初代 ルノー ルーテシア(クリオ)16V【旧型レポート】信頼性の向上とともに、薄まったフランス車ならではの味わい [E-C57D]

今回の旧型レポートは「初代 ルノー ルーテシア(クリオ)16V」。
1990年から1998年に渡って製造販売されていた、コンパクトな3ドア・ハッチバックです。

この3ドア・ハッチバックの他に、5ドア・ハッチバックがあります。フランス本国では「クリオ」の名称が使われていますが、日本ではすでにこの名前が商標登録されているため、「ルーテシア」として販売されていました。

ラリーのホモロゲーションを獲得するために「ウィリアムズ」というスポーツモデルが限定生産されています。これはF1チームのウィリアムズ・ルノーから拝借した名前で、実際のセッティングはルノーのモータースポーツ部門「ルノー・スポール」が行っています。ただ、日本市場へは数台が輸入されただけで、正式導入はされていません。このモデルはラリーファンの間で人気が高く、販売されるたびに即完売となっていましたので日本市場に回す余裕が無かったのでしょう。

かつて販売低迷に苦しんでいたルノーですが、日本式の生産技術を導入することによって、信頼性の向上とコスト削減を実現、この頃になると経営も除々に安定しています。このルーテシアは、そのルノーの企業活動が端的に現れたモデルといえます。

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外観

全長3715mmX全幅1650mmX全高1380mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2470mmとなります。

当時の日本車を強く意識したスポーティなスタイリング。反面、ルノーらしい濃い味わいは薄まりました。

フロント

直線基調の端正なフロントマスクに角型の小さなヘッドライトがレイアウトされます。軽快感のあるスポーティなフロントフェイスです。

サイド

前後にシャープなキャラクターラインが貫かれた、伸びやかで硬質感のあるサイドビュー。

リア

シンプルな面で構成されたリアエンドに、小さな角型のリアコンビランプが装備されます。リアハッチに「RENAULT」のロゴが無ければ日本車と見間違えそうです。

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内装

眼前に広がるダッシュボードは二段構造による立体的なデザイン。メーターナセルが上の段に、エアコンユニットが下の段にそれぞれビルトインされ、近未来感溢れる実用的なデザインとなっています。

シート

フランス車らしいモッチリとした座り心地の快適なフロントシートが装備されます。クッションの芯にはしっかりとしたコシがあるため、長時間座っていても身体が痛くなることはありません。

リアシートにもフロント同様に快適なクッションが装備されます。ただ、バックレストの高さが足りないため、中距離(30km)以上の使用はきついです。

荷室

荷室の容量は小さめです。家族4人であれば、「1泊2日旅行の荷物がなんとか積めるかな」といった印象です。

静粛性

エンジン透過音、ロードノイズともに適度に車内に進入して、スポーティな雰囲気を盛り上げます。

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エンジンとミッション

1763ccの直列4気筒DOHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、130ps/6500rpmの最高出力と、16.5kgf・m/4250rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1000kg。10モード/10・15モード燃費は、–km/lとなります。

エンジン

1.8Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。ルノーのホットハッチモデルには伝統的にターボが搭載されることが多いのですが、この16Vにはスポーティな自然吸気エンジンが搭載されています。レスポンスに優れるパワフルなパワーユニットで、1tの軽量ボディをキビキビと走らせます。

トランスミッション

5速のマニュアルシフトを装備。剛性感あふれるシフトフィールで、コクコクと気持ちよく操作することができます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

足回り

適度に引き締まったスポーティな足回り。しっとりとしたしなやかさが残るため、長距離ドライブでも快適にこなすことができます。

目地段差ではコツコツと衝撃を車内に伝えますが、不快な印象はありません。

ハンドリング

かつてのルノーらしさは薄まり日本車のような味の薄いハンドリングです。

ステアリングセンターから僅かな操舵に対しても正確に反応して、意のままにノーズの向きを変えることができます。キビキビとした軽快感あふれるハンドリングです。

評価のまとめ

日本車の生産技術を積極的に導入して合理化とコストダウンが計られた、日本車っぽいフランス車です。そのため、フランス車らしい味わいはちょっと控えめです。

コンパクトなボディでありながら優れたパッケージングが施され、室内にはそこそこの広さが確保されています。軽量ボディにスポーティなエンジンとキビキビとした軽快感あふれるハンドリングが組み合わされた、走りの楽しいホットハッチモデルです。

「運転好きの人が普段は通勤に使い、週末には足を伸ばしてワインディングを楽しむ」といったニーズにピッタリです。

また、「信頼性の高い欧州車を探しているが、ゴルフではありきたりすぎて面白くない」という人にもオススメです。

価格

新車当時の価格 | 2,900,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)