MTは自動車が開発された当初から存在していた古い技術ですが、対するATは1940年代に開発された比較的新しい技術です。
ATが市販車に搭載されるようになった当初は、伝達効率が悪く「燃費が伸びない」とか、「スピードが出ない」と言われ評判は今ひとつでした。しかし最近は徐々に技術開発が進み、それに伴って燃費も大きく改善されています。
CVTやDCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)のような新しい仕組みを持つATも現れ、MTと比べても遜色の無い高い伝達効率を持つようになっています。
ATのメリット
AT最大の長所はなんといっても運転の簡単さです。それにともなって、「AT限定免許」という短い時間で所得できる免許証も登場しています。面倒なギアチェンジやクラッチ操作がいらないのですから、運転の苦手な人には大きな喜びでしょう。
最近では運転のプロと呼ばれる人たちが操作する、トラックやバスといった大型車種にもATが装備されるようになっています。これは運転が苦手な人のためというよりも、運転の疲労を軽減するという目的が大きいです。
ATのデメリット
ただし、こういったATのメリットには、相反するようにデメリットもありまず。簡単に操作できるからこそ、アクセルとブレーキの踏み間違えが起きやすく、「誤発進事故」が頻発しているのです。
また、運転好きな人たちからは、「車との一体感が得られにくい」といった理由で敬遠される事もあります。
MTのメリット
MTのメリットは、仕組みが簡単で軽量・コンパクトという点にあります。また、直接エンジンと車軸が繋がるため、伝達効率が高いといったこともあります。
ギアの選択からクラッチの切断、再接続まですべてドライバーが自分で行うので、それが運転する楽しみに繋がると喜ぶ自動車好きも多いです。
MTのデメリット
MTのデメリットは、「技術取得にある程度の時間が掛かる」という事と、常にドライバーの操作を必要とするため、「渋滞など頻繁にギアチェンジを必要とするシーンでは疲れてしまう」といった事があります。
秋ろーもMT車の運転が大好きですが、流石に何時間も続くような大渋滞では、全車速追従機能を搭載したクルコンが恋しくなります。
MTの内部構造
MTの場合は、エンジンから出力された回転力を、クラッチを通じて内部に設置された数組の歯車に伝達、この歯車の組み合わせによってトルクや回転数を調整しています。その後、適切に調整された回転力は、車軸側へと出力され、自動車の推進力として使われます。
ATの内部構造
これに対してトルクコンバータ方式のATの場合は、クラッチの代わりに「ATフルード」と呼ばれるオイルが使われます。エンジンから出力された回転力は、このATフルードを通じてAT内部に伝達され、遊星歯車(プラネタリーギア)によって減速比が制御されます。トルクや回転数が適切に制御された回転力は、その後はMTと同様に車軸側へと出力され、車の推進力として使われます。