オートマチック・トランスミッション(AT)の故障と不具合、その症状と対処について【点検とメンテナンス】変速しないとか変速が遅れるといったトラブルを防ぐ!

BMWのAT

「オートマチック・トランスミッション(AT)」とは、それまで手動で変速していた「トランスミッション」を自動的に変速できるようにした装置のことです。

大まかに分類すると「ATフルード」を使って変速する「トルコン式」と、ベルトとプーリーを使って連続的に変速する「CVT」、二枚のクラッチを使って変速する「デュアルクラッチ式」などがあります。

いちいち速度とエンジン回転に合わせてクラッチを切り、手動でギアを選択する必要が無いので今では多くの車に採用されてます。それまでATのウィークポイントと言われていた「価格の高さ」とか「燃費の悪さ」なんかも随分解消されてます。

ただし、扱いやすくなったといっても点検やメンテナンスが要らなくなったわけじゃありません。「マニュアル・トランスミッション(MT)」とはまた違った、管理が必要なんです。

ということで今回は、そんな「オートマチック・トランスミッション(AT)」の中でも一番オーソドックスな「トルコン式」について。故障や不具合を未然に防ぐには、どういう点検やメンテナンスをしたらいいのか解説してきます。おまけとして、「どういう使い方をしたらさらにATを長持ちさせられるか」。それから「小さなトラブルの症状とその対処方法」についても触れていきます。

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ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)の役割

「オートマチック・トランスミッション」は、エンジンから出力された動力を、内部のギアで自動的に変速してタイヤに伝えてます。この時、トランスミッション内で力を伝達しているのが「ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)」と呼ばれる、AT専用のミッションオイルです。ATFは動力の伝達と共にトランスミッション内の冷却、洗浄、パーツ同士の潤滑など様々な仕事を一手に行ってます。

要するに「ATF」は、オートマチック・トランスミッションにとって無くてはならない重要なパーツなんです。

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ATFが劣化し始めると?

ATFが劣化してくると、トランスミッションにも様々な不具合が出始めます。

具体的にはシフトショックが大きくなったり、「R」や「N」、「D」に入れた時、すぐに変速されずしばらく間をおいて変速するようになります。また、アクセルを踏んでも思ったように加速してくれない、なんてこともあります。

この程度の不具合なら、ATFを交換するだけで改善されることが多いです。ただし、この状態のまま放置していると、さらに劣化が進んでアクセルを踏んでもまったく進まないとか、ギアが変速しないといった大きめのトラブルへと発展しちゃいます。ここまで来ると車がスムーズに動かないだけじゃなくて、トランスミッション自体が完全に壊れてしまうこともあるんです。

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トラブルを未然に防ぐには、ATFの点検と交換が大切

こういったトラブルを未然に防ぐには、とにかくATFの定期的な点検と早め早めの交換が大切です。ATFの点検はエンジンルーム内のレベルゲージを確認するだけで簡単にできます。

DIY

【DIY】ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)のオイル量チェック(点検とメンテナンス)

2016年5月27日

簡単と言っても機械に苦手意識がある人もいるでしょう。そんな人は行きつけのディーラーか整備工場にお願いして、定期点検してもらえば間違いないです。定期点検ならATFだけじゃなくて、消耗パーツ全般の点検が受けられます。ディーラーならキャンペーンやクーポンもあるんで、無料や格安で点検を受けられることもあります。気になる人は、ディーラーの公式サイトか直接店舗へ問い合わせてみてください。

ATF交換のタイミング

ちょっと前の古い車は、2万キロごとのATF交換を推奨していました。現在は技術が進んだこともあって、5万キロから10万キロごとの交換を推奨している車が多いです。

ただし、この交換条件は車種や車の使用状況によって大きく異なります。例えば、大きなパワーを発生するスポーツカー。こんな車は普通に走っているだけで、トランスミッションに大きな負荷を与えてます。車を大事にする人だと、メーカーの推奨値を無視して1万キロごとに交換するなんてケースもあるくらいです。

まあ、普通はメーカーの推奨値に合わせていれば特段の問題ないですけどね。詳しくは行きつけのディーラーに相談するか、車に付属している取扱説明書を読んでください。

オートマチック・トランスミッションを長持ちさせるには?

オートマチック・トランスミッションを長持ちさせるには、定期的な点検とAFTの交換。それから普段の扱い方も大切です。

例えば、ATを操作する時。せっかちな人は、車がまだ完全に停止していないのにシフトを操作して、強引に「D」から「R」へと変速しちゃいます。

こういった乱暴な操作をすると、トランスミッションに無駄な負担を掛けてしまいます。場合によってはATFだけじゃなくて、トランスミッション自体にもダメージを与える可能性があるんです。

トランスミッションを少しでも長持ちさせたいと思うなら、こんな乱暴な扱い方はやめてください。ATシフトの操作は、車が完全に停止したのを確認してからやりましょう。

その他、「赤信号や渋滞で停車する際、ATにダメージを与えない使い方」については下の記事にまとめてます。よかったら見てください↓

BMWのAT

赤信号待ちや渋滞で停車する時、正しいATの位置は「D」か「N」か?【運転のコツ】

2017年4月7日

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)