5代目 ポルシェ 911 カレラ クーペ(996)【旧型レポート】モデルチェンジを経て、ぐっと扱いやすくなった本格的スポーツカー [GF-99666]

今回の旧型レポートは「5代目 ポルシェ 911 カレラ クーペ(996)」。
1997年から2002年に渡って製造販売されていた、2ドア・スポーツ・クーペです。

今回のモデルチェンジは、初代911から使い続けられてきた基本骨格を全面的に刷新する、初めての本格的なフルモデルチェンジです。

それに伴って環境問題への対応も進められており、旧い空冷エンジンを廃止して、新世代の水冷エンジンを搭載しています。

この新しいエンジンはボクスターのものと基本的には同じで、さらにフロアパネルについてもボクスターから流用されています。

スポンサーリンク

外観

全長4430mmX全幅1765mmX全高1305mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2350mmとなります。

34年ぶりのモデルチェンジとはいえ、そのスタイリグには初代のイメージが色濃く残されています。

フロント

初代ボクスターのデザインとよく似た、涙目型のヘッドライトが装備されます。旧い911のイメージを残しながらも、モダンでスポーティな印象に仕上がっています。

サイド

前後に大きく張り出したオーバーハング、三角形型のコンパクトなキャビン、ルーフラインからスムーズにリアエンドへと繋がるファストバックスタイル。どれをとっても911の文法がしっかりと守られています。もうちょっと新しい提案があっても良いのでは?とも思います。しかし、この911はポルシェの屋台骨を支える重要なモデルです。なかなか大きな冒険は難しいのかもしれません。

リア

大きく左右に張り出したリアフェンダーに小さなキャビンが組み合わされ、911ならではの力強くもスポーティなリアエンドを構成しています。

スポンサーリンク

内装

しっとりとした質感の高い樹脂に、上質な本革シートが組み合わされます。シンプルでスポーティな印象の内装デザインです。

ボディの見切り、見晴らし共に良好で、自信を持って白線ギリギリまで車を寄せることができます。

シート

適度なフィット感を伴ったセミバケットシートが装備されます。しっとりとした表皮とコシのあるどっしりとしたクッションが組み合わされ、長距離ドライブでも快適にこなす事ができます。

リアシートは狭いながらも、小さな子供くらいなら十分座ることができます。成人男性が座るにはちょっと窮屈ですが、スポーティな走りとある程度の実用性を併せ持つのも、このポルシェ911の大きな魅力です。

荷室

リアシートを倒すことで、ある程度の荷室スペースを確保することができます。また、フロントフード内に小さな荷室スペースがありますが、スペアタイヤでほとんど専有されてしまいます。

静粛性

第一線級のスポーツカーでありながら、巡航時は抜群の静粛性を示します。

スポンサーリンク

エンジンとミッション

3387ccの水平対向6気筒DOHCエンジンに、6速MTが組み合わされます。
エンジンは、300ps/6800rpmの最高出力と、35.7kgf・m/4600rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量1380kg。10モード/10・15モード燃費は、–km/lとなります。

エンジン

リアに搭載された3.4Lフラット6で後輪を駆動。低速域からフラットなトルクを発生、鋭い加速力で街中から高速域まで力強く走ることができます。

空冷エンジン特有のエンジンサウンドは失われましたが、鋭いレスポンスとスムーズなフィールを両立した素晴らしいエンジンです。

トランスミッション

コクコクと気持ちよく決まる剛性感の高いシフトフィール。フラット6の発生する巨大なパワーを、余すことなく路面に伝えます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはマルチリンク式サスペンションが装備されます。

足回り

少し引き締まったスポーティな足回り。フラットライドな乗り心地で、高速域では抜群の安定性を示します。

ハンドリング

ハンドリングスピードは意外とスローです。といっても反応が鈍いという訳ではありません。ドライバーの操舵に対して正確に反応して、素直にノーズの向きを変えていきます。

評価のまとめ

34年ぶりのフルモデルチェンジが行われ、旧世代の911を大きく上回る素晴らしいスポーツカーに生まれ変わっています。

ただ、こういった歴史のあるスポーツカーは、スムーズでパワフル、誰でも乗れる扱いやすさを手にしたからといって、必ずしもそれまでの熱狂的なファンに受け入れられる訳ではありません。

この911(996)も、新世代の空冷エンジンと洗練されたスムーズな走りが旧来のファンに嫌われ、賛否両論となった経緯があります。さらに下位モデルである「ボクスター」との共用パーツの多さや、よく似たフロントデザインも古くからのファンに良い印象を与えることはありませんでした。

といっても素晴らしい車である事に違いはありません。不人気車ゆえに中古車市場では手頃な価格で買うこともできます。しっかりとメンテナンスを行う予算があれば、「一度911に乗ってみたかった」という人から、「普段使いの出来るスポーツカーを探している」という人まで広くオススメできる車です。

価格

新車当時の価格 | 9,900,000円(消費税込み)

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)