トヨタ・ヴェルファイア(初代)は、2008年に登場して以来2015年までの7年に渡って販売されていた、トヨタ自動車が製造販売するLクラス・ミニバンです。
ネッツ店で販売されていた「アルファードV」の実質的な後継車ととして位置付けられています。
今回はこの「トヨタ・ヴェルファイア(初代)」について、「中古車で買う時に注意した方が良いポイント」について詳しく解説したいと思います。
兄弟車のトヨタ・アルファード(2代目)の試乗レポートについては、「2代目 トヨタ アルファード【試乗評価】」のページをご覧ください。
目次
- ヴェルファイア(初代)の概要
- ヴェルファイア(初代)をあえて中古で買うメリット
- 新型に比べると優しい印象の外観
- 古き良きトヨタの雰囲気が残る上質な内装デザイン
- 程度の良い中古車が沢山出回っている
- 気になるポイントをチェック(デメリット)
- 下位グレードの走りは今ひとつ
- バタつく足回り
- 年式による違い(マイナーチェンジ情報)
- ハイブリッドモデルの追加
- 外観上の変更点
- 内装の変更点
- オプション装備の充実
- リコール情報について
- ベルファイア(初代)のリコール情報
- まとめ
ヴェルファイア(初代)の概要
この「トヨタ ヴェルファイア(初代)」は、初代アルファードのネッツ店向けモデルであった「アルファードV」の後を継ぐ形で登場しています。そのため、基本構造は兄弟車のアルファード(2代目)と共通するものの、前後のデザインにはベルファイア専用のものが与えられ、若々しくアグレッシブなデザインとなっています。
この堂々とした押し出しの強いスタイリングと大きなボディによるたっぷりとした室内空間の広さが受け、Lクラスミニバン市場の中で大きな人気を誇っていました。
ヴェルファイア(初代)をあえて中古で買うメリット
2015年に登場したヴェルファイア(2代目)は、初代からさらにスタイリングをアグレッシブに進化させ、メカニズムにも大きな刷新が行われています。
ただ、その分、初代にあった良さが失われている部分もあり、人によってはあえて中古車で初代を買った方が「値段も安いし好みにもマッチする」という場合があります。
新型に比べると優しい印象の外観
ベルファイアの外観は基本的にアグレッシブでスポーティな傾向がありますが、2代目ではさらにこの傾向が強まり、場合によっては「やりすぎだなあ」と感じる人もいます。
そんな人には、ベルファイア(初代)の中古車をお勧めします。初代は2代目ほどの派手さは無いものの、抑制の効いた程よい「押し出しの強さ」があるからです。
古き良きトヨタの雰囲気が残る上質な内装デザイン
ちょっと前のトヨタ車は、どこにテーマがあるのか全く理解に苦しむ「有機的な曲線をまとった妙な内装デザイン」ばかりだったのですが、最近のトヨタ車ではこの路線が改められ、直線基調の落ち着いた高品質なデザインに回帰しつつあります。
このヴェルファイア(初代)には、トヨタが妙なデザインに走り出す前の「保守的で上質なインテリアデザイン」が与えられています。この時代のトヨタ車は、「トヨタの内装の作り込みは日本一だ」と評判で、トヨタに辛辣な意見を言う人にも一目置かれるほどでした。
地元のお金持ちの家にお呼ばれしたような、上質で品格のあるそれでいてどこか懐かしい感じを抱かせるデザインです。2代目の内装デザインも直線基調で安心できる上質なものですが、この「古き良きトヨタの内装デザイン」が好きという人は「初代」を購入した方が満足できると思います。
程度の良い中古車が沢山出回っている
ベルファイアは人気車種のため、程度の良い中古車がたくさん市場に出回っています。そのためしっかりと整備の行き届いた低年式の車を探せば、お得な値段でヴェルファイアに乗ることができます。程度の良い個体なら10万キロ位からさらに2、3年は平気で使うことができます。また、10万キロ付近でしっかりとしたリフレッシュをしてやれば、さらに寿命を延ばすこともできます。
気になるポイントをチェック(デメリット)
旧型モデルには新型で改善されているポイントが、そのままウィークポイントとして残されている場合があります。ウィークポイントは人によっては気にならない事もありますが、後で後悔しないようにしっかりココでチェックしておきましょう。
下位グレードの走りは今ひとつ
ベルファイア(初代)にはグレードに応じて「2.4リッターのガソリンエンジン」、「3.6Lのガソリンエンジン」、「2.4リッターガソリンエンジン+電気モーターのハイブリッドシステム」という3種類のパワーユニットが用意されています。
この中で「2.4リッターのガソリンエンジン」を搭載する下位グレードは、大きなベルファイアのボディを引っ張ってグイグイと加速するには少し力が不足しています。街中でゆるゆると普通に走るだけなら十分ですが、流れをリードするような力強い走りは苦手種目です。
ただ、始めから「ベルファイアの押し出しの強い外観をリーズナブルな価格で購入する」というしっかりとした目的がある人ならば、後になって後悔することはありません。そのため、少ないコストでベルファイアを購入できる「2.4Lのガソリンエンジン」搭載車は、そういう割り切った目的意識のある人にはピッタリなグレードとなります。
逆に、大きなボディに見合った力強い走りを求める人には、上位グレードの「3.6リッターエンジン」か、「ハイブリッドモデル」をオススメします。
バタつく足回り
新型のベルファイア(2代目)で改善された大きなポイントの一つが、リアサスペンションのダブルウィッシュボーン化ですが、この初代ベルファイアには、スペース効率に優れるものの、乗り心地の面で不利になる「トーションビーム式リアサスペンション」が装備されます。
そのため、なめらかな路面では上質な乗り心地が味わえるものの、荒れた路面となると途端にリアがバタバタと暴れて不快な衝撃を室内に伝えます。
年式による違い(マイナーチェンジ情報)
新車を購入する場合はメーカーと車種を選ぶだけですが、中古車の場合は、これに「年式を選ぶ」という一手間が加わります。年式が違えば、装備や細かい改修箇所が変更される場合もあり、全く違った印象の車となる事もありますので、購入前にしっかりと予備知識を仕入れておく必要があります。
2008年に登場したこの「トヨタ ヴェルファイア(初代)」の場合は、2011年の9月にビッグマイナーチェンジが発表されています(発売は同年の11月から)。
ハイブリッドモデルの追加
2011年のビッグマイナーチェンジにより、待望のハイブリッドモデルがラインナップに加わりました。そのため、ハイブリッドのヴェルファイア(初代)を購入するには2011年以降のモデルから探すしかありません。
ハイブリッドシステムには、エスティマハイブリッドと同じ「THS 2」が搭載されます。この「THS 2」システムは2.4リッター直列4気筒エンジンと、前後に2つの電気モーターが搭載される4WD車となります。フロントモーターとエンジンが協調して駆動することで燃費の効率を高め、リアモーターは後輪のトルクが必要になった時に作動して車体を安定させる働きがあります。
外観上の変更点
マイナーチェンジによる外観上の変更点は、フロントグリルのデザイン、フロントバンパー形状、リアガーニッシュ、リアコンビランプのパターン形状などです。これにより、上級Lクラスミニバンにふさわしい上質な外観に磨きをかけています。
内装の変更点
内装ではスピードメーターのデザイン変更、シート表皮のパターン変更、より上質な木目トリムへの変更が行われています。
オプション装備の充実
モニター表示によって車外の様子を一目で見渡すことができる「パノラミックビューモニター(360°)」と、対向車の有無をセンサーが感知して自動的にハイビームを切り替える「オートマチックハイビーム」をオプション装備で選択できるようになりました。
リコール情報について
「リコール情報」は、自分でトヨタ公式ホームページに対象車の「車台番号」を入力するか、車をディーラーに持ち込めば簡単に調べることができます。
ヴェルファイア(初代)のリコール情報
秋ろーがのトヨタの公式ホームページで確認したところ、ヴェルファイア(初代)のリコール情報は確認できませんでした(2016年12月15日現在)。
購入後にリコールによる未改修箇所を発見した場合でも、トヨタの正規ディーラーに持ち込めば、きっちりとしたリコール対策を施して貰えますので心配は無用です。
ただ、前のオーナーが面倒くさがってリコール改修を行っていない場合もありますので、中古で購入した場合は一度確認しておいてください(普通の中古車販売業者なら確認しているがずですが念のため)。
まとめ
トヨタ・ベルファイア(初代)は、耐久性の高い車ですから、予算に応じて年式の低い個体を購入したとしても通常であれば大きな心配は要りません。ただ、管理が悪かったり、ハズレの個体にあったりした時はこの限りではありませんので、しっかりとした「整備記録簿」の残っている個体を信頼のできる業者から購入する事が大切です。
また、3年5年と長く乗ろうと考えている人には、高年式の2011年以降モデルをオススメします。2011年にはビッグマイナーチェンジが行われているため、機械の熟成も進み初期モデルにあった軽微なネガも潰されています。加えて年式が新しい分だけ残された車両寿命も相対的に長くなります。
また、ハイブリッドモデルもこの年からラインナップされていますでの、ハイブリッドモデルを買いたいなら2011年式以降のモデルを買うしかありません。
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