今回は「新型トヨタ カムリ ハイブリッド Gパッケージ(XV50)」を試乗レポートいたします。
トヨタカムリは2011年のモデルチェンジで8代目となりました。
外観
全長4850mmX全幅1825mmX全高1470mmのボディサイズを持ちます。またホイールベースは2775mmとなります。
1.8m越えの堂々としたサイズを持つ、オーソドックスなスタイルのセダンです。
街ですれ違ってもまったく印象に残らない奥ゆかしいデザインですが、よく見るとバランスが取れていて端正なルックスです。
フロント周りは、パキッとした直線だけで構成された切れ味の良いスタイリングです。
最近のトヨタ車によく見られる、有機的なスタイリングとは好対照をなす爽やかなデザインです。
サイドビューは、良く出来たFF車といった風情のバランスの良いスタイリングです。
面の張りにも硬質感があり、シンプルながらも安っぽさはありません。
リアビューは、どっしりとした角形のリアコンビランプが、クロムメッキのプレートで繋がれ、どっしりとした安定感があります。
内装
内装もオーソドックスで上質感のある、快適な空間です。
今のうねうねごちゃごちゃしたトヨタデザインからは隔絶の感があります。見ていても不安になる事がありません。
メーターグラフィックもオーソドックスで見やすいデザインが採用されています。
一部センターパネルにプラスチッキーな部分がありますが、カムリのクラス感を考えると問題のないレベルです。
前席は大きくて座り心地の良いシートが装備されています。あたりはふわっとソフトですが、芯でしっかりと身体を受け止めて支えるどっしりとしたシートです。
ルーフが絞り込まれておらず、後席の空間は十分な広さが確保されています。頭上、足元ともに広々としています。
後席のアームレスとは、トランクスルー機能を持ちます。トランクルームの大きさも広く十分な積載性があります。
遮音材がしっかりと詰め込まれており、エンジンも静かなため車内の静粛性は高いです。
エンジンとミッション
2.5L直列4気筒DOHCエンジン+電気モーターと、CVTが組み合わされます。
エンジンは、160ps/5700rpmの最高出力と、21.7kgf・m/4500rpmの最大トルクを発揮します。
また電気モーターは、143psの最高出力と、27.5kgf・mの最大トルクを発揮します。
JC08モード燃費は、23.4km/lとなります。
エンジンはレスポンスが良く、必要十分以上のパワーを発揮します。アクセルを踏めば、どの速度域からも瞬時に加速が得られ、1540kgのボディを軽々と引っぱります。
ただ、高回転まで回してもエンジンサウンドは盛り上がらず、ざらざらとしたフィールの悪さだけが感じられます。
もちろん、低速トルクが大きく電気モーターのアシストも強大なので、高回転まで回すような事はそうありません。
ハイブリッドの制御はさすがトヨタといった洗練されたものですが、車が停止状態でエンジンが再始動する時に限り「ぶるっ」といった不快な振動が感じられます。
足回りとハンドリング
前後輪ともにストラット式サスペンションが装備されます。
ゆっくりとしたスピードの素直なハンドリングです。ねっとりと路面を捉え続けるため、安心してコーナーを抜けられます。
直進安定性が高く、姿勢変化の少ないフラットライドな走行特性です。
前後ストラットサスに空気圧の高いエコタイヤが組み合わされているため、低速ではゴツゴツとした乗り味です。
しかし速度を高めれば、サスがしっとりと動きだし、ゆったりとした快適な乗り心地に変化します。
橋脚のジョイントを通過する時、衝撃を吸収しきれず「ドンっ」という突き上げ感があります。
評価のまとめ
端正なスタイルでボディサイズも大きいため、室内空間は想像以上に広々としています。またトランクルームも広大です。
大人数人と大きな荷物を積んで長距離を淡々と走る、というシチュエーションにぴったりはまる車です。
アメリカ市場主体に開発された車ですから、少しサイズが大きいのが気になりますが、その他は非常にバランスととれた実用性の高い車です。
郊外に住んでいて、長距離移動が多いという人にはオススメの一台といえます。
価格
価格 | 3,427,527円(税込み)