニバン。

設備の都合で、ミニバンらしいハイルーフとスライドドアを諦めざるをえませんでしたが、そこを逆手に取ってスポーティで都会的なミニバンを成立させています。

乗用車ライクな自然な乗り味と、スタイリッシュな外観が受け、日本のミニバンブームの火付け役ともなるほどの大ヒットを記録しました。

3代目オデッセイは、その初代のコンセプトを2代目から受け継ぐキープコンセプトモデル。先代比で全高をさらに80mmほど切り下げ、スポーティな味わいを強調しています。同時期に大型Lクラスミニバン「エリシオン」が販売されたのも、3代目の割り切りの良さにつながっています。

基本となるプラットフォーム(基本骨格)は、7代目ホンダ・アコード。エンジンもアコード用のものをチューンして搭載しています。

2.4Lツインカムエンジンには、レギュラーガソリン仕様と、200馬力を発生するプレミアムガソリン仕様の2種を設定。アブソルートは、200馬力の高性能エンジンを搭載するスポーツバージョンです。

2006年にマイナーチェンジを実施。内外装のアップデートと共に、アブソルートには18インチアルミホイールが標準装備され、足回りも強化。

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「3代目 ホンダ オデッセイ アブソルート」の外観

ボディサイズ、全長4770mmX全幅1800mmX全高1550mm。ホイールベース、2830mm。

全高の低いスタイリッシュな外観と、それなりに広い室内を両立した、ホンダらしいスポーティなコンセプトのミニバン。遠くから眺めるとステーションワゴンのようにも見えます。

フロント

ミニバンとしては異例に薄いフロントノーズに、ブラックベゼルが引き締まった印象を与えるヘッドライト。これまでの穏やかな印象を一新する、ちょい悪チックなフロントフェイス。どことなく都会的なセンスを漂わすのは、流石にホンダらしいところです。

サイド

ロングホイールベース(前後輪の間隔が広い)にビッグキャビン(居住スペース)。低く抑えられた全高。短いフロントオーバーハング(前輪からボディ端までの距離)。すべてが巧みにバランスして、伸びやかでスポーティなサイドビューを構成しています。

リア

低くワイドなリアエンドに、小さく絞り込まれたリアウィンドウ。初代オデッセイから受け継ぐ「台形型リアコンビランプ」。クリーンなラインで構成されたシンプルで上質な後ろ姿です。

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内装

緩やかな曲線を描きながら左右を結ぶブラック木目調ガーニッシュに、メタリックパーツ。ホンダらしいスポーティで都会的な室内。ミニバンにしてはルーフが低く、開放感は希薄です。

メーターナセルには、大型三眼メーター。鮮やかな赤に染め抜かれた文字が、視認性を高めます。

センターコンソール最上段には、ナビゲーションなどを表示する大型ワイドディスプレイ。中段にはフルオートエアコン。大きなダイヤルとプッシュボタンが組み合わされ、手探り操作もやりやすいです。最下段には、オーディオやナビゲーションなどのコントロールユニット。大きなダイヤルスイッチにジョグダイヤル機能と決定ボタンが集約され、直感的な操作が可能です。

セダンに近い自然なドライビングポジションと、短いフロントノーズによって取り回しも良好。運転のしやすいクルマです。

シート

フロントシートは、コシのあるクッションに適度なサイドサポートが装備される大柄なシート。肩周りから腰、太ももの裏にかけて包み込むように均一な圧力で支えます。長距離ドライブでも疲れの少ない快適なシートです。

セカンドシートもフロント同様、コシのある快適なシート。足元、頭上空間ともにたっぷりとした余裕があるため、大人二人で座っても窮屈感はありません。

サードシートはややクッションが薄く、サイズも若干小さめ。座面と床が近いため、膝の裏が若干浮き上がります。前席と比較するとやや快適性は落ちますが、30km程度の移動なら問題ありません。

荷室

サードシートによって大きく制限されるものの、この手のミニバンとしては十分な容量を確保しています。縦方向のスペースを活用すれば、家族4人で2泊3日旅行も可能です。

サードシートは折りたたんで収納すれば、ステーションワゴンのような使い方もできます。

静粛性

室内にはたっぷりと遮音材が施され、十分な静粛性能を確保しています。風切り音やロードノイズもよく抑えられており、快適性が高いです。

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エンジンとトランスミッション

2354cc・直列4気筒DOHCエンジンに、5速ATが組み合わされます。
エンジンは、最高出力200ps/6800rpm、最大トルク23.7kgf・m/4500rpmを発揮。

車両重量1640kg。10モード/10・15モード燃費、11.0km/l。

エンジン

2.4Lのツインカムエンジンで前輪を駆動(FF)。アコードにも搭載されるスポーティなエンジンで、低速からフラットなトルクを発生して1.7t弱の重量級ボディをスムーズに加速させます。

ホンダのスポーツユニットらしく、ノイズ、バイブレーションともに小さく、伸びやかに吹け上がります。ただし、アコードよりも車重が200kg以上も重いため、爆発的な加速力はありません。

トランスミッション

トルコン式の5速AT(マニュアルシフトモード付き)を装備。ギアの継ぎ目を感じさせないスムーズなトランスミッション。エンジン回転をしっかりと高めて、必要なパワーを絞り出します。

特にマニュアルシフトモードの出来は素晴らしく、電光石火の早業でスパッと変速。不快なタイムラグを発生させません。

乗り心地とハンドリング

前後ともにダブルウィッシュボーン式サスペンションを装備。

乗り心地

装着タイヤは、225/45R18。

乗り心地は快適性を重視した、若干スポーティなセッティング。目地段差では路面の衝撃を効率よく減衰して、不快な衝撃を車内に伝えません。

高速域での安定性も高く、フラットな姿勢を維持して直進。わだちや横風で姿勢を乱されにくいです。

ハンドリング

低重心ボディにスポーツサスが組み合わされ、素直で気持ちの良いハンドリングを実現。といっても、スポーツカーのような過激さはありません。

穏やかなロールを許しながらも、ドライバーの操舵に自然に反応して正確なターンを描きます。

リアの接地性が高く、コーナリング中も姿勢を乱しにくい。ハンドリングと安定性のバランスした「粘り腰」のセッティングが与えられています。

最小回転半径、5.4m。大きなボディの割にまずまずの小回り性能。

その他

先進安全技術は、対向車を検知してヘッドライトの光軸を調整する「アダプティブ・フロントライティングシステム」を標準で装備。衝突を検知して回避、もしくは被害軽減をはかる「追突軽減ブレーキ+Eプリテンショナー」は標準装備ではなくオプション装備です。

【旧型レポート】のまとめ

「3代目 ホンダ オデッセイ アブソルート」は、ホンダらしいスポーティな味わいが光るMクラスミニバン(5ドア)です。全高の低いスタイリッシュな外観に、それなりに広々とした室内を実現しています。

ミニバンにしては重心が低く、ハンドリングは素直でスポーティ。乗り味には僅かな硬さを伴いますが、十分な柔軟性も確保されており快適性が高いです。

ハイルーフ&スライドドア全盛のミニバン業界にあって、ロールーフとヒンジドアで構成された3代目オデッセイは、まさにホンダらしいアイディアあふれる魅力的な一台といえます。

想定されるユーザー層は、「家族のためにミニバンを購入する必要があるが、走りの楽しさも捨てられない」といったクルマ好きのお父さんやお母さんです。

行き過ぎた「ロールーフコンセプト」の揺り戻しのため、現行型オデッセイは若干全高を高めています。そのため、ステーションワゴンのように全高の低いミニバンを買うなら、この3代目か4代目オデッセイがオススメです。

中古車市場では

2008年式「3代目 ホンダ オデッセイ アブソルート」で、50万円前後(2018年6月現在)。

新車当時の価格

2,814,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)