初代 ルノー ラグナ RTE(1998年式)【旧型試乗】日本車の外観を纏ったフランス車 [GF-56F3R]

今回は「初代 ルノー ラグナ RTE(1998年式)」を試乗レポートいたします。
このルノーラグナは、1993年に登場した全く新しいブランニューモデルで、実質的にはルノー21の後継車として開発されています。日本市場では翌年の1994年より導入されています。

Dセグメントに位置する5ドアハッチバックです。

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外観

全長4500mmX全幅1745mmX全高1450mmのボディサイズを持ち、ホイールベースは2670mmとなります。

ジウジアーロ(イタルデザイン)によってデザインされた直線的なルノー21と異なり、有機的な曲線と面によりスタイルが構成されています。

フロント

ボンネット部分とフェンダーのつなぎ目に段差が付けてあるため、ボディ前半が二つに分かれているように見える面白いデザインです。その段差を効果的に使いヘッドライトとグリルがレイアウトされています。奇抜さや派手さはありませんがメカニカルで個性的なデザインです。

サイド

サイドビューは個性的なフロントと異なり日本車のような没個性的なデザインです。よくある普通の5ドアボディですが、プロポーションに大きな破綻がないため、深みのあるブリディッシュグリーンを選べば見違えたように上品な車になります。

リア

リア周りも当時の日産プリメーラ5ドアやMS-6のようなスタイリングです。フランス車らしさや大胆な提案はありませんが、地味ながら飽きのこないデザインだと思います。

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内装

日本車のような外観から一転して、優美な曲線を生かしたフランス車らしい軽やかなデザインが与えられています。上質感はクラス標準的なものですが、樹脂の素材感を存分に生かした外連味のないカジュアルな内装です。

フロントシートには、がっしりとしたフレーム構造にふかふかの柔らかな表皮が貼り付けられています。さらに芯材にはコシのある上質なスポンジが使われているため、タッチは柔らかく座り心地はどっしりというフランス車独特の快適な座り心地を味わう事が出来ます。加えてサイドサポートには適度な張り出しがあるため、長時間のドライブでも難なくこなすことができます。

リアシートはたっぷりとした座面と高さのあるシートバックにより、フロントシートと同様の快適な座り心地を実現しています。

荷室には深さと奥行きがたっぷりと取られているため、4人家族で1泊旅行など十分にこなす事ができます。

20年前の実用車なので静粛性は今ひとつですが、エンジン音やロードノイズなど、慣れていまえば走っている実感のある好ましい音に感じられます。

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エンジンとミッション

1998ccの直列4気筒SOHCエンジンに、4速ATが組み合わされます。
エンジンは、115ps/5400rpmの最高出力と、17.1kgf・m/4250rpmの最大トルクを発揮します。車両重量は1310kgとなります。

フランス本国では、プジョー406に搭載される新しい3.0LのV6エンジンが搭載されたモデルがありますが、これはスムーズでパワフルな素晴らしいエンジンです。ただ、この年式のルノーラグナの日本仕様にはなぜかこのV6エンジンが搭載されません。

代わりに搭載される2.0Lの直列4気筒エンジンは実用的で使いやすいエンジンです。これといった特徴のない平凡なフィールのエンジンで、パワーは必要十分ながら有り余るほどではありません。街中で不足を感じることはありませんが、ダウンサイジングターボ全盛の現代から見るともう少し低速トルクが欲しいところです。

組み合わされる4速ATは、力の小さなエンジンを補ってポンポンとリズミカルに変速していきます。現代的なCVTと比べると変速ショックは大き目ですが、このショックが逆にリズミカルでスポーティに感じられます。

足回りとハンドリング

前輪にマクファーソンストラット式サスペンション、後輪にはトレーリングアーム式サスペンションが装備されます。

ステアリングはロードインドメーションが豊富でしっとりとした味わい深いフィールを持ちます。スポーツカーのようにクイックなセッティングではありませんが、切った分だけ素直に曲がるため気持ちよく運転することができます。

コーナーではゆったりとしたロールを伴った自然な姿勢変化を見せます。そのため、コーナーの続くワインディングでも違和感なく安心してステアリングを握ることができます。

たっぷりとしたストロークのサスと扁平率の低いタイヤを生かした柔らかでゆったりとした乗り心地です。路面の段差を通過する際も、不快な衝撃を車内に伝えることはありません。

評価のまとめ

日本車的な外連味のないクリーンなスタイリングに、メカニカルで個性的なフロントマスクが組み合わされています。そのため、外車に興味はあるがあまり目立つのは嫌だという人にはピッタリな車と言えます。

加えて乗り心地やシート、内装デザインにはフランス車らしい濃いエスプリが与えられています。羊の皮を被った狼ならぬ、日本着物を纏ったフランス娘といったところでしょうか。

価格

新車当時の価格 | 2,990,000円

ABOUTこの記事をかいた人

クルマ好きの40代男性。現在病気のため療養中です。

ブログは暇つぶし&リハビリ。週2で短時間のアルバイトをしていますが、普通の人のように毎日フルタイムで働くことはできません。

ブログの内容はあくまで秋ろーの個人的見解です。実際に車や商品、サービスを購入する際は、自分で試乗や調査をして確かめることをオススメします。

記事更新の時間は、大体、午後11時から12時頃にかけてを予定しています。

修正ばっかりしてると新記事の投稿ができないんで、新記事3に対して修正1くらいの割合でやってます(2019年6月〜)