今回の旧型レポートは「5代目 ホンダ シビック SiR Ⅱ」です。
この5代目ホンダ・シビックは、1991年にモデルチェンジが行われたスポーティな2ドアハッチバック。
現在と異なり、当時のホンダは若々しくスポーティな車づくりを得意とするメーカーでした。
通常、シビックのような量販車は、生活感あふれるカローラのような車づくりがされますが、当時のホンダは自社のキャラクターを存分に活かしたスポーティな車に仕上げています。
外観
全長4070mmX全幅1695mmX全高1350mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2570mmとなります。
ロー&ワイドでスポーティな形状のボディが与えられています。当時は、この3ドアハッチバックの他に、4ドアセダンの「フェリオ」も用意されていました。
フロント
低くく抑えられたボンネットに、横長のヘッドライトが組み合わされ、スポーティで躍動感のあるフロントフェイスです。
サイド
先代のシビックの面影を色濃く残すサイドビュー。低く抑えられたルーフに短いフロントオーバーハング、しっかりと傾斜したAピラーが相まって若々しい印象です。
リア
緩やかに下降するルーフラインと薄くワイドなリアウィンドウ、低い位置にレイアウトされた薄型のリアコンビランプにより力強さがさらに強調されています。
内装
プラスチッキーな質感の内装です。といってもデザインが清潔でシンプルなため、安っぽさは微塵もありません。美しいプレーンな形状のステアリングが装備されています。
ボディが大きいわりに車高が低く、頭上空間は狭めです。4ドアセダンでも頭上空間の窮屈さはかわりませんが、ホイールベースがさらに拡大されるため居住性は高くなります。
シート
立体的な形状のスポーティなシートが装備されます。長時間座っていると体圧が集中して腰が痛くなりそうです。中距離(30km)程度の使用であれば問題ありません。
リアシートは平板なデザインで頭上高も低く、大人が長時間移動するには向きません。緊急用シートとして割り切った使い方が必要です。
荷室
大きなボディを生かして、荷室にはたっぷりとした容量が確保されています。シートバックを倒すとさらに荷室を拡大して、ステーションワゴンのように使うことができます。
静粛性
静粛性はクラス標準レベルです。
エンジンとミッション
1595ccの直列4気筒DOHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、170ps/7800rpmの最高出力と、16.0kgf・m/7300rpmの最大トルクを発揮します。
車両重量は1050kgで、10モード/10・15モード燃費は、13.0km/lとなります。
エンジン
1.6Lエンジンで前輪を駆動します。このエンジンには伝家の宝刀「VTEC」機構が装備され、高回転域までどこまでも回り続けるような気持ちのいい吹け上がりをみせます。
トランスミッション
このエンジンのおいしい所までしっかりと使い切ろうとするなら、ギアをギリギリまで引っ張りながら、エンジン回転を高めに保ってドライブする必要があります。
腕に自信の無い人や、そんな走りはしないという人には、VTECのついていない通常のツインカムエンジンや、シングルカムエンジンがオススメです。
足回りとハンドリング
前後輪ともにダブルウィッシュボーン式サスペンションが装備されます。
足回り
先代シビックのストロークの短いサスから、ストロークが長く、ロードホールディング性能に余裕のあるサスに換装されています。
しなやかかつ引き締まった乗り心地で、路面の段差も上手にいなします。
ハンドリング
ホンダらしいスポーティなハンドリングです。今回のシビックから、ある程度のロールを許容するセッティングに変更され、いつまでも路面を捉え続ける粘り腰となっています。
素直なハンドリングで、ステアリング操作に対して自然にボディが向きを変えます。
評価のまとめ
VTECは確かに気持ちいいエンジンですが、普通に使うぶんには、VTECの付いていない通常のエンジンで十分です。
また、普段人を乗せる機会があまりなく、後席を荷物置き場兼、緊急用シートとして使うという人なら、スポーティで若々しいスタイルを持った「3ドアハッチバック」をオススメします。
シビックのような量販車にも、スポーティで若々しいイメージを感じるさせるのが、昔のホンダの素晴らしいところですね。
価格
新車当時の価格 | 1,620,000円