ハザード・ランプとは、ウィンカーを左右同時に点滅させることによって、周りの車や人に自車の状況を知らせるための灯火装置です。
このハザード・ランプの意味としては、本来の使用方法による2つの意味と、いつのまにか暗黙のサインとして使われるようになった2つの意味の合計4つがあります。
ハザード・ランプの本来の意味
ハザードランプは正式名称を「非常点滅表示灯」といい、本来は「自動車の故障により路上に駐車していること」を伝えたり、「牽引されることにより徐行していること」を他の車や歩行者に伝えるために装備されているものです。
これは、教習所でも教えてもらう使い方ですので、多くの人が覚えていると思います。
ハザード・ランプの暗黙の意味
これに対して、長年の交通状況により自然と使われるようになった暗黙のサインとして、「前方が渋滞しているためこれから停車する、もしくは既に停車しているという注意喚起」の意味と、道を譲ってもらった時に使う「ありがとうのサイン」の意味があります。
前方が渋滞をしている時に使うハザードランプは、後続車が完全に停止するまで点灯しますが、「ありがとうサイン」の場合は2、3回短い間隔でチカチカとハザードスイッチを小刻みにクリックするだけです。
こういったハザードの使い方は、どこでも教えてくれませんが、日本全国で幅広く使われていますので、覚えておいた方がいいでしょう。
渋滞を後続車に知らせるハザード
前半に紹介した「本来の使い方」は必ず覚えて、自分でも使えるようにしておかなけらばなりませんが、後半の「暗黙のサイン」については、ケースバイケースで使い所を考える必要があります。
前方が渋滞している時に使うハザードは、元々大型トラックのドライバーがお互いの意思伝達のためにやりはじめたものです。大型トラックはボディが大きく後続車からは前方が見通せないため、後続車の追突を防ぐ目的でハザードを点灯しています。
そのため、ボディの小さな普通車が無理に渋滞の最後尾でハザードを点灯する必要はありません。ただ、渋滞が無いと思ってぼーっと走っているドライバーもいるため、周りの見通しが悪い場所、特に大きなカーブの途中とか、上り坂の頂上付近では念のためハザードを点灯しておいたほうが無難です。
また、高速道路は多くの人が自動車が停止しているとは思わない場所です。そのため高速道路の渋滞最後尾ではハザードを点灯しておいた方が安全です。
ありがとうハザードは無理に使わなくても良い
また、最後の「ありがとうハザード」ですが、これもトラックなど大きな荷台に隠れてドライバー同士が見えないため、トラックドライバーが自然発生的に始めた意思伝達の方法です。
ただ、普通車の場合、相手の顔が確認できるようであれば、直接ニッコリ微笑んで手を挙げるほうが感じも良いし、余計な操作がいらない分、安全でもあります。ただし、夕暮れ時や夜間など、相手が視認できない状況では「ありがとうハザード」を使ったほうが便利なこともあります。これについては、ケースバイケースでその状況に合った方法を選んでください。