アルファロメオ 145 クアドフォリオ【旧型レポート】ノスタルジックな味わいを残す3ドアハッチバック [GF-930A534]

今回レポートする旧型車は、イタリアの「アルファロメオ 145 クアドフォリオ」です。
この145は、1994年に「33」の後継車種としてデビューした3ドアハッチバックです。

日本市場では2001年まで販売され、その後、後継車種の「147」にバトンタッチされています。

145はかつて1970年代に生産されていた「アルファ・スッド」直系の流れを受ける車です。アルファ・スッドは当時の「スバル1000」をベースに開発されていたため、エンジンにはスバル1000によく似た「水平対向4気筒」が搭載されていました。

その流れを組む145も、当初は水平対向エンジンを搭載するモデルもラインナップされていましたが、フィアットグループの方針によって合理化が進められ、「ツインスパーク・エンジン」に一本化されてしまいました。

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外観

全長4065mmX全幅1710mmX全高1425mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは1240mmとなります。

斬新でアヴァンギャルドな、今見ても古さを感じさせない新鮮なデザインです。この145には5ドアハッチバックの「146」がラインナップされていましたが、そちらはごく平凡なセダンに近いスタイリングとなっています。

フロント

アルファロメオ伝統の盾形グリルに小さな四角いヘッドライトが組み合わされ、スポーティでアバンギャルドな個性的なスタイリングです。

サイド

Bピラー(前から2番目の柱)から後ろに長いガラスエリアが配置されているため、ハッチバックというよりも小さなステーションワゴンといった感じがします。

くさび形の短いボディにクッキリとしたキャラクターラインが刻まれ、軽快感と重厚感のバランスした魅力的なスタイルに仕上げられています。

リア

リアウィンドウのボトムラインが僅かにV字型に折り曲げられ、そこに絶妙なバランスでアルファロメオの紋章が配されています。

横長の薄型リアコンビランプと組み合わされ、軽快感のある個性的なリアエンドを形作っています。

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内装

プラスチッキーで簡素なインテリアですが、機能的にまとめられているため違和感はありません。大きな3眼メーターが組み合わされ使い勝手も良好です。

シート

しっかりしたフレームに分厚いクッションが使われ、適度なサイドサポートも施されています。そのため、長時間座っていても腰が沈み込んで痛くなることはありません。

リアシートはやや平板なデザインですが、短距離(30km程度)の使用であれば問題ありません。足元、頭上空間ともにまずまずの余裕がありますが、足が長い人の場合は、少し膝下に空間が空いてしまうかもしれません。

荷室

コンパクトなボディの割に、奥行きのある広い荷室が用意されています。2人で2泊3日程度であれば十分にこなすことができます。

静粛性

プレミアムブランドといいながらも、コンパクトな3ドアハッチバックですから静粛性はそれなりです。風切音やロードノイズなどが侵入してきますが、気になるほどではありません。

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エンジンとミッション

1969cc直列4気筒DOHCエンジンに、5速MTが組み合わされます。
エンジンは、155ps/6400rpmの最高出力と、19.1kgf・m/3500rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量は1240kgとなります。

エンジン

このツインスパークエンジンの基本設計は相当古く、大昔のF1エンジン技術を応用したものです。一つのシリンダーに対してスパークプラグを2つ配して、燃焼効率を高める工夫がされています。

そのため、バイブレーションと音が若干大き目なのですが、回すとなんとも言えないレーシーな古き良き時代の趣を残す魅力的なエンジンです。

トランスミッション

組み合わされるマニュアルトランスミッションは、どこかゆったりとしていてアルファの味にぴったりなリズムを持ちます。最新型スポーツカーのようなカチカチと小気味良く決まるフィールとは異質のものです。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソン・ストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

足回り

アルファロメオはその外観イメージとは裏腹に、少しダルなフィールを特徴とするメーカーです。

そのため、コンパクトでスポーティな走りを期待してアルファロメオに乗ると少し期待を裏切られる事になります。

しかしこの妙に緩いフィールが、実は計算されたバランスの上に成り立っているため、しばらく乗っているとアルファの魅力に取り憑かれることになります。

ハンドリング

この妙に緩いフィールは、足回りだけではなくハンドリングにも与えられています。もちろん車全体で絶妙なバランスが取れているため、次第に違和感は気持ちよさへと変化していきます。

ロールを許しながらもサスが沈み込んだところでジワリと踏ん張るため、イメージ通りのラインを自然にトレースする事ができます。

評価のまとめ

アルファロメオは、フィアットグループ内でプレミアムブランドの位置をしめています。ブランド価値としては、メルセデス・ベンツやBNWに次ぐ位いでしょうか。それが当時の価格で269万円から購入できたのですから、バーゲンプライスとしか言いようがありません。

最高速度が上がり環境問題にも対応するとなると、ドイツ車的な味付けになるのはいたしかたありませんが、現代のアルファロメオは徐々に近代化されて行き、当時の味わいを少しずつ失いつつあります。そのためこの当時のアルファロメオは、古き良き時代の味わいを色濃く残す最後の世代ともいえます。

この世代のアルファロメオは現在でもいくらか中古車市場に流通しています。ただし、程度はあまり期待できませんので、しっかりと直して乗ろうと思うとかなりの出費を強いられる事になります。

価格

新車当時の価格 | 2,690,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)