初代 アウディ A3 1.8(1998年式)【旧型試乗】先進的なスタイリングを纏ったゴルフ4 [GF-8LAGN]

今回は「初代 アウディ A3 1.8(1998年式)」を試乗レポートいたします。
この初代アウディA3は、1996年に登場した全く新しいブランニューモデルで、日本市場では翌年の1997年より販売されています。

1997年から発売されたフォルクスワーゲン ゴルフ4とは、基本プラットフォームを共有する兄弟車の関係にあたります。

そのため、それまでのアウディが採用していた「縦置きエンジンFFレイアウト」と異なり、ゴルフと同じ「横置きエンジンFFレイアウト」のプラットフォームを採用しています。

最新型のアウディA3については、「【試乗レポート】新型アウディA3 1.4 TFSI スポーツバック」のページをご覧ください。

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外観

全長4150mmX全幅1735mmX全高1420mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2515mmとなります。

当初の初代アウディA3には3ドアしか設定がありませんでしたが、この3ドアは5ドアには無いスポーティで贅沢な独特の佇まいがあります。日本ではこういった車の3ドアというのは実用性が低いということで人気がありません。しかし、どうせ普段は1人か2人でしか乗らないのですから、見た目のかっこ良さで選んでも後悔することはないでしょう。

ただ3ドアは見た目のかっこ良さとは裏腹に、ドアが大きく長くなるというネガを持っています。そのため、狭い路地の乗り降りが多い人や、自宅の駐車場が狭いという人はドアの短い5ドア版の方が無難です。

フロント

当時のアウディA4等と共通するイメージが与えられています。細長いグリルにアウディのエンブレムがレイアウトされており、クリーンで先進的な印象のフロントフェイスに仕上がっています。

サイド

「横幅が広く全長が短い」というデザインの難しいプロポーションを持ちますが、特徴的な台形フォルムを使うことで上手くまとめる事に成功しています。それまでの車には見られなかった文法による、斬新でかっこいいデザインです。

リア

直線基調のがっしりとした骨格に、張りのある上質な外板が貼り付けられており、当時アウディのデザイナーが盛んに口にしていた「エモーショナル(感情的な・情緒的な)」が最大限に表現されています。

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内装

基本骨格はゴルフと共通ですが、内装にはA4オリジナルのインパネが使われています。質感はクラス標準的なレベルですが、合理的で清潔感のあるインテリアデザインです。ステアリングには、クワトロ系に使われているステアリングと共通のイメージが採用され車内にスポーティな雰囲気を与えています。

フロントシートには、しっかりした厚みと適度なコシが与えられ、長時間運転していても疲れることはありません。ドイツ車ならではの硬めのシートです。

リアシートの座面は必要最小限の大きさを確保しており、中距離程度(30km)の移動であれば問題ありません。ただ、シートバックの高さは不足気味で、傾斜した太いCピラーの影響で頭回りには窮屈感があります。

荷室はハッチバックスタイルながら必要最小限の広さが確保されており、家族で一泊程度の旅行なら十分にこなせます。

静粛性はプレミアムカーとしては低く、ゴルフ4と同等レベルです。

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エンジンとミッション

1780ccの直列4気筒DOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、125ps/6000rpmの最高出力と、17.3kgf・m/4200rpmの最大トルクを発揮します。

車両重量は1190kgで、10モード/10・15モード燃費は、10.8km/lとなります。

この自然吸気エンジンはゴルフ4に使われているものと基本的に同じ設計です。そのため、アクセルを煽るとガーガーと五月蠅い大衆車的な音を奏でます。

ただ、日常域での不足感はなく、必要なだけのトルクをいつでも十分にひねり出すことができます。また、坂道や合流でもたつくような事もありません。

組み合わされる4速ATの基本設計もゴルフ4と共通です。加速に必要な最適なギアを保ってスムーズでリズミカルな変速を行います。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

ゴルフ4と共通の足回りが与えられているため、ドライバーの意思に忠実に反応するリニアなステアリングフィールを持ちます。ただし、スポーツカーのような過敏なフィールではなく、ゆったりとした自然な操舵フィールです。

コーナーでは緩やかなロールを発生しながら、沈み込んだところでしっかりと路面をグリップします。

高速域においてもロードホールディング性能が高く、フラットで高い直進安定性を誇ります。また、低速ではゴルフ4と同じく路面の段差を拾ってバタバタとした衝撃を発生させますが、適度に角が丸められているため不快な印象はありません。

評価のまとめ

小さな高級車というコンセプトの元、兄弟車のVWゴルフ4より上級な車として企画されていますが、実際のドライブフィールは大衆車的でゴルフ4と大きな違いはありません。

つまりこの「アウディA3」は少し価格が高いだけで中身は「ゴルフ4」と同じというわけです。ただし、そのスタイリングはゴルフ4には無いプレミアムカーにふさわしい上質な雰囲気を持ちます。

そのため、このスタイリングが気に入れば、この価格差も十分に納得がいくものとなります。

ちなみに現行のアウディA3は、しっかりとゴルフとの棲み分けが行われており、価格差に見合った上質なプレミアム感を持っています。

価格

新車当時の価格 | 2,850,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)