今回の旧型レポートは「2代目 ジープ ラングラー スポーツ ソフトトップ」。
1996年から2006年に渡って製造販売されていた、2ドア・オープンの本格的クロスカントリーです。
第二次大戦中、アメリカ陸軍の発注によって製造されていた軍用車輌がこのジープの原型です。当時、製造には複数のメーカーが関わっていましたが、この中でも、ウィリス社が製造したいたジープこそ、現在のジープ・ラングラーに繋がる源流です。
また、日本市場で一時アメリカ車のシェアがトップだったのは、このラングラーとチェロキーのおかげです。
外観
全長3915mmX全幅1740mmX全高1800mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2375mmとなります。
シンプルな直線で構成された、質実剛健なスタイリング。オリジナルジープの趣をしっかりと現代に伝えています。
フロント
四角いボディに大きなフェンダー。丸いヘッドライトと一体化された大きなグリルが印象的です。力強くもなぜか愛嬌のあるフロントフェイスです。
サイド
ロングノーズに小さな四角いキャビン。車高の高さが相まって、高いオフロード性能を表現する機能的なデザインです。
リア
がっしりとしたリアエンドに、僅かな丸みを帯びた角型のリアコンビランプが組み合わされ、簡素で力強いリアスタイルを構成しています。
内装
シンプルながら、意外と内装のデザインはモダンです。機能もしっかりと整理されているため、使い勝手は良好です。アイポイントが高くボディの見切りもよく、取り回しに苦労することはありません。
シート
がっしりとしたフレームにしっかりとしたクッション、ソフトな表皮パッドが組み合わされ、快適な座り心地です。悪路でボディが揺すられても、しっかりと体勢を維持する事ができます。
リアシートは、クッションが薄くシートバックの高さも足りない簡易なシートです。といっても、短距離(10km)程度の使用であれば問題ありません。
荷室
荷室は小さく、道具箱+アルファ程度のものしか積めません。
静粛性
エンジン音とロードノイズ、風切音ともに大きく、静粛性能は低いです。
エンジンとミッション
3959ccの直列6気筒OHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、175ps/4600rpmの最高出力と、29.6kgf・m/3600rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量1540kg。10モード/10・15モード燃費は、6.8km/lとなります。
エンジン
4.0Lの持つストレート6で4輪を駆動。低速からたっぷりとしたトルクを発生する力強いエンジンです。特に低速域での力強さがものをいう荒れ地やオフロードでは、抜群の使い勝手の良さを誇ります。ただし、ノイズやバイブレーションは大きめですが。
トランスミッション
力強いガッシリとしたフィールの5MTが装備されます。スポーツカーのような小気味良さこそありませんが、このジープのキャラクターにはぴったり合っています。
足回りとハンドリング
前後ともにリジッドアクスル(車軸懸架)式サスペンションが装備されます。
足回り
どんな荒れ地に持ち込んでも、びくともしないタフな足回り。その反面、乗り心地は硬く、快適性は低いです。といっても先代(YJ型)のリーフスプリングから、今回はコイルスプリングに変更され、相対的な乗り心地は向上しています。
ラダーフレーム+リジッドサス独特のユサユサとした揺れを感じます。高速安定性もいまいちです。
ハンドリング
ラダーフレーム+リジッドサスに本格的な4WDシステムが組み合わされるため、オンロードで気持ちよくコーナーをクリアするような走りは苦手です。常に4WD車独特の曲がりにくさが伴います。
反面、アップダウンの多い荒れ地や岩場では、その短いホイールベースを活かして、抜群の取り回しの良さを発揮します。
評価のまとめ
このジープは悪路に特化した構造を持つ、本格的なオフロード車です。そのため、オンロードの快適性や素直なハンドリング等を期待して購入すると、後で大きな後悔をする事になります。
ただ、このワイルドなスタイルに惚れて購入するという場合も、「オンロードでの快適性なんてどうでもいい!」という強い気持ちがあれば、なんとかなるかもしれません。その場合は、購入前にじっくりと試乗してみる事をオススメします。ディーラーの周りをグルリと一周するだけではなく、是非、自分が普段使う道や、自宅の車庫に乗り入れてみてください。
自分の使い方とこの車の性格がどこまで合うのか、確実に検証することができます。
価格
新車当時の価格 | 2,449,000円