今回の旧型レポートは「9代目 トヨタ カローラ G」。
2000年から2006年に渡って製造販売されていた、小型4ドア・セダンです。
トヨタが世界中で製造・販売する人気車種で、このセダンの他に、5ドアハッチバックとステーションワゴンもラインナップされていました。
また、2004年にはフェイスリフト(外観の小変更)を含むマイナーチェンジが行われています。
外観
全長4410mmX全幅1695mmX全高1470mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2600mmとなります。
柔らかなボディパネルで構成された、上質な3ボックススタイル。
フロント
ゆったりとした形状のフロントノーズに、緩やかな曲線で構成された大型のヘッドライトが装備されます。やさしい表情を持つフロントフェイスです。
サイド
傾斜のキツイAピラーに若干前のめりにレイアウトされたキャビンが組み合わされ、モダンでありながら保守的な印象のプロポーション。際立った特徴はありませんが、日本の風景にしっくりと馴染む大人しいスタイリングが身上です。
リア
リフトアップされたリアエンドに、メルセデスベンツのようなおむすび型のリアコンビランプが装備されます。適度な塊感を感じさせる力強いリアビューです。
内装
クラス標準以上の質感を感じさせる内装。
コンパクトなボディと、見切りの良いドライビングポジションによって、運転のしやすい車です。
シート
たっぷりとしたサイズとストロークを持つ快適なフロントシート。クッションには適度なコシがあるため、中距離(30km)程度であれば腰が痛くなることはありません。
リアシートには、大人二人が余裕を持って座れるだけのスペースがあります。フロントシートよりはストロークが短く形も平板になりますが、中距離(30km)程度の移動であれば問題ありません。
荷室
小型セダンとしては、サスの張り出しが大きく前後長も短めですが、家族4人で2泊3日旅行程度であれば十分可能です。
静粛性
日常領域や巡航時は比較的静かな室内空間を維持しています。ただし、アクセルを踏み込むとエンジン透過音が高まります。
エンジンとミッション
1496ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、110ps/6000rpmの最高出力と、14.4kgf・m/4400rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1060kg。10モード/10・15モード燃費は、17.2km/lとなります。
エンジン
1.5Lのツインカムエンジンで前輪を駆動。必要十分のトルクを持ち、この1t少々のボディを過不足なく走らせることができます。
ただ、急な坂道や急な加速を必要とする合流ポイントでは、少々パワー不足を感じてしまいます。
トランスミッション
非力なエンジンを補うため、急な坂道や加速を必要とする場面では、エンジン回転を高めてパワーを絞り出します。
ただし、それによってエンジンノイズやバイブレーションが高まるのも事実です。静粛性や燃費性能を高めるためには、CVTや多段化されたATが欲しいところです。
足回りとハンドリング
前輪にストラット式サスペンション、後輪にはトーションビーム式サスペンションが装備されます。
足回り
柔らかで乗り心地の良い平均的な足回り。高速域から日常領域まで、そつなくこなすことができます。
ハンドリング
過敏すぎず、かといって緩すぎる事もない、バランスの良いハンドリングフィール。運転する楽しさは少ないですが、疲れにくい中庸なセッティングです。
コンパクトなボディと、小回り性能の高さによって、狭い路地でも簡単に切り返すことができます。
評価のまとめ
トヨタが世界中で売りまくり、同時に日本国内でも長年に渡ってトヨタを支え続けたベストセラーカーです。当時は今と違って、このカローラが販売台数のトップを抑えることも多かったのです。
嫌味のないオーソドックスなスタイリングですが、その分個性は希薄です。足回りやエンジンには、日常領域で使うだけなら何の不自由もない必要十分な内容が与えられています。まさにトヨタの「80点主義」をそのまま現実化したような車です。
「かっこよさや所有感、走る楽しみといった事より、何よりも車の実用性を重視したい」といった人にピッタリな車です。
価格
新車当時の価格 | 1,617,000円(消費税込み)