普通車に比べて華奢な印象のある軽自動車は、数年使われて劣化すると普通車以上に壊れやすいイメージがあります。
しかし、最近の軽自動車は性能と耐久性が向上しており、普通に使うだけならそれほど大きな違いはありません。特に中古車市場に出回っているような10万キロ以内の個体であれば、耐久性についてはまったく考えなくても大丈夫です。
主要パーツの耐久性は普通車とほとんど変わらない
ただし、小さなプラスチック部品や交換パーツなどは普通車よりも劣化が速い場合があります。これは普通車よりもコストを抑え、車自体を安くつくるためプラスチック部品などに肉厚で華奢な部品が使われているからです。
といっても、こういったパーツは元々安いパーツです。万が一故障したとしても修理費用は微々たるもので大した出費を強いられることはありません。
これに対してその他の主要な部品。エンジンやミッション、ステアリング、ブレーキといった走りや乗員の命に関わるような重要部品にはそれ相応のしっかりした耐久性が与えられています。10万キロ以内で簡単に壊れることはありません。
そのため、軽自動車を選ぶ場合はステアリングやエンジンルーム、ボディ周り、ブレーキ、トランスミッションなど、主要パーツのチェックを普通車と同じように行えば良いという事になります。
軽自動車の安全性について
中古とか新車に関わらず、軽自動車には安全上のリスクが存在することも事実です。最近は国の行う衝突実験で普通車と同じ安全基準が適用されるようになりましたが、この実験には色々と穴があり完全に全ての安全性を確認することはできません。
例えば、国内では後からの衝突実験は行われていませんが、海外にも輸出されることのある普通車はアメリカや欧州で後部からの衝突実験を行います。そのため国内で実験が行われていなくても、充分な安全性を確保しているのです。これに対して軽自動車の後部安全性を確認する術はありません。
その証拠に実際の事故データを見ると、普通車より軽自動車の方が死亡率や怪我を負う率が高くなっています。ただし、軽自動車は車体が軽く運動エネルギーが小さいため、同じ車格の車と衝突する場合は、ボディがつぶれにくく安全性が高くなる傾向にあります。逆に大きなトラックや普通車とぶつかると、軽自動車のほうがつぶれやすくなります。
中古軽自動車のメリット
軽自動車には普通車の中古車には無いメリットもあります。それは事故を経験した車両が極端に少ないという事です。軽自動車はボディが華奢でつぶれやすいため、ちょっとした事故でもフレームなどボディの主要パーツが破損してしまいます。そのため普通に走れるように修理しようとすると、新車価格以上のお金が掛かってしまうのです。つまり「修理するくらいなら廃車にして新しく買い替えたほうがお得」となってしまうんですね。
ただしボディが華奢ということは、「ちょっとした衝撃で簡単に凹んでしまう」という事でもあります。中古で軽自動車を購入する場合は、特に念入りにボディ外観の凹みやキズをチェックしておいてください。
その他の軽自動車のメリットとしては、「税金が安い」とか「車を停める場所が小さくても大丈夫」、「狭い路地でもスイスイと走ることができる」といった事が上げられます。
このように中古の軽自動車には普通車には無いメリットとデメリットがあります。自分の使用環境とニーズに合わせてじっくりと選んでください。